Thu 100318 京都、四条烏丸へ 烏丸せつこ「マノン」 岩崎良美「マノン・レスコー」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 100318 京都、四条烏丸へ 烏丸せつこ「マノン」 岩崎良美「マノン・レスコー」

 3月17日、奈良から京都に戻ってきたのが22時30分である(すみません、昨日の続きです。ただし、大した続き方ではありません)。京都は「東山花どうろ」という最近始まったお祭りの開催中で、東山から祇園あたりはなかなかの賑わいらしいが、カニ蔵くんにはそれを楽しみに行く時間は皆無である。それどころか、夜10時半の京都では、花どうろも何もとっくの昔に終わって、東山一帯の灯籠に暖かい灯はもう入っていない。ただ1200年の古都の暗闇が広がっているばかりで、「スカサズ、ソッコーデ、スキアラバ」の今井君でも、さすがにこれでは京都観光は無理である。
 奈良も奈良で「遷都1300年」のイベントが目白押し。京都駅でも悪名高い「せんと君」とそこいら中でお目にかかる。この前日に「せんと君」がやってしまった「粗相」が、新聞のトピックス欄を賑わせている。どこかのクス玉割で「せんと君」がクス玉のヒモを引いたところ、クス玉が割れる代わりに、クス玉そのものがゴロンと地面に落ちてきたというのである。足元に転がるクス玉を呆然と見つめ、呆然と頭を掻いている「せんと君」の写真が新聞に掲載されているが、粗相をしてなお「せんと君」はちっとも可愛くない。
 せんと君に対抗して、というより「せんと君がキモイから」ということで登場した「まんと君」なるものも、まあ見かけないことはない。ただしまんと君との遭遇はせんと君との遭遇と比べるとはるかに頻度が低い。頻度が低いから稀少価値かといえば、彼との遭遇にそれほどの感動はなくて「ああ、こんなのも存在したな」というおぼろげな記憶を呼び覚ますだけである。どうも「まんと君」は輪郭がシャープすぎて、「ひこにゃん」みたいなゆるキャラになることも出来なかったようである。
セント君
(近鉄京都駅の「せんと君」)

 というわけで、奈良県橿原神宮の「笑笑」でギネス級の超特急で飲んできた生ビールと日本酒の酔いをこのまま中途半端に漂わせたままグランヴィアで眠りにつくか、それとも夜の京都にくりだすか、難しい選択に迫られることになった。これは歴代の日本の名宰相を悩ませてきた数々の難題以上の難題であって、「5月末まで」などと暢気なことを言ってはいられない。京都の飲食店は閉店するのが驚くほど早いから、おろおろしていれば「くりだす」ほうの選択肢はあっという間に閉ざされてしまう。
 「可及的速やかに解決策を」「残された時間はわずか」。民主党政権にはまだ2ヶ月の猶予があっても、生酔いのウワバミ君に残された時間は30分程度。おお、そんなに足許を揺すぶられれば、もちろん「くりだす」という結論にしがみつかざるをえない。京都駅烏丸口に出て、気がつくと巨大な甲虫に似た1台のタクシーがウワバミどんを吸い込むために黒く輝く扉を開き、ウワバミどんも魅入られるように「四条烏丸まで」と呟いていた。
 おお、烏丸。烏丸という響きに、「烏丸せつこ」という女優をふと思い出して、目的地までのほんの5~6分の間に、今井君の灰色の脳細胞は1980年頃の日本を駆け巡るのであった。烏丸せつこと言えば「四季・奈津子」である。80年になるかならないころ、カネボウのCMがまだ「レディ’80」だったころ、「迷い道くねくね」の渡辺真知子が「唇よ、熱く君を語れ」「かもめが飛んだ日」を歌ってまだ売れっ子だったころ、烏丸せつこもまだ売り出し中の女優なのだった。あの頃生まれたヒトビトが、今や30歳orアラサー世代になっている。
 四条烏丸まではほんのわずかである。駅前に1時間も2時間も列を作って待っているタクシーに乗り込んで「四条烏丸」などとふざけたことを言ったら、おそらく「そりゃセッショーですワ」と叱られるので、だから向こうから走ってきた空車のタクシーを止めた。今井君は、叱られるのが大嫌いである。しかしだからといって「話がそれた」「余談が多すぎる」「雑談ばっかりだ」といって今のクマどんを責めるのは筋違いなので、いまはどうしても烏丸せつこを語りたいのだから、語らせてあげるのが優しさというものである。
 その辺のことはサリンジャーが「ライ麦畑」で主人公Holdenの口を借りて主張していて、「スピーチの時間に、どんなテーマを設定して話しはじめても、途中で何かもっと面白いテーマに気づいて話しはじめたら、そっちを優先すべきだし、聞いている方もそれに興味をもって聞いてあげる方がいい」というのが彼の意見。クマどんも大賛成である。
炭水化物1
(四条烏丸のコンビニで買った、炭水化物テンコモリの食品。ホテルに帰る長い道のりで、こんな偏った有り様になった。栄養の偏りを物理的に示せば、こうなる)

 で、「烏丸せつこ」であるが、1980年だったか81年だったかに東陽一監督の「マノン」で主演している。小説「マノン・レスコー」はアベ・プレヴォ作。プッチーニのオペラも超定番。東陽一の映画「マノン」はその舞台を日本に置き換えた作品である。出演は他に佐藤浩市、ビートたけし。うにゃにゃ。今井君の灰色の脳細胞はたいへんな記憶力を発揮するのであるが、今をときめくトヨタのSAMURAI・佐藤浩市部長は、部下の女子社員をキュンと言わせる30年も前に、瀕死のマノン・烏丸せつこを背負って砂浜をさまよったりしていたのだ。
 「今をときめく」という意味では佐藤浩市をはるかに凌ぐ北野武だって、当時はまだ「ビートたけし」。彼が映画というものに関わった最初期の作品が、烏丸せつこの「マノン」だったのだ。うにゃにゃ。卒論で映画論を書こうと思っている学部生諸君。今すぐ「マノン」をTSUTAYAで探したまえ。きっとどこの店でも見つからないから、すぐにネットで探したまえ。北野武論には不可欠の作品である。
 もし観たら、おそらくつまらなさに腰を抜かすが、まあ、いいじゃん。30年も前のこと、キミのご両親が大学生か高校生の頃のこと、アリスも吉田拓郎も井上陽水も「テレビには出ません」とマガオで言っていた頃のこと、日本の首相が大平正芳や福田赳夫だった頃のことなのだ。ついでに、歌手「岩崎宏美」の妹の「岩崎良美」というヒトが当時存在して、「マノン」という歌を熱唱していた。「私はマノン♡マノン・レスコー♡恋するために生まれた天使ぃー」「あなたのためなら♡捧げます命を♡身を焦がしたいの…(中略、というか、忘れちゃった)…熱く熱く♡あーつーくー♡はげー♡しくー」というサビである。
炭水化物2
(ザ・炭水化物。フタを開けてもやっぱり偏っておったとさ)

 おお、マズい。今井の脳細胞が唸りをあげて動き始めた。そんな歌詞を「岩崎良美」本人が記憶しているだろうか。だって、岩崎良美はドラマ「スクール☆ウォーズ」で松村雄基と共演した人である。おお、スクール☆ウォーズである。松村雄基である。うにゃにゃ。うにゃにゃ。「不良少女とよばれて」である。「アリエスの乙女たち」である。バカ話はどこまでも広がって、もうどうにも収拾がつかない。高校生諸君、大学生諸君、このへんの固有名詞を材料に、ご両親との暖かい対話を復活させたまえ。
 収拾がつかないので、いったん話を打ち切るが、それでは掲載した写真の説明ができない。長くなりすぎると「長すぎる」「長すぎて読む気がしない」と叱られるし、ケータイで読んでるヒトは目が乾くだろう。講演会だって「延長しない」のがウワバミ主義。ウワバミはもともと目眩がするほど長いから、わざわざ延長しなくても済むのである。
 おっと、また長くなりそうだ。マズい、マズい。この続きはまた明日にするとして、とにかく写真はその夜1時ごろ四条烏丸のコンビニで買った「やきそば&チャーハン大盛り」。冬眠から醒めたばかりのクマさんを太らせるには絶好の食品であるが、炭水化物テンコモリのこの食品も、四条烏丸からグランヴィアまで戻る間にエラく偏ったシロモノに変わっていた。「栄養的に炭水化物に偏っている」ということを、物理的な偏りによって象徴的に示せば、このような写真になる。おっと、マズい、マズい。延長しすぎたようである。

1E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY 4/4
2E(Cd) Fischer & Budapest:BRAHMS/HUNGARIAN DANCES
3E(Cd) Zukerman:MOZART/REQUIEM K.626
6D(DMv) ONE FLEW OVER THE COCKOO’S NEST
total m18 y384 d4483