Sun 100314 謝罪されても楽しくない 熊本県八代市の講演会で一気に復活する | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 100314 謝罪されても楽しくない 熊本県八代市の講演会で一気に復活する

 ところが、大逆転で講演が大成功に終わった後(スミマセン、昨日の続きです)、校舎スタッフからの謝罪が相次いだ。「ホントにスミマセンっ」「ホントにスミマセンっ」「スミマセンでしたっ」と、理由も言わずにとにかく深々と頭を下げるのである。255名の予定で115名しか集まらなかったことへの謝罪なのだが、そういう話は90分前にとっくに終わったことである。
 今この段階でそんな謝罪を受けても1つも嬉しくないので、かえって爽快な疾走感と満足感を台無しにしてしまう。ここで聞きたいのは今の講演に対する感想であって、ましてや、あの素晴らしい盛り上がりを全て目撃していたはずの人間が「どうでしたか、聴衆の反応は?」とか、不必要な質問を投げかけてくるとホントにガッカリする。
 終わってしまったことついて、今さら文句を言うつもりもないし、講演自体は大成功だったのだ。今井の歴史上でも最も爽快な疾走感の中で大迫力の90分を走り抜けた次の瞬間に、そんな中身のない投げやりな謝罪だけ投げつけられるのは、たいへんイヤなものである。後から適当な謝罪をして済ませた気持ちになるより、すぐにしっかりとした善後策を考えるのが正しい方向性だと思う。
 しかも、謝罪だけは投げてくるが、「サイン会はお願いします」なのである。今井からは「なぜサイン会をしないか」についての説明を事前に文書で送信している。他の校舎はみんなすっかり納得して「そうですね、サイン会より、生徒がすぐに勉強に取りかかることの方が大切ですよね」と心からの理解を示してくれる。それなのに「ホント、今日は、スミマセンでしたっ。でもサイン会はお願いします」では、何のことだかわからない。今井からの文書さえお読みになっていらっしゃらないのかもしれない。ウワベだけの謝罪が大嫌いになるのはこういう時である。
八代1
(翌日、熊本県八代市の講演会で。完全に復活した今井君)

 いつまでも続く謝罪に適当に答えているうちに、何だかつらくなってきた。肩と首の痛み、目の奥の熱さ、そういうものまでぶり返してきて、せっかくの大逆転と大成功を台無しにされてしまった気分である。その後の「お食事会」なるものも、どうせ「ホントにスミマセンっ」「スミマセンでしたっ」の嵐の中で終わるので、大逆転と大成功のことなんか、スタッフはもう忘れているのである。謝るのに懸命で「講演自体見ていなかった」可能性すらありうるのだ。すると今井としては「慰める側」に回らなければならなくなる。そういうお食事会に、こんな首の痛みを抱えて出席させられるのは、イヤである。
 ふと、翌日おじゃまする熊本県八代の東進スタッフに電話をかけ、「ちょっと疲労気味なので明日の熊本ではお食事会を遠慮したい」と申し出た。ホントなら、今夜の竹園のお食事会を遠慮するのが筋なのだが、もうおそらく店の予約もとってあるはずだし、お食事会を楽しみにしている若い職員もいるだろう。ドタキャンみたいなことはなかなか言い出せなかったので、「遠慮」は翌日の熊本のほうにしてもらったというワケだ。
 ただし、熊本のお食事会を遠慮する理由は、なかなかヒトに伝えにくいものである。熊本から遠く離れた茨城県の校舎で「謝罪されることに疲れた」「慰めてあげることに疲れた」「大逆転&大成功に無関心でいられるのに疲れた」、だから「熊本のお食事会は遠慮する」、これは難しい理屈である。まさか、飛行機から眼下の景色を150度にひん曲がって眺めていて、極度の筋肉痛が首と肩に来た、そこへ赤ワイン飲みながら椅子でうたた寝して風邪も引いた可能性がある、それではほとんど10歳の小学3年生にも笑われるていたらくじゃないか。
 しかも「今井先生がお食事会に行かない」「あのウワバミ先生が酒を飲みにいかない」「熊本にいらっしゃるのにカラシ蓮根も馬刺も召し上がらない」という驚くべき情報は、おそらく種々様々な憶測の尾ひれがつき、「何か失礼でもあったのではないか」という話になり、明日一日いろいろ質問されまくる結果になりそうなのである。
八代2
(復活しすぎて、激しく踊りはじめたクマさん)

 14日日曜日、つくば発10時の電車に乗って、秋葉原から電車を乗り継いで羽田、羽田空港からANAで熊本空港、熊本空港からは東進スタッフのクルマで、宿泊先の「ホテル日航熊本」に15時に入った。5時間の大移動である。そのあと講演までしばらく時間があったので1時間ほどホテルで休んでいたが、昨夜の「投げやりな謝罪」が心にひっかかっていて、どうも気分は盛り上がってこない。
 16時、再び東進スタッフのクルマで講演会場の八代市に向かった。八代は4年ぶりである。クルマの中でやっぱり予想通り、「ホントに今日のお食事会は不要なんですか」「ホントにカラシ蓮根も馬刺も食べないんですか」と何度も尋ねられた。
 ところが、何とも不思議なものである。八代まで1時間弱、高速道路を走りながらバカバカしい雑談に興じるうちに、すっかり気分が上向いてきて、いったん上向けばどうにも止められなくなるウワバミどんは、八代に到着するころにはもう「意地でも♨カラシ蓮根」「何が何でも♡馬刺」あげくの果てに「それがなくてホントに熊本に来たと言えるだろうか!?」と修辞疑問文を口にするほどに気持ちは回復してきた。
八代3
(八代の「パンパンパン」)

 昨日の大逆転と疾走感、あれを再現したい。再現どころかさらに上回るような最高の講演を熊本の八代で成功させて、気分よくバサシ閣下とカラシレンコン将軍に報告に行きたい。クルマを降りるころには、気持ちは完全に切り替わって「スミマセンが、やっぱりお食事会に出席させていただきます」とスタッフに伝えるほどになっていた。人間とは、誠に他愛ないものである。
 18時開始、19時半終了、出席者120名弱。狭い会場は「パンパンパン」になって、机も椅子も足りなくなり、会場の倉庫から次々と予備のものを運び入れ、ギリギリで出席者全員を収容することができた。「逆転」するまでもない、開始直後から連続勝利での大成功になった。
八代4
(八代でも、大きな花束をもらう。花束を食っちゃうぐらい復活している)

 今井君もちょっとだけ会場の設営に手を出して、開始30分前まで椅子や机を運搬する手伝いのフリをしてみたが、こういうのは楽しい。講師とスタッフの一体感みたいなものを感じることができる機会は滅多にないのである。終了後、「大分大学工学部に合格しました」というホヤホヤ君と、まだ高校1年で「これから東進で頑張ります」という弟くんが挨拶に来た(このときのことはすでに書いたはずである)。ホヤホヤ感もまた講師を元気にする源である。