Tue 100216 渋谷、シネマアンジェリカへ 昔のタクシー病 東進・渋谷西口校 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 100216 渋谷、シネマアンジェリカへ 昔のタクシー病 東進・渋谷西口校

 3月1日、観たい映画があって、昼過ぎから渋谷にでた。渋谷にきたのは、大好きだった加藤周一(Sun 081207参照)の記録映画「しかし、それだけではない/加藤周一、幽霊と語る」をどうしても観たかったからである。注意深い読者なら、昨日のブログ記事のなかに「しかし、それだけではない」というセリフが連発されているのに気づいたかもしれない。これも加藤周一の影響である。
 今井君は、7年前から住所だって渋谷区だから、渋谷はもうすっかり今井君の地元なのだ。13年前、埼玉県北葛飾郡鷲宮町というなかなかたいへんなところから下北沢に引っ越してきて以来、「地元は渋谷」という生活が続いている。埼玉から下北沢への移転の理由についてもいつか語りたいと思うのだが、長くなりすぎるから今日はヤメておこう。

(しかし、それだけではない。加藤周一、幽霊と語る)

 「下北沢がどうして渋谷なんだ?」というヒトは、やっぱりまだ東京のことがよくわかっていないので、代々木上原に移転する前の今井君が6年住んだのは「代沢4丁目」。ここから渋谷駅前ゆきの東急バスが頻繁に出ていて、渋谷まで20分程度。朝晩は2分おき、昼間でも5分おき、深夜1時を過ぎてもまだ「深夜バス」というしつこいものが渋谷駅と代沢の間を意地でも走り回っている。
 だから、代ゼミの代々木本校にも最初のうちはこのバスを使って通った。週3回の行き帰りだから、このバスにはすっかり馴染みになった。馴染みになった頃に、代ゼミ講師にありがちな贅沢癖が今井にも感染する。だって、代々木本校講師室の話題と言えば「フェラーリ買ったぜ」「おれポルシェ」「おまえ、まだベンツなの?おじさんクサくね?」「昨日25万円のワイン飲んじゃった」「この靴、世界に2足しかねえんだぜ」の類いが多い。もちろん彼らはそういうおクルマでご通勤なのである。
 今井どんは、そういう高級外車にも高級ワインにもオシャレにも全く興味がないから、贅沢癖は「タクシー病」になって噴出した。「毎朝毎晩バスになんか乗れるものか」「電車もイヤだよん」と考えるようになり、週6日、どこの校舎に通うのでもタクシー以外使わなくなった。行き帰りともである。朝に雨が降るとタクシーが拾えなくて、茶沢通りに面した自宅の前で30分待ってもダメだったが、それでも傘をさしてタクシーを待ちつづけた。
 ま、要するに病気である。病気にはもっともらしい理由がついていて「混雑したバスとか電車に乗って、万が一、痴漢と間違えられたらどうするんだ?」だったり「朝からバスや電車で疲労しきったら、いい授業なんか出来るわけがない」だったりした。東進に移籍したおかげで、この病気はだいたい治ったけれども、いまでも、代ゼミ講師にはこの種のたいへん贅沢なおヒトが少なくない。生徒の授業料は、こういうところに消えていくのである。
 横浜校とか大宮校の日は、さすがに気が引けて渋谷駅までは電車で帰り、渋谷からタクシーに乗った。名古屋校からの帰りのタクシーは、さすがに東京駅から。タクシー病にかかっても、まだいくらか常識は残っていたのである。

(道玄坂上、シネマ・アンジェリカ)

 ところが、あるとき横浜校で面白くないことがあって、えげつない中傷の被害者になってみれば誰でも身にしみてわかるが、どうしても夜の横浜で酒を飲まずにはいられなくなった。酔っ払ってしまえば、横浜駅前にズラリと並んだタクシーに乗り込んで「東京、下北沢」と言ってみたくなる。運転手さんの驚きの反応が快感になるのである。
 それがクセになって、横浜の日はあえて飲み会を企画し、その帰りに「東京。第3京浜から三軒茶屋方面、茶沢通りを下北沢方向に」と絶叫して、タクシーの中で眠りに落ちるのが木曜日の定番になったりした。その一言で、毎週およそ10000円。あの頃は、ずいぶん無駄遣いをしていたのである。
 ありゃりゃ、話がすっかりそれてしまったが、とにかく映画を観ようと渋谷に出て、雨模様の渋谷西口で、「おお、ホントに雨になりそうだ」と空を見上げた。ドラマの舞台として余りにも有名な、渋谷西口の歩道橋前である。その時、偶然目にした情景が以下の写真である。

(渋谷南口歩道橋ごしに、東進渋谷校の看板を発見)

 おお。今井君の生活は、プライベートな部分まで、どんどん東進に囲まれていく。代々木上原の自宅からの徒歩圏内だけでも、下北沢校、三軒茶屋校。日曜日にテレビをつければ、フィギュアスケートでも水泳でもサッカーでも野球でも、あれれ、あそこの看板にデッカク「東進ハイスクール」。で、とうとう渋谷西口のこんなスゴいところに、このスゴい看板である。
 嬉しかったので、試しにその渋谷西口校を訪問してみた。さっそくブロック長が出てきて応対してくれたが、ここはついこの間まで「Z会渋谷本校」があった場所である。今井の講演でよく「乙会(仮名/おっとかい)」として登場する例のZ会が、とうとう渋谷のこの場所から撤退or移転したかと思ったら、おお、その跡地をチャンと東進が引き継いで、どーんと占拠する。これは頼もしいというか、「おお、やるな、おぬし」というか。東進で5年も講師でいるのだから、「おぬし」というより「じぶん」のような気もするが、とにかく今井の地元でもある、今井もしっかりサポートしたいと決意するのであった。

(渋谷西口校に接近)

 なお、まもなく右の「アーカイブス」の欄を少し切り替える。入試の現場でどう行動しどう考えるかについての記事から、「浪人生の予備校生活がどのようなものか」について、2009年4月の記事を中心にアーカイブスを作成することにする。「安易な気持ちで浪人するな」と言っても、では実際に浪人生活とはどのようなものなのか、本当にテキストだけやっていれば合格するようなバラ色の生活なのか、「浪人を決める直前だ」「決めかけている」というヒトに、そういうことをいろいろ考えてもらいたいのである。明後日中には何とかアーカイブスとして右欄に示せると思うので、安易に決めようとしている諸君は、それをクリックしてもう一度しっかり考えてほしい。