Sun 100214 今井講演の冒頭 訴えるのは基礎徹底・軽薄な学習の排除 大喝采が続く | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 100214 今井講演の冒頭 訴えるのは基礎徹底・軽薄な学習の排除 大喝采が続く

 さて、昨日予告しておいた「今井講演会の冒頭」であるが、「スタンダード版」はおよそ次のように始まるのである。態度は、ぶっきらぼうそのもの。だって、ウンザリした顔で入場して、登壇すると何よりもまず拍手をヤメさせ、皮肉な苦笑を浮かべ、何だかコバカにしたような表情で室内または会場内をしばらく見回し、ちょっと溜め息をついてみせるのである。ここでまず控えめな笑いがおこり、「ありゃ?」という驚きの波が広がる。そこで、立ち位置を微妙にかえ、姿勢を正して、以下のように語り出す。
「こういうイベントに参加して、しかもたった90分か100分で、熱血教師に感動と勇気をもらうとか、英語の成績が急上昇するとか、『目からウロコが落ちる』とか、そういう甘い考えをおこしてはならない。キチンとした英語力をつけるには、キチンとした環境で、一定以上の期間キチンと努力を続けなければならない」
「このイベントは、あくまで塾とか予備校の営業活動にすぎない(うぉ、すげー正直なオジサンだ。ただし高校生が『営業』という単語を理解しているかどうかは疑問)。そのぐらいのことは、君たちぐらいの年齢になったら理解していなければならない。2月とか3月とかに塾がこういうイベントを開催するのが、新年度生徒獲得の純粋な営業活動であることに気づかないようでは、それは単なる子供である」
「だから、講師がそうでないフリをするのは不正直、熱血ぶりの発露はウソまたは演技である。お互いにそれを原点にして、その前提で、真実を伝えたい」
「この時期に塾のイベントに参加して手軽に英語力をつけようと考えるのは、デパ地下の試食品をつまんで栄養をつけ健康維持を考えるのと同じことである。大事なことは、今日ここで満足するのではなく、これを早く本格的スタートにして懸命に継続する姿勢である」
「せっかくナマで今井と生徒諸君が出会って、『関係代名詞の訳し方』『現在分詞と過去分詞の違い』『長文読解問題の速読のしかた』、そんな卑小で矮小な話に終始していいはずはない。そういうことは、もっとキチンとした環境の中で、キチンとした授業で学ぶべきである。机なし、イスだけ、ホワイトボード1枚、この環境でナマで話ができるなら、会の目標は、終了後には『早く帰って、今夜からすぐにガンガン勉強したい』と決意することであり、その強い決意以外には大した意味はない。」
「だから、今日の目標は、会が終わったら走って帰って、直ちに無我夢中で勉強を始めること。サイン会とか、抽選会とか、そういうバカバカしいお祭り騒ぎで盛り上がるより、走って帰って、今夜中に英単語集を10ページやること、それを1ヶ月続けること、そうやって1冊を1ヶ月で仕上げて、それを夏までの5ヶ月で5回繰り返すこと。今日の会はそのスタートであること。そういう基礎徹底の発想を定着すること。目標は、そういうことである」

(猫としての基本のしっかり出来ているナデシコ 1)

 いや、あまりにも正直モノである。明らかに普通の講師とは違うのだ。今井どんは、もうすでに「人気取りに汲々としなければならない時期」は通過した。「has come and gone」である。基礎徹底、ゴボウが鋼鉄のゴボウになること、タマネギが鋼鉄のタマネギになること、そういう発想を徹底させたい。軽薄な学習法の諸君を圧倒すること、スラッシュで英文を切り刻んだだけで速読のつもりになる怠惰な読解法を退けること、この種のことを日々訴えかける。

(猫としての基本のしっかり出来ているナデシコ 2)

 もし、そういう硬派の訴えが受け入れられないイヤな時代がきたら、潔く講師を退いて若い先生がたに道を譲ればいい。自分で言うのも変な話だが、要するにすでに「円熟期」。そういうところまで、いつのまにか来てしまった。こんなふうだから、訴えかけていることはおそらく真実である。

(猫としての基本のしっかり出来ているナデシコ 3)

 もちろん、「硬派の訴えが受け入れられなくなる」という気配は、今のところ感じられない。講演会の冒頭30分~40分にわたって基礎徹底を訴えつづけるのであるが、話が進めば進むほど、生徒諸君の決意の表情は輝き、熱心にうなずいてはノートをとる者が増え、サイン会も抽選会も握手会もないことに不満を言う者はいない。実際に「走って帰宅」しようとする生徒の多さにはちょっと呆れるが、今井は「電車の中でも走って帰れ」「パパが迎えにきても、そのクルマには乗らないで、クルマの横を走って帰れ」と訴えるのだ。

(基本が出来てなくて、すみません)

 気がつくと、どんな熱血講師より熱く盛り上がった野蛮なクマがそこにおり、真っ黒いクマの前の生徒諸君の表情も、「満足度100%」そのもの。別に「生徒アンケート」を講演終了後におそるおそるめくる必要もないのである。
 というわけで、よほどのことがないかぎり、今井はまだ今後5年は講師を引退できそうにない。今月もまた大喝采の連続なのであった。おお、安心、安心。

1E(Cd) Surface:SURFACE
2E(Cd) Surface:2nd WAVE
3E(Cd) Enrico Pieranunzi Trio:THE CHANT OF TIME
6D(DMv) UNFAITHFUL
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