Sat 100213 つくば講演会 講演で「情熱あふれる熱血講師」的な行動を避ける理由 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 100213 つくば講演会 講演で「情熱あふれる熱血講師」的な行動を避ける理由

 2月20日、茨城県つくばで講演会。19時開始、21時終了、出席者120名。会場はいつものように超満員で立錐の余地もない。日本語のネイティブだが両親はロシア人、ロシア語ももちろん流暢という優秀な生徒の司会で、たいへん楽しい2時間を過ごした。ここの校舎長S氏も、横浜のY君(Sun 100207参照)と同じように5年前に東進移籍直後の河口湖合宿で一緒だった男。いつか下北沢でバッタリ会ったことがあるが、実家は代々木上原、中学は上原中だったというから、まさに今井の地元の人間である。そういうことまで含めて、今日の大成功がまたうれしかった。
 書いてきた通り、2月はずっと例外なく絶好調で、東進主催の講演会(正式名称:特別公開授業)について、今のところ何の不満も要望もない。是非この調子で続けていきたいし、この好調を維持したい。しかしあんまり「好調だ」「絶好調だ」と連呼して、何でもかんでもホメちぎってばかりいると、確かに「ウソくさい」というか、単なる宣伝広告くさくなってしまうのも確かである。「何かご不満は?」「不満があったらご遠慮なく」という問いにゼロ解答ばかり続けていると、特にネットの世界では「単なる宣伝ブログ」「大政翼賛的」という批判を招きかねない。
 その意味で、あえて「講演会で感じる自分への不満」を書いておくことにすれば、「何だか、だんだんパターンが固まりすぎてきているようだ」ということに尽きる。同じテキストをつかって同じことを話すのだから、ワンパターンになりがちなのは当たり前すぎるほど当たり前だが、毎日別の場所で同じことを同じ演出で語っている自分に、少々空しさまたは限界を感じることもあるのである。講演には「スタンダード」「優秀者が多い場合」「父母世代向け」の3種類があるから、うまく使い分ければ「毎回同じ」の感は免れるが、「優秀者向け」の話は近日詳しく触れることにする。

(茨城県つくばでの講演会。やはり、立錐の余地もない。例題を解かせている最中である)

 もちろん生徒のほうはナマの今井が目の前にきて、ナマのマンマで2時間近く信じがたいほどの熱弁をふるうのだから、その新鮮さは相当なモノだろう。しかし、たまに不安になるのは「同じパターンの公開授業が1年に4回も5回も続いたら、生徒だってだんだんウンザリするんじゃないか」ということである。
 ほとんどの講演会は18時半に開場、19時に会が始まって、まず司会者が会場を温める。熱い口調で講師の紹介をするとか、講師を迎えるために「拍手の練習」を繰り返すとか、温め方にもいろいろあるようだ。そうやって司会者が引っぱりに引っぱって、生徒諸君がみんなジリジリしたあたりでやっと、「では、いよいよ」ということで19時10分、講師が登場する。
 登場の仕方もまた講師によっていろいろであって、絶叫しながら全力疾走で演壇にとび出してくる講師、いきなり破裂したように激しい授業に入る講師、「さあさあ、さあさあ」とスーパー特売日のような元気な掛け声を連発しながら爆笑をよぶ雑談で始める講師、とにかくありとあらゆる工夫をして生徒たちの元気を引き出そうと努力する。流行のイヤらしい言葉で言えば「勇気を与えたい」のであり、「元気をもらった」と言ってほしいのである。

(つくば講演会。おお、中年の余裕の笑顔を見たまえ)

 今井君は、中年オジサンの代表であるから、そういう若々しく激しいスタートは回避する。実におとなしく、実に苦々しそうに、実にやる気なさそうに、つまりどこまでも中年オヤジらしく、「そういう不自然な歓迎ぶりはムカつく」という渋面をつくって演壇にのぼる。そして直ちに拍手をヤメさせ、静粛を求め、「最初の5分間は、いつも調子悪いんです。5分だけ我慢してください」と断言する。
 このあたりから、他の先生の公開授業とは全く別の様相を呈する。あまりの異質さに困惑を感じつつも、「おや、いつもと違うぞ」「いつもの『情熱あふれる熱血講師!!』とは違いそうだ」という期待で、確実に生徒の顔と目が輝きはじめる。そこを見計らって、
「授業ということになっているが、机もない。ぎゅうぎゅうづめ。小さなホワイトボード1枚。こんな環境で授業なんかしたって効果は上がらない。だから授業だとは思わないでほしい。授業は授業で、ちゃんとした授業をちゃんと受講してほしい。無料の特別講習でも、今井の授業を5コマ受けられる。その中の前置詞の説明は絶品のはずだ」
と告げる。この発言に呆気にとられる生徒は多い。特に「今井初体験」の生徒諸君は「どうも、この先生は機嫌が悪いのだ。拍手しても嬉しそうじゃない。歓迎の飾りつけにもニコリともしない」という驚きが先に立つ。
 主催する側の職員が今井のことをよく知らないと、ここで大慌てに慌てはじめる。「今井先生が何か怒っていらっしゃる」「何か失礼なことをしてしまったのかもしれない」という誤解で浮き足立ち、若い職員が会場をとびだして、外でベテラン職員と善後策を話し合ったりしはじめる。

(つくば講演会。すでに生徒は呆気にとられはじめている。余裕の笑顔がさすが中年、さすがベテランである)

 今井カニ蔵はそれを横目で見ながら、呆気にとられている生徒諸君に向かって淡々と話を続ける。では、いったいどんな話なのだろうか。ま、それは「企業秘密」であって、普通ならそんな大切な秘密をブログ上で明かしたりは絶対にしない。しかも、若い普通の講師が以上に示したような講演の始め方をして、成功につながることはまず考えられない。それなのに、今井は♨必ず♨成功する♨。この5年、1年につき60回程度の講演をして、まあのべ300回。別に自慢するのであるが♡、失敗したり、生徒諸君が居眠りしたり、お世辞の拍手をイヤイヤしたり、そういうことは皆無なのにゃ♡。
 そこで参考までに、今井講演会(スタンダード版)の冒頭について、明日のブログで詳細を語ってみたい。ただし、あくまでこれは今井独特のキャラクターがあって初めてうまくいくものなので、若い先生がたがマネしようとすると、確実に失敗するばかりか、席を蹴って帰ってしまう生徒が続出しかねない。そんな大失敗をした後で恨まれては困るので、「よい子の皆さんは、絶対にマネしないようにしましょう♡」。

1E(Cd) Walt Dickerson Trio:SERENDIPITY
2E(Cd) Haydon Trio Eisenstadt:JOSEPH HAYDN:SCOTTISH SONGS(8)
3E(Cd) Haydon Trio Eisenstadt:JOSEPH HAYDN:SCOTTISH SONGS(9)
6D(Mv) だれのものでもないチェレ:シネマアンジェリカ
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