Wed 100210 2月17日、海浜幕張での講演会 予備校を訪れるヒトにありがちな誤解 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 100210 2月17日、海浜幕張での講演会 予備校を訪れるヒトにありがちな誤解

 2月17日水曜日、海浜幕張で講演会。冷たい風の吹き荒れる寒い1日だった。気象庁がどう強弁しようと、今年は絶対に暖冬ではない。言語道断に寒い日が延々と続いた2月の中でもこの日は特に寒い1日であった。2時間近くかかって、やっとの思いで海浜幕張にたどり着いたのは、17時半。すでに氷のように冷えきって、黒クマが白クマに化けて試しに北極海に飛び込んでみた直後のように、身体の心から震えている始末であった。
 海浜幕張校は、幕張の巨大ビル群の中にひっそり隠れていて、関係者でもウッカリするとどこにあるのかわからなくなってしまいそうである。「駅前の雑居ビルのワンフロアの、そのまた一部分」とは言っても、その「雑居ビル」の規模が他の校舎とは違うので、滅多なことで探し出せると思ってはいけない。IT関係の有名企業も同じフロアに本社を置いていたりして、ここを選んだのは「さすが東進」である。
 19時スタート、21時終了、出席者90名強。北千住の130名弱や、横浜の130名強に比較すれば確かに見劣りするが、それでも「初めて東進に来てみた」という高校生が30名も含まれている。「よくこの校舎を発見して、ここにたどり着いたものだ」と、白クマのマネをして凍りついた黒クマとしては、まずそのことに感心するのであった。

(海浜幕張での講演会 1)

 「今井はアメばかりでムチがない」という批判は代ゼミ時代からあって、確かに授業中の今井君は「こりゃ少し、おだてすぎ?」「あらま、ほめすぎのせいで、シラケ気味?」と自分でも感じることがなくもない。もちろんそういう瞬間には、間髪を入れずに「もちろん、おだててるだけですよ」「ほめすぎを、あんまり本心から信じてはいけません」「ご用心」「ダマされてはいけません」と、自分で自分につっこみをいれ、ついでだから、それでスカさず笑いもとることを忘れない。
 「だから」ということではないが、いろいろにバリエーションを設け、厳しい発言も織り込んで、生徒も自分も飽きないように工夫する。大きな工夫としては「優秀者が集中した場合の講義内容」というのがあるのだが、それについては2月23日の京都での講演会について書く際に説明することにする。そういう大きなバリエーション以外にも、講演が始まる前の生徒諸君の状況を見ながら小さなバリエーションは積極的に作り出していくことにしていて、例えば今日の海浜幕張みたいに「初めてきてみた生徒」が多い場合には、それ独特のパターンがあるのだ。
 初めてきてみた生徒諸君を、予備校の世界では「外部生」とか「一般生」と呼ぶ習慣であるが、東進を訪れる外部生は、普段から東進に通っている「内部生」と比較して、「予備校をナメている率」が若干高いようである。
「講師は生徒を甘やかすもの」
「教務課はワガママをすべて聞いてくれるもの」
「遅刻したって、私語したって、叱られるはずはないもの」
「もし叱られたら『ちょー(オニ/テラ/メガその他)ムカつかね?』と罵声を浴びせれば終わるもの」
「アンケートに書き放題の悪口を書きなぐって『2度と来るかよ!!』とイスを蹴って出て行けばいいもの」
この種の確信をもってやってくる高校生が、つねに若干名存在する。

(海浜幕張での講演会 2)

 この日の海浜幕張みたいに、出席者90名強のうち外部生30名、つまり30%が外部生で占められるような場合は、その誤解を正すことから始める必要性を痛感することがある。講師控え室の真横が生徒の溜まり場にみたいになっていて、公開授業開始前から生徒たちの話し声を1時間も聞いて過ごしたから、今井君の「痛感ぶり」のボルテージはどんどん上がっていた。
 普段から東進に通っている内部生は「溜まり場」みたいなところに溜まることはまずありえないのだが、外部生がたくさん来れば、始まる前から誤解に誤解を重ねて「予備校はワガママ言い放題」と考えているのがハッキリわかるような「ダレ放題」「チラカシ放題」の有り様は、まあそれなりに目に余るのである。
 こういうふうで、今日のバリエーションは、講演冒頭でその誤りをしっかり正すという方向性であった。
「なぜ予備校まできてマックをパクつきながら1時間もダベっていなければならないのか」
「それなら予備校なんかに来ないで、マックでダベッていればいいことじゃないか」
「どうしてそんなに中途半端なのか」
「せっかく予備校で1時間過ごすなら、英単語を20個覚えるでも、数学の基本問題集を集中して10問こなすでも、そっちのほうが遥かにカッコいいではないか」
その他、要するに、「中途半端なのはカッコ悪いねえ、諸君」と呼びかけることから始まった。

(海浜幕張での講演会 3)

 それだけのことで、雰囲気はいくらでも引き締まるのである。「お、この講師はちょっと違うねえ」という快い驚きの感触が受講生諸君から伝わって、その後は同じ爆笑の連続でも、爆笑の素直さが違う。「いくらでも甘えていい」「ワガママ言い放題」「予備校なんかいくらでもある」の誤解を放置した状況での反応とは、次元の全く違う爆笑が獲得できるのである。
 なんだ。「今井はアメばかり」どころか、ちゃんとムチでビシビシ言っているのだ。「私語厳禁」の徹底とともに、今井君は言うべきことはキチンと厳しく伝えるムチ派でもあるのであった。ただし「キツいこと言って、どんどんイジメてほしい♨」「ぶって♡」「叱って♡」「お仕置きして♡」という趣味の人とは、まことに残念ながら決してウマが合わないので、そういうおカタは必ずそういう場所と教師を選択していただきたいと願うばかりである。
 今夜はちょっとしたアクシデントがあった。講演残り15分ほどのところで、最前列に座っていた女子生徒が気分が悪くなってリタイアしたのである。隣りの男子生徒がすぐに気づいて今井に告げてくれたし、今井が声をかけた女子職員2名が素早い対応をしてくれて、事なきを得た。
 今日は全員に机があったとはいえ、さすがに狭い会場で2時間近い講演では、どんなに楽しい講演をしていても、生徒がちょっと寝不足だったりするとこういうことも起こる可能性がある。くれぐれも無意味な延長などしないように気をつけなければならないだろう。

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