Sat 091121 稲毛海岸講演会 ラグビーで活躍した男たち バングラデシュでのS君の活躍 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 091121 稲毛海岸講演会 ラグビーで活躍した男たち バングラデシュでのS君の活躍

 20日、稲毛海岸で講演会。19時開始、21時終了、出席者60名強。高1高2に限定しての講演会は10月以降のすべての講演会と同様であり、もう入試が直前に迫った高3生の出席は認めない、ということになっている。京葉線もほとんど終点近くの小さな駅で、「校舎」とは言っても1階がミスタードーナツ、3階は「セントラルスポーツクラブ」、おそらくは大家さんの方針で、「東進」の大きな看板も出していない雑居ビルの6階である。そういうことをいろいろ考えると、この出席者数は立派、というより、もし自分が校舎長だったらおそらく決して達成できないであろう、奇跡的と言っていい数字である。


 そうやって懸命に集めてくれた受講者たちを失望させることのないように、全力を尽くして講演に臨む。首都圏は気温が上がらず、インフルエンザのケアで職員にも生徒たちにもマスク姿が目立つ。悪天候の中せっかく集まってもらって、それで不満が残るような講演会をしたのでは、講師失格である。
 

 ただし、全力を尽くし、刻苦勉励し、大汗を流して努力しても、それが必ずしも成功につながるわけでもないのが、この世界の難しさ。余裕のある表情を崩さずに、ふざけてみせたり遊んでみせたり、「軽々と全力を尽くす」という離れ業が必要なのである。正式には21時に終了したのだが、その後サインを求める者、公開授業には出られなかった高3生で「どうしても」相談のある者、その他いろいろ生徒の対応をしていたら、時計はカンタンに22時を回ってしまった。

 

2009
(稲毛海岸講演会 1)


 昨日の綾瀬でも、今夜の稲毛海岸でも、「ついこの間までラグビー部で忙しくて、本格的な受験勉強に入れたのは11月に入ってからだった」という高3生の相談を受けた。綾瀬で話したのは、有名進学校のナンバー8でキャプテンだったという男。稲毛海岸でも、有名進学校のラグビー部で右ウィングだったという男である。


 サッカー部も同じだが、ラグビー部の場合、最後の全国大会が年末から年始にかけてだから、地区予選がこの時期になってしまうのは当然である。センター試験の2ヶ月前までサッカーやラグビーで泥まみれになっていて、この時期から「さあ、受験勉強に夢中になるぞ」という生徒たちは、たいへんな集中力を要求されることになる。しかしそれでも彼らの多くは実際に驚くべき集中力を発揮して、見事に難関を突破していくのである。

 

2010
(稲毛海岸講演会 2)


 今年一番驚かされたのは、埼玉県予選で決勝まで進出した浦和高校の活躍である。決勝戦のスコアは10対5。ワントライ差で花園へのキップはつかめなかったにしても、埼玉県予選で決勝まで進んだのは感動的である。埼玉には私立のラグビー有名校が乱立し、留学生という名前のセミプロが、100kgを超える体重で、フォワード1列目に2人も立ちふさがるのが当たり前。埼玉のラグビーを引っぱってきた名門・熊谷工業でも、もはやカンタンに勝ち抜くことはできないのである。今年の浦和高校は、まさに文武両道の名に値する素晴らしい活躍だったと言える。


 ラグビーでは、今年の浦和高校に限らず、愛知の千種高校とか、福岡の小倉高校や東筑高校、福島の磐城高校、手前味噌で申し訳ないが我が母校の秋田高校など、ホントに文武両道をやっている高校の大活躍が目立つ。花園でもベスト8やベスト4の常連になっている大分舞鶴は別格であるが、これからも是非こういう胸のすくような活躍を見せてほしいものである。

 

2011
(稲毛海岸講演会 3)


 今年もプロップとして早稲田大学を引っぱる瀧沢は愛知の千種高校出身。彼は理工学部である。もう10年近い昔、代ゼミ横浜校で今井の授業を受講していた桐蔭学園出身の大江君は、早稲田に進学後プロップのサブとして縁の下の力持ちを継続。その継続をこそ評価され、最後の公式戦で清宮監督から先発を指示された。1番をつけた大江君が、最後の最後に60m独走トライを決めた瞬間のことを、今井どんは忘れることができない。プロップの独走トライなど、大学以上のラグビーでは本来あるはずのない大珍事である。早稲田の選手たちはもちろんのこと、総立ちになった満員の観衆も、相手の選手たちまで拍手して大江のトライを讃えたものである。


 長年にわたって生徒たちの指導をしていれば、感動的なことは枚挙にいとまがない。別にスポーツの世界に限らない。11月に入って報告を受けたのは、4年ほど前の生徒がバングラデシュで活躍しているという件である。本人に了承を受けていないからS君(仮名)としておくが、S君は4年前に東進・西新井校で今井どんの授業を熱心に受講してくれていた。西新井では講演会を開けなかったから、今井どんの北千住での講演会のとき、わざわざ挨拶にきてくれたこともあった。


 で、現在S君は早稲田大学教育学部3年生である。私が受けた報告によれば、大学生としてバングラデシュに赴き、バングラデシュ・グラミン銀行を舞台に、現地の教育水準向上のためにプロジェクト・リーダーとして活躍中だというのである。「今井の授業を受けた経験を現地で活かしている」などと言われると、怠けている自分が恥ずかしい気分にもなるが、まあ、以上の報告には間違いないようである。おお、こういう人物がどんどん出てきてくれることを期待しつつ、また明日の講演会に全力を尽くそうではないか、そう決意する今井グマであった。

 

2012
(稲毛海岸校でいただいた「ピーナッツ饅頭」&「ピーナッツ最中」)


 S君には弟クンがいて、その弟クンは昨日の綾瀬での今井講演会に参加。将来は兄弟そろってでも、兄弟別々にでも、ますますの国際貢献に励んでいただきたい。そう考えながら、稲毛海岸からの長い家路を辿った。京葉線で八丁堀まで45分、日比谷線に乗り換えて日比谷へ、日比谷から千代田線で代々木上原。道のりは長く、代々木上原着24時。すでに日付が変わっていた。


 海浜幕張からは30代半ば/オタク風の男たちが大量に乗り込んで、優先席を占拠。京葉線は混雑した。舞浜からは、大量のディズニーグッズをかかえたやっぱり30代半ば/OLふうのお姉サンたちが電車を占領。深夜と言っていい時間帯の京葉線は、せっかく楽しく遊んできたはずの彼ら&彼女らの傍若無人な態度のせいで殺伐とした雰囲気である。クマどんは一瞬ションボリしかけたのであるが、しかし、こんな殺伐とした空気に負けているわけにはいかないだろう。ラグビー部の連中のことや、S君のことや、その他いろいろ考えているうちに、お酒も飲んでいないのに、何だか胸がポッポし始めて、何だか深く大きく感動して、激しく涙が出そうになるのであった。アホですな、あたしゃ。