Sun 091115 実際には完璧な満員、立錐の余地もない大盛況 今井が直前に作ったレジュメ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 091115 実際には完璧な満員、立錐の余地もない大盛況 今井が直前に作ったレジュメ

 会場入り口まで付き添ってくれたのは(スミマセン、まだまだ昨日の続きなのでござる、早稲田祭の記録なのでござるよ)、5月だったか6月だったか、最初に今井に声をかけてくれた3年生の拝生君と、ヒューストンからの帰国子女である畑さんの2名である。地下道を抜けながら「集まってますかね」「大丈夫ですかね」「ま、遅刻もいるでしょうから」とか、不安の中でお互いに慰めあいながら、3階までの暗い裏階段を上がっていった。息が切れる。昨日の酒が残っているか、さもなければ、もうすっかりおじいさんなのだ。
 

 で、3人で限りなくドキドキしながら息を切らせて、会場のドアを細く開いて様子を覗いてみたのである。おお、おお、うぉうぉ、がうぉ。驚くなかれ、開始3分前、すでに立錐の余地もない満員、超満員御礼である。すでに席が残っていないから、これ以上の呼び込みはストップしたとのこと。マスコミ研究会の諸君自身でさえ信じがたいほどのこの成果に、震えが止まらず、ぶるぶる腕もふるえ、少し涙も滲む。ホントによく集まってくれた、感謝、感謝である。1階のお笑い芸人さんもさることながら、こちらは完全に満員、「ココから先は立ち見」という、まさに大盛況なのだ。

 

1987
(熱演)


 で、いよいよ出番になった(ホントにスミマセン。やっとのことで早稲田祭の講演がいよいよ始まろうとしています。「タッチ」の甲子園大会みたいなもんですなあ)。気持ちの整理とか、集中力を高めるとか、そういう時間も全くなくて、さっと重たいドアが開けられ、場内から信じがたいほどの大拍手が湧き上がり、そういう大歓迎や大拍手がいかにもふさわしくない地味なクマおじさんが1名、傷ついた「予想の5倍重い鞄」を片手に、何の演出もなしに登壇したのである。


 静まり返った場内を見渡すと、確かに立錐の余地のない会場、後ろの壁際に立ち並んだ立ち見の聴衆、固唾をのんで見守る客席。おお、これはホントに、あのガラガラだった「行政学」「行政法各論」「貨幣理論」の教室と同じ教室なのだろうか。信じがたい思いの中で、マイクを首にぶら下げ(ぶらさげるための小道具は自分で用意したのであるが)、90分間の講演をゆっくりと開始した。

 

1988
(終了後のサイン会の列)


 いや、もちろん、何もそんなに興奮することはないのだ。たかが母校の学園祭の講演に過ぎない。こんなに興奮するのはみっともないのかもしれない。700名強と言ったって、つい1ヶ月前の茨城県つくば市「ノバホール」だって、やっぱり700名が集まったのだ。300名以上の講演会も珍しいことではないし、もっと言うなら、人数と感動とはそれほど直接的に関わっているわけではない。50名しか来なかった講演会で、涙が出るほど嬉しいことだって少なくはないのだ。


 しかし、いつもの講演会はほぼ同じストーリーを繰り返すものであって、同じスタートラインからスタートし、ほぼ同じルートをたどって粛々と進み、同じゴールを目指してひた走る性質のものである。今回は、出席者数が予想を上回ったこともさることながら、いつもとはスタートラインもルートもゴールも違う。講演する者として、緊張感の性質が異なるぶん、感動の性質も全く別のものなのは当然であった。

 

1989
(直前に作成した手書きのレジュメ)


 当日いろいろな事情で会場に足を運べなかった人も少なくないだろう。講演の概略をここに記録しておく。この講演会で初めて用いるストーリーに、予備校での鉄板ネタをちりばめた、最強と思われるレジュメである。今井自身が直前の控え室作った講演のレジュメとタイムスケジュールは、以下のようなものであった。


[0]開始前:BGM1「BITTER SWEET SAMBA」「セイヤングのテーマ」
[1]コンプレックス除去の必要性について
    慶応のアイウエオ +BGM2:慶応大応援歌「若き血」
    アメリカの赤ちゃんは英語が話せない
    訛るナビ秋田弁篇・関西弁篇・田中眞紀子篇
    21世紀のナマハゲ「悪い子はいませんか?」の悲劇
    BGM3:上条恒彦「天下堂々」
[2]夢と志望の混乱
    夢と志望を峻別する必要性
    丸くコロリンと生きる/四角くゴツンと生きる
    志望が破れる時が来ても、夢が破れることはない
    「見返してやる」という発想の愚劣
    BGM4:左卜全「老人と子供のポルカ」
[3]志望が破れたとき
    丸くコロリンと生きる
    給食文化とおでん文化
    「球」として生きることの素晴らしさ
    一人で戦う(8マンとゴレンジャーとサザエさん)
    BGM5:秋田大黒舞
    サイドウェイズと夢の実現、究極の勝利


 ま、以上のようなストーリー。実際にその場にいた人でないと理解できないかもしれないが、汗みずくになって語り続ける今井君の迫力に、750名ほどの聴衆は、時間を全く忘れて聞き入ってくれたのであった。終了、14時30分。予定通りの時間で、いつものように一切延長することなく、芸術的なほどに時間通りの終了。河口湖合宿と同様、全員の「ポンッ!!!」「タアーッ!!!!!」の絶叫で締めくくった。