Tue 091027 ネコたちとケンカして、ションボリ過ごす ニャゴもナデシコも猫パンチ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 091027 ネコたちとケンカして、ションボリ過ごす ニャゴもナデシコも猫パンチ

 毎日ネコたちとやたら仲良く暮らしていれば、何かのハズミにネコとケンカになることもある。今日はまずニャゴロワとケンカになった。朝、今井グマが階段を上がっていくと、いつものようにニャゴは勢いよく階段を走り下りてくる。白くて、重たくて、まさに雪崩である。この大きな質量の雪崩ネコを、階段の下から5~6段目でつかまえて、10回も15回も激しく撫でてやるのが、毎朝の朝の挨拶である。撫でおわって、「さ、行くぞ」と声をかけると、ニャゴロワは「うにゃにゃっ、ごろろろ」と唸りながら一気に階段を駆け上がる。クマと競争して、絶対負けずに2階にたどり着き、一番上の段に首をすりつけて満足そうに勝利の雄叫びを上げるのが、ニャゴの1日の始まりである。


 そのために、半地下の書斎からクマどんが上がってくるのを、毎朝早い時間帯から聞き耳をたてて待ち構えている。新聞をとりに玄関に出る気配があれば、その直後にクマは上がってくるのだから、そのタイミングに合わせて階段をドカドカ駆け下りてくる。真っ白い顔がいかにも張り切って、張りつめて、「よおし、競走だ」という決意で口をカタく結んでいるのが、たまらなく可愛いのである。
 

 ところが、今朝は階段の下で撫でているうちにケンカになった。撫で方がいつもよりちょっと強かったのかもしれない。クマどんだってその朝その朝で気分の違いがあるから、撫でる力やペースやリズムや、そういうものがいつもと違っていたのかもしれない。「いつまでも撫でてないで、早く競走しよう」ということだったのかもしれない。しかし、それにしてもいきなり下から激しい猫パンチというのは、許せない。
 

 アゴの下、アゴ髭の生え際あたりに向かって、ちょっとツメも立てての強烈な猫パンチである。おお、痛い。おお、痛い。ツメをたてたということは、明らかな敵意の表現である。ふん。なんだ。ちょっと強く、ちょっと多めに撫でただけじゃないか。危険な猫パンチは、「危険パンチ→即、退場」がルール。退場させるわけにもいかないから、夕方まで相手にしてあげないことに決めた。ふん。ニャゴロワなんか、大嫌いである。

 

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(猫パンチ名人。こうしてスキを狙っている)


 で、「ニャゴは大キライ」ということになったから、そのぶんナデシコが無性に可愛い。こういう時に思わず泣きそうになるのが、クマどんのバカなところで、何だか涙まで浮かんでくるようである。だってニャゴのヤツ、いきなりツメをたてて猫パンチを繰り出したのだ。もう、こうなったら、クマどんの味方はナデシコしかいない。ニャゴとは口もききたくないから、夕方になってお酒を飲んでも、ナデシコとしか話をしない。ニャゴなんか、テーブルにのってきても、知らないよん。ソファに上がってきても、知らないよん。キミは何? 綿花のカタマリ? それとも雪崩? 


 だって、どうせまた猫パンチするんだろ。さっきの猫パンチだって、考えてみれば大いに悪質であって、「下からツメをたててのパンチ」は、ネコとして最大の敵意の表現である。プロレスだって、イスやテーブルを凶器にして攻撃するようなマネをすれば、レスラーの人気は一気に低下する。いいもん。ニャゴなんか、絶対キライである。

 

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(猫パンチ名人。雌伏の姿勢こそ、要注意である)


 そうなると、ナデシコのシマシマが異常に懐かしい。ネコは、やっぱりシマシマがないとねえ。シマシマの入っていないネコは、邪道だねえ。そこへいくとナデシコは、全身シマシマ。顔もシマシマ、どれ、後頭部のシマシマは、全部で5本かア。ふーん。シッポだってシマシマ。シッポの先は土産物屋のキーホルダーみたいに微妙に丸まっていて、性格も控えめ。呼んでも出てこないし、抱っこしようとしても滅多なことでは抱っこされない。ちょっと呼べばどこからでも飛んでくる、イヌみたいな性格のニャゴとは別格の高貴さである。


 はっは、ネコは、こういうふうじゃなくちゃ。言うことを聞かなくてはじめて、ネコらしいネコというものだ。ニャゴ、見習いなさい。呼びもしないのに、階段の上で待ち構えていて、クマが新聞もって上がってきただけで雪崩みたいに「ウニャウニャ」とか「グルルルrrrrr」とか、バイク雑誌みたいな反応では、もうネコ失格だよん。何が「下から、ツメ立てて、猫パーンチ!!」だ。ふん。キライだよん。シマシマもないクセに。はっは。


 ところが、バイオリズムというのか、この日はナデシコとも気持ちが合わなかったのである。ニャゴロワ5kg、ナデシコ3.5kg、ニャゴより遥かに軽くて細いナデシコが余りに可愛くて、思わず抱っこしたその瞬間、ナデシコのシマシマ顔が急激に攻撃的になったかと思うと、いきなり眉間に向かって右手の猫パンチがきた。フックである。メガネのフレームにツメが引っかかって、パチンと金属音がした。「ナデシコよ、オマエもか」である。

 

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(第二の猫パンチ名人、シマシマくん。テーブルの下からみた精悍な表情)


 もともと、小さなナデシコの方が、でかいニャゴより遥かに気が強いのだ。しかも、絶対抱っこはキライ。人間の気持ちの都合で無理に抱っこしようとしても、エビぞりになってでも、見事なテクニックで逃げていく。赤ちゃんネコの時から、その点は変わらない。ニャゴとケンカして、クマどんはつまらなくて、ションボリして、どうしてもナデシコと遊びたかったのであるが、この激しい猫パンチで、ナデシコとも冷戦状態になってしまった。

 

(冷戦状態を察知して段ボール城に撤退した猫パンチ名人。不満そうである)


 もっとも、ネコなどというものは冷戦状態だったということを、いつまでも記憶している生き物ではない。「ネコは執念深い」とか、下らない迷信があるけれども、執念深いのは、人間の方である。ケンカのことなんか忘れて、ニャゴもナデシコもどんどんすりよってくる。しかし2匹から続けざまに猫パンチを浴びたクマどんの気持ちは、簡単には晴れない。ネコ相手に、すねる、いじける、ムクれる、まさに幼児の精神状態で、つまらなくてつまらなくてションボリしたまま、いつの間にか日付が変わってしまっていたのだった。

1E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 2/9
2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 3/9
3E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 4/9
4E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré
:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 5/9
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