Sun 100207 横浜校での講演会 「もうこれ以上は会場に入らない」 Y君のカムバック | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 100207 横浜校での講演会 「もうこれ以上は会場に入らない」 Y君のカムバック

 2月16日火曜日は19時から横浜で講演会。前にも一度書いたが、「横浜校」と言っても東進の場合は、別に巨大戦艦型の独立校舎が横浜駅前にそびえているわけではない。東口駅前にシューマイの崎陽軒の本社ビルがあって、東進横浜校はその8階である。飲食店や婚活ベンチャー企業が多数入った雑居ビルのワンフロア。「ワンフロア」といえば、せめてそのワンフロアすべてを占拠して営業したいところであるが、残念ながら「そうは問屋がおろさない」ところが「さすが東進」であって、同じフロアにチェーンのエステ店が隣接して営業中である。
 中小や新興の予備校でさえ、「横浜校」と言えば普通はその学校No.2であって、企業規模からみて明らかに無理をしてでも、どうしても見栄を張るのが普通。河合塾や代ゼミみたいな巨大戦艦とはいかなくても、せめて250坪~350坪、せめて5階建ての独立校舎を賃借して、建物の大きさだけでも何とか見栄を張り、何とか虚勢を張りたいところだろう。生徒も父兄もそういう見栄を虚勢に安心するところがあって、それどころか塾や予備校の見栄と虚勢を、生徒たちも親も共有するのが一般的である。

(2月16日、横浜講演会、開始直後)

 ところが、東進は見栄と虚勢をとうの昔(というか、おそらく6~7年前)にポイッと捨てたので、ちょっと見には何だかみすぼらしい感じがあるかもしれない。この「ちょっと見にはみすぼらしいかも」という皮相な部分に大昔の今井君はまだこだわっていたので、駅を降りて「雑居ビルのワンフロアの、そのまた一部分」の校舎で講演会を実施するたびに苦々しさが増したものだったし、校舎に入る時には惨め、校舎を出るときも惨め、公開授業中もやっぱり惨め。見栄と虚勢の権化ぶりを最大限に発揮していたものであった。
 それに引きかえ、生徒諸君は立派である。「見栄と虚勢」からいち早く卒業していたのは彼らと彼女らであって、特に首都圏の生徒諸君は「雑居ビル」であることにも「ワンフロアの一部分」であることにも、ほとんどコンプレックスをもっていないし、特にこの2~3年は「それで何がイケナイの?」と問い返すような視線と態度が目立つようになり、「むしろこの形式の塾のほうが本来的なあり方だ」と理解しきっている生徒が多い。
 首都圏の生徒たちは、小学3年とか4年とか、とにかく幼い頃から塾に通いつづけた「塾グルメ」である。「塾グルメ」ほど、巨大戦艦校舎で圧倒しようとする学校に中身がないことを痛感している。御三家と呼ばれるような名門校や、それに準ずる国公立高校などに通う諸君は、もうとっくに「巨大戦艦より、大切なのはソフトだろ?」ぐらいのことは身にしみて知っているのである。

(2月16日、横浜講演会、開始10分後)

 2月16日横浜校での講演会は、19時開始、21時終了、出席者140名弱。冷たい雨が降りはじめ、「夜遅くには雪になるかもしれない」という悪天候でも、遅刻者なしでこんなに集まってくれた。というか、万が一これ以上の出席者があったら会場に入りきれない。「これ以上の生徒が来たらどうしたらいいだろう」、というギリギリの線である。
 それこそ御三家なりそれに準ずる名門校の生徒が多いのも横浜校の特徴。もちろん今井どんは、生徒たちの現段階の学力には全くこだわらないし、「今のところ全然ダメだ」というマジメな諸君も大好きなのであるが、代ゼミはもちろん駿台でもなかなか期待できなかった高い学力層の生徒たちが、ここにはどんどん集まるのだ。しかも「遅れていったら座る席がないから、絶対に遅刻できない」という熱気で、公開授業は冒頭から「盛り上げる」という努力も必要ないほどに盛り上がってくれた。

(横浜講演会、問題を解かせつつ)

 こういう状況が努力なしに達成できたかと言えば、もちろんそれは間違いである。3年前の春に横浜校で公開授業をやった時には、集まってくれた生徒は50名ほど。机をたくさん並べても会場はスカスカで、講演開始直後には笑い声もスカスカ。駿台や代ゼミの大教室満員に慣れていた今井どんがスカスカの2乗に大いに苦しみ、苦虫をかみつぶしていた有り様を想像してほしい。
 ところが、あれから3年経過して、ついに「机を撤去してイスだけの会場構成にしても満員、もうこれ以上は1人も入れない」というところまでこぎつけた。校舎担当者の努力は大いにほめられてしかるべきであり、かつ今井君のやる気も最高潮に達し、最高潮に達した真っ黒い大グマを止めることは不可能である。
 こういうふうで、社員の皆さんも楽しそうである。シューカツがうまくいかなくてイライラしている諸君にはぜひ気づいてほしいのだが、就職する会社の選択では、何も「昔から名前の売れた超一流企業、でっかい本社ビルのある会社か、超高層ビルに本社のある企業に勤めなければいけない」などというのは、明らかに時代遅れである。雑居ビルだろうが何だろうが、目の前でどんどん成果があがり、目の前で上がる成果を如実に見ることのできる仕事はやりがいが違う。

(横浜講演会、終了直後)

 Y君、ということにしておくが、彼もいろいろな紆余曲折を経て、東進に正社員として戻ってきたようである。Y君には、5年前の東進河口湖合宿で初めて会った。5年前といえば、今井どんが代ゼミから東進に移籍してきた最初の年であり、「巨大戦艦校舎でないことへのミジメさ」とか、「生徒たちと同じ宿舎で、10日間も深夜早朝まで同じ生活をする泥臭さ」とか、そういうものにまだ強い違和感を感じていたころである。
 Y君は、当時まだ大学の学部生。一目見て「でかいヤツだな」と感じさせるタイプの男である。身体もデカければ、声も態度も全部デカイ。そのY君が河口湖合宿で今井どんのクラスの担当になって、そのデカイ声と身体と態度とで、100人ほどの生徒たちを力ずくで引っぱっている姿には、「おお、なかなか頼もしいヤツだな」と感じさせるものがあった。「こういう男が正社員になって残ってくれる会社ならきっと成長するだろう」とも思ったが、Y君はまもなく学部卒業とともに東進を離れ、今井君と会うこともなくなった。
 ところが、今回の横浜講演会の夜、5年ぶりにY君と再開したのである。「少し、痩せたかな?」という印象は、おそらく5年の紆余曲折を経て彼が大人になったからであろうが、おお、期待していた通り、彼はここに戻ってきたのである。講演会自体の大成功とともに、Y君のカムバックにも気をよくしながら、意気揚々と代々木上原に帰ってきた。

1E(Cd) Holly Cole Trio:BLAME IT ON MY YOUTH
2E(Cd) Earl Klugh:FINGER PAINTINGS
3E(Cd) Brian Bromberg:PORTRAIT OF JAKO
4E(Cd) John Coltrane:IMPRESSION
5E(Cd) John Coltrane:SUN SHIP
6E(Cd) John Coltrane:JUPITER VARIATION
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