Thu 091008 札幌講演会の大成功 昨年の生徒との出会い 講演会後の食事会での感動 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 091008 札幌講演会の大成功 昨年の生徒との出会い 講演会後の食事会での感動

 10月4日、札幌で講演会。出席者300名弱。東京は晴れていたが、飛行機に乗ってみると航路上はどうも変な天気で、北海道上空で突然怪しい黒雲が現れ、飛行機は強く揺れた。札幌のタクシーの運転手さんに聞いたら、「竜巻が来るかもしれない」というのである。確かにこの日、秋雨前線も北上していたし、沖縄付近には台風18号が迫っていた。講演会の日に台風や竜巻がやってくるのはガッカリである。講演する私自身がものすごく楽しみにしているのだから、どうしてもキレイに快晴になってほしい。何しろ主催者側がものすごく努力して、300名もの受講者を集めてくれたのである。雨や雷なんかでその努力がご破算になったら、余りにももったいない。

 

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(札幌での講演会。大盛況である)


 幸いなことに、講演開始の17時半には、それまで降っていた雨が止んだ。講演会場の前にはすでに受講者が集まって、タクシーから私が降りると男子高校生たちの野太い歓声が上がった。受講者全員の集まりもよくて、遅刻とかドタキャンとか、そういうことも少なかったようである。ほぼ満員になった会場は、北翔大学という大学のホール。演壇が一番下で、急角度の階段教室に陣取った300名の受講生諸君に、下から上を振り仰ぐ形で語りかける形。こういうのは初めてである。まあ、これほど広い会場では、少々の私語があっても仕方ないだろう。盛り上がりも、講義に対する反応も、全く問題なし。楽しい90分を過ごさせてもらった。

 

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(札幌での講演会。後ろの席の受講生が見えにくいので、大型スクリーンで今井君とホワイトボードを拡大。300名以上の規模の時には、この工夫が必須である)


 去年今井の「C組」「B組」「A組」と全部受講して、今は北海道大学に通っているという男子が一人、聴衆に加わっていた。英語は東京大学に十分合格できるところまで伸びたのだが、数学がネックになって、最終的に北海道大学に決めたというのである。今井としては、北大大賛成、別に東大と比較して引け目を感じる必要はない。


 オリンピックにこだわるようだが、「東京だ」「東京だ」と言っていないで、札幌でも福岡でも広島でも、どんどん東京を追い抜くべきなのだ。その意味でも、北大、大いに結構。東北大、名古屋大、大阪大、神戸大、広島大、九州大、どれもみんな結構。もちろんここに名前を出さなかった大学、みな結構。選んだ大学で思い切り専門専攻を磨いて、いい論文を書き、いい研究をしてほしいものである。


 彼からはわざわざお土産をもらったが、下の写真に示すような木彫りのクマであった。クマがシャケを襲っているのか、シャケがクマにかじりついているのか、一瞬判然としないが、そういうところがクマの可愛い不器用さである。

 

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(北大生の元生徒にもらった木彫りのクマ。シャケに噛みつかれているクマの不器用さがいい)


 講演会終了後、主催者側のスタッフの皆さんと、札幌市内の寿司屋で食事会。「迷惑がかかるといけないから、知人友人のことは書かない」方針を堅持して、詳細は書かないが、講演会が大成功に終わった直後だけに、とにかく楽しい食事会になった。


 何が嬉しいと言って、出席した8名全員と一緒に祝杯を楽しめたことである。こういうことはなかなか実現しない。せっかく食事会になっても、「運転がありますから」という理由で、今井君以外「全員がウーロン茶」ということの方が多いのである。自分一人酒を飲んで、他の人はシラフ。それでは何だかサラシモノのようで、酒もあまり旨くない。やはり「酌み交わしながら」というのが基本で、その基本通りに大いに飲み、大いに語って、札幌の夜はあっという間に更けた。


 ついさっきの講演会で、「東進の担任の先生方と大いに語り合いたまえ」と高校生たちに語りかけたばかりである。東進に限らず、塾&予備校の先生にはたいへんな紆余曲折を経て現在の職に就いたというヒトが多い。駿台には最首悟・山本義隆・小阪修平などという巨人が存在するが、何もそこまで偉いヒトを探す必要はない。ごく身近な担任の先生が、すでに百戦錬磨だったり、一騎当千だったり、最強の野武士集団だったり、最高のアドバイザーだったりする。


 高校生が将来設計をしたり、志望学部を決めたり、文系理系の選択を考えたりする時には、ストレートで先生になった優秀きわまりない高校教師より、紆余曲折を繰り返し、あるいは夢破れ、あるいは方向転換をして、七転八倒の苦しみを今もなお体験中の塾講師の方が、より有益なアドバイスが出来るように思う。高校教師ももちろん素晴らしい人々だが、人生の大半を(ほとんどのヒトは全部を)黒板から半径10メートルのところで費やしてきたヒトである。教室の壁の外で何が起こっているか、壁の外はどんなルールが支配しているか、そこのところの体験が今ひとつ頼りない可能性がある。

 

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(もう1枚、札幌での講演会の様子)


 札幌の食事会に集まった若い職員諸君も、大手生命保険会社を退職してきたヒト、銀行マンや商社マンから転職したヒトビト、紆余曲折も七転八倒もなかなかのもので、今井君のそれをむしろ凌駕するほど激しい人生を歩んでいる。


 「東京医科歯科大の歯学部卒業」、そういう他人も羨む高学歴の持ち主で、しかも歯科医になる道を断念してこの世界に入ってきたという勇敢なスタッフが今井君の目の前に座っていた。彼としばらく話し合っていたのだが、なぜ歯科医としての平穏な人生を選ばなかったかについての彼の話は、ぜひ日本中の高校生に聞いてほしいものであった。


 こういう出会いが隠れているからこそ、講演会後の食事会を楽しみにしているのである。しかも、「私だけ酒、他は運転があるからウーロン茶」、そんな気まずいシチュエーションでは、なかなか出会いにまで至らない。おお、楽しい夜であった。もちろん、酒も料理も旨かったのであるが、そういうことに対して「さすが、北海道!! さすが、デッカイドー!!」とか言っているより、若いスタッフの紆余曲折&七転八倒ぶり、それにメゲることなく努力を続けている激しい毎日、それを間近に見聞きするのが一番うれしいのである。

1E(Cd) Muti & Berlin:VERDI/FOUR SACRED PIECES
2E(Cd) Hilary Hahn:BACH/PARTITAS No.2&3 SONATA No.3
3E(Cd) Kirk Whalum:COLORS
4E(Cd) George Benson:IRREPLACEABLE
5E(Cd) Deni Hines:IMAGINATION
6E(Cd) DRIVETIME
7E(Cd) Tuck & Patti:AS TIME GOES BY
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