Wed 090930 10月3日未明、ふて寝することになる ふて寝の記憶 ドーハの悲劇の記憶 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 090930 10月3日未明、ふて寝することになる ふて寝の記憶 ドーハの悲劇の記憶

 ちょっとだけ更新が滞ったが、それは10月2日深夜から3日午前にかけて、完全に「ふて寝」していた結果である。正確には、ふて寝は3日午前1時半から始まり、3日午前11時半まで。さすがに中年になるとこんなに長時間にわたって寝続けてもいられない。こう見えても(どう見えているか知らないが)20歳代の頃には、自慢ではないが24時間近く眠り続けたこともあるし、30歳代に入っても、いったんネグラに入ってしまえば、クマの冬眠よろしく、余程のことがないかぎりネグラから自主的に這い出すことは考えられなかった。


 若い諸君にはぜひ言ってあげたいのだが、長時間の惰眠を貪っているのは、決してキミだけではない。若いということと、眠いということは、ほぼ同値であるかもしれない。若ければ、一瞬一瞬に費やす集中力は、中年や中高年に至った人間とは比較にならない。主観に過ぎないけれども、20歳代の集中力は、40歳代の中年男の5~6倍はあるような気がする。だとすれば、20歳代の3時間は、40歳代の15~18時間に該当するわけである。

 

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(涙をふいて、ふて寝する 1)


 何の根拠もないバカ話で誠に申し訳ないが、もしこれがある程度真実であるならば、若い諸君にとって長時間の睡眠は病的なことではない。そういえば、小学校に入る前は12時間睡眠はむしろ普通だったはずだ。大人は「7~8時間の睡眠が普通、それ以上でも以下でも異常、病的である」みたいな理想論に走りがちだが、これはどうも嘘くさい。若い頃は眠くて当たり前。眠いのは、覚醒時にそれに見合った集中力を発揮しているからなのかもしれない。


 今井君の大学生時代を振り返ってみるに、そうやって惰眠を貪って終わってしまった日々がどれほどあるか、悲しくなるほどである。惰眠を貪るために大切なゼミをサボってしまったことも何度もある。いや、惰眠のために一生を棒にふりかけたことさえ、1度ならずある。


 例えば日曜日の午後4時に「疲れた、ちょっと休みたい」と思って布団をかぶる。ふと目覚めて時計をみると午後6時半である。「おお、2時間半も眠ったのだ、結構疲れてたんだな」と大きく伸びをして、「いや、どうもおかしい」と気がつく。目覚めたのは、実は月曜日の午後6時半、眠った時間は26時間半だったのである。月曜日の授業3コマ、月曜日の夕方からの友人たちとの会合、その他がこの惰眠によって、すべてパー。そういう大失敗は、若い頃には珍しくないのだ。

 

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(涙をふいて、ふて寝する 2)


 さて、いつもの通りどんどん話がそれてしまって、いったい何の話だったか自分でも忘れるほどであるが、要するに10月3日午前の今井君は、中年男としては考えたられないほど長時間にわたってふて寝をしたのである。中年になると「継続的ふて寝」は困難になるから、ふて寝突入6時間後の午前7時半にいったんゴソゴソ起き上がって、朝飯代わりにパンをかじったり、毎朝の習慣として1時間半も半身浴したり、まあいろいろ工夫してみたけれども、とにかく見るもの聞くものすべてがイヤで、ふて寝第2ステージに入らずにはいられなかった。


 これほど「見るもの聞くもの一切がイヤ」というほどガッカリしたのは、「ドーハの悲劇」以来である。ドーハの悲劇は1993年10月28日。あれから16年が経過しているから、今の私の生徒たちは、ドーハの悲劇についてはあくまで伝説として聞くだけで、あの決定的絶望を経験してはいない。


 あんな絶望をここで文章で再現したくはないから、知らない諸君は「ドーハの悲劇」でグーグればいい。画像も動画もすぐに検索できる。しかし我々の世代は、グーグる必要さえない。ロスタイム、最後のプレー、イラクのコーナーキックからのボールが、右から左に流れて、あれ、あれ、あれ。ゴールに吸い込まれていく。ウソだろ。あれ、ウソだろ。ゴールキーパー松永の呆然とした表情。グラウンドに倒れ込む井原、カズ、ラモス。北沢、武田。あれから16年経過しても、一人一人の表情がキチンと脳裡に焼きついている。

 

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(涙をふいて、ふて寝する 拡大図)


 正直申し上げて、「オリンピック開催地、東京落選」の瞬間の今井君の落胆は、ドーハの悲劇と比較してさえ、決して下回るものではなかった。7年後、オリンピックやりたかった。2016年、オリンピック、絶対やりたかった。どうしても目の前で見たかった。ドーハの悲劇の時は「参加できなかった」だったけれども、今回は「主催できなかった」である。単なる参加者と、主催者は違う。おお、主催したかった。転げ回りはしなかったけれども、2~3年はふて寝していられるような激しい落胆だったことは間違いない。


 なお、申し上げたくないが、むかしむかし大昔、東京大学に2度目に落ちてしまったときの今井君の、本郷の掲示板前での落胆も似たようなもの。なぜか小脇にかかえていた風呂敷包み(それがイキでカッコいいと思っていたのだが)をその場に取り落とした瞬間を、思わず思い出して気分が悪くなった。受験生諸君で、いまこれを読んでいる諸君がいたら、ああいう落胆で転げ回る悲哀を味わわないために、今日からでも決して遅くない、できることは全てして、爽やかに受験を迎えてほしい。

1E(Cd) Alban Berg:
BRAHMS/KLARINETTENQUINTETT & STREICHQUINTETT
2E(Cd) Alban Berg:SCHUBERT/STRING QUARTETS 12 & 15
3E(Cd) Baumann:MOZART/THE 4 HORN CONCERTOS
4E(Cd) Solti & Wiener:MOZART/GROßE MESSE
5E(Cd) Rilling:MOZART/REQUIEM
6E(Cd) Billy Joel:GREATEST HITS No.1
7E(Cd) Billy Joel:GREATEST HITS No.2
8E(Cd) Karajan & Berlin:HOLST/THE PLANETS
108 Stay10 New York 090808 090817
258 Stay15 Dublin Windermere Edinburgh 090826 090909
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