Tue090915 「失笑」はヤメたほうがいい 「噴飯もの」Ads by Googleの楽しみ方 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue090915 「失笑」はヤメたほうがいい 「噴飯もの」Ads by Googleの楽しみ方

 諸君、滑稽きわまりないこと、私の大好きな言葉では「噴飯もの」、世の中はそういう話で溢れている。「失笑」という言葉がこの頃の流行らしいが、この言葉はたいへんイヤらしいニュアンスが隠れているから、できれば使わないほうがいい。どういうイヤなニュアンスかは説明しにくいから詳細は省くけれども、全力で努力しているヒトを遠巻きにして、自分たち自身がどの程度の人間であるかは一切問わないことにして、そのヒトを指差し、お互い肱をつつきあって、冷たく笑いとばす、そういう感じである。努力しないヒトが、他人の懸命な努力を軽蔑し、「バカじゃないか?」とウワサしあう感覚。しかも「あなたはこうしたほうがいいですよ」という助言もアドバイスも一切する気がないのである。こういう笑い方が支配する世界には、大した進歩は期待できない。


 だからあえて「失笑」という流行語を避けて「噴飯もの」と言っておく。この言葉は大昔、私がまだ高校生だった江戸時代だったか明治時代だったか、三島由紀夫の小説の中で発見して、その後3~4日にわたって延々と笑い続けた言葉である。体育なり数学なりの授業中にずっとニヤニヤ笑っていて、「今井、何を笑ってんだ」と友人に尋ねられ、「だって、おまえ、噴飯もの、っていうんだぜ」と答え続けた。大いにキミの悪い高校生である。


 教師から見ても、この生徒は恐ろしい。「今井、ニヤニヤするな!!」「授業、聞いてんのか!?」と注意したその生徒が、何の反応もなく笑い続け、ノートを取り上げて見てみたら「噴飯もの、噴飯もの、噴飯もの ………」と100回も200回も、明朝体、ゴシック体、飾り文字、その他いろんな書体で書き付けてあるのだ(もちろんそんなことはしなかったが)。その恐怖は、映画「シャイニング」のジャック・ニコルスンを観た瞬間以上のものがあるだろう。

 

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(アゴがはずれるほど笑う)

 

 でも、まあいいじゃないか。だって、「噴飯もの」だぜ♨。ゴハンを口に入れて、誰かが面白いことを口走って、で、口の中のゴハンを、耐えきれず、やがてある一瞬、とうとう我慢の限界を超えて、パーーっと、わあーっと、そこいら中に、放射状に、しかも他でもない、大量の真っ白なご飯粒を噴射するんだぜ。


 三島由紀夫の小説の中で読んだというのもいけなかった。三島が、例の長くてゴツい顔で、おそらく朝飯を食べながら、シジミかアサリの味噌汁を飲みつつ、ふと前夜読んだイギリスの小説の一節を思い返して、突然我慢できなくなって「うはっ、うははっ」と身悶えし、目を白黒させたあと「ぶは、ぶははっ」とやる様子を考えてもみたまえ。周囲の人々の驚きと、本人の狼狽ぶりと、その後のみんなの大笑いを考えてもみたまえ。「失笑」に含まれる冷たさは、そこには全く感じられないではないか。若い諸君、ぜひ「噴飯もの」を使いたまえ。「失笑撲滅委員会」を作りたまえ。

 

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(逼塞1)

 

 さて、すでに話がそれて15分が経過する。「失笑を買う」といけないから、本題に入る。というか、考えてみるとそれほど改まって書くほどの本題ではないのだが、「噴飯もの」のような気がしてならないことが2点あるのだ。
(1)このブログのページの上にもくっついている「Ads by Google」
(2)「アイフル、返済延期を申請」のニュース
この2つである。

 

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(逼塞2「向こうは大丈夫か」)

 

(1)Ads by Googleについては、どんなブログでもページのトップにくっついているから、ぜひ大いに飯を噴き出してほしい。そのブログの内容について機械が読み取った上で、ブログ内容にふさわしい広告を掲載する仕組みになっているらしいのだが、これが余りに滑稽なのである。まあ、機械の限界が見えるようで、ある意味悲しくもあるのだが、難しいことを言わずにとりあえず笑いたまえ。


 昨日の私の記事に対して、Ads by Googleは「鮎一夜干し、犬霊園、海水魚」である。確かに犬が亡くなる話は書いたが、何なんだ「犬霊園」って。しかもこの3つの組み合わせは、いったい何なんだ?「鮎一夜干し」「犬霊園」「海水魚」の3つに、機械はいったいどういう関連を感じたのだ?


 一昨日の記事には「格安ドレス、ドレス、激安ドレス」。「ドレスコード」が1回出てくるのに反応したらしい。3日前のAds by Googleは(例の「猫好きメンズ」だ)「中国女性、日本語、中国ホテル」。おお。なんと大雑把な。


 今までで一番ひっくりかえるほど飯を噴き出したのは、「水戸に講演会に出かけて、大汗をかいて、ビールが飲みたくてたまらなかった」という記事の日。おそらく「汗をたくさんかいた」の一言に反応したのだろうが、「多汗症、ワキガ、ビアガーデン」。何だか凄まじいビアガーデンである。


 Ads by Googleは、大昔の記事でも、毎日「日々刻々」という感じで変わっていく。おそらく読者のその後の反応、たとえば「ブログ記事から、読者たちがどのぐらい直接グーグったか」などに基づいてどんどん変えていくのだ。だから、今日の段階で、前段落で示したままで残ってはいないかもしれない。いや、おそらく別のAdsに変わっている。


 しかし、まるで3題話のような面白さは変わらない。ヒマをもてあましているヒトがいたら、楽しみ方は2つ。
(1)先にAds by Googleをみて、内容を予測してみる。
(2)記事全体をしっかり読んだあとで、Ads by Googleを予測してみる。


 香山リカに「勝間和代を目指さない」と書かれてしまった勝間和代の出世のキッカケは「自分をグーグル化する」の一言だったが、(2)の方法なら、「自分をグーグル化」する手助けになるかもしれない。もちろん、それが役立つか、将来への投資になるか、そんなことをして幸せになれるか、そうした疑問に対する答えは「否」以外考えられない。


 さて、今日も長くなりすぎた。(2)については、明日説明することにする。