Thu 100128 岩館海岸と「木内」 旧正月の秋田のさまざまな奇祭 「だんじゃぐっこ」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 100128 岩館海岸と「木内」 旧正月の秋田のさまざまな奇祭 「だんじゃぐっこ」

 さて、2月12日のカニ蔵どんは、最初の予定では秋田/青森県境の岩館海岸に行ってみるつもりでいた。岩館海岸は、白神山地のふもと、五能線で東能代から日本海岸沿いに北上して1時間ほど。小学3年の夏に家族で訪れて、初めてマトモに泳げるようになった思い出の海岸である。
 ゴツゴツした黒い岩浜で、足をケガしないように、昔は「海の家」でワラジを買って泳いだ。今なら珊瑚礁用のサンダルがあるが、諸君、笑いたまえ、昔はワラジをはき、アタマを手ぬぐいで保護して海水浴にのぞんだのである。それでも岩浜の海水はどこまでも透き通っていて、濁った砂浜の海水浴とは別格の緊張感があった。
 しかし、小学3年の今井君がホンダワラ/ヒメダワラ/アナアオサ/イギスなどの海藻を採集して夏休みの宿題を作成した懐かしの海岸は、2月の吹雪の日に訪れるにはさすがに危険すぎる。万が一、風がこれ以上強くなれば、五能線は確実に「運転見合わせ」になる。翌日夕方から滋賀県の草津で講演会があるのに、五能線の吹雪と海鳴りの奥に閉じ込められたら、さすがの乗りテツ=今井君でも脱出の方法は思いつかない。ここは涙をのんで、あきらめるにしくはない。

(秋田、木内百貨店のマーク)

 で、別の行き先を考えることにして、まずとりあえず秋田キャッスルホテルをチェックアウト。フロントに荷物を預け、隣りの木内デパートに入ってみた。かつては秋田の三越と呼ばれ、お中元もお歳暮もとにかくこのデパートの包み紙で贈るのが秋田人の礼儀。昭和中期、石油/銀/銅など豊富な鉱産物と、米と木材と石油精製業で繁栄した秋田の象徴として屋上に観覧車も回っていた木内デパートは、すでに見る影もない。

(木内百貨店1階エントランス。小学生時代、日曜日の晴れやかな1日は、このエントランスの匂いで始まった)

 かつてバス停「木内前」は次々にやってくるバスをさばくために6つにも7つにも分割され、それでもバス渋滞が起こっていたのだが、今日見てみるとわずか3つの乗り場に、古ぼけたバスがパラパラ止まるだけである。デパートもすでに半分閉店の状態。1階だけを開けて、細々と中高年婦人服に限定して営業を続けている。

(羽後交通の長距離バス停「木内前」)

 迷ったあげく、奥羽本線に乗って「横手のかまくら」か「湯沢のイヌッコ祭」を見に行くことに決めた。横手にするか湯沢にするかは、途中の吹雪の具合と気分次第で決めればよくて、奥羽本線の各駅停車で山形方面に南下すれば、横手まで1時間半、そこから湯沢までは南下をさらに30分ほど続ければいい。
 ただし、残念なことに「横手かまくら」も「湯沢イヌッコ」も本番は翌日からであって、12日の段階ではその準備を見ることができるだけだが、つまり「旧正月」が始まるのである。中国では旧正月は「春節」といって、普通のお正月以上に盛大に祝うらしい。すでにその「春節」を利用して観光旅行にきた中国人で東京は混雑、皇居前でも銀座でも中国語が氾濫していた。
 日本でも地方に行けば旧正月はまだ健在である。今回の秋田旅行も、1日ずれて13日14日になっていたら、「大館アメッコ祭」「角館火ぶりカマクラ」「六郷町の竹うち」「男鹿のナマハゲ」その他、ありとあらゆる奇祭の本番を見ることができたはずだった。「六郷町の竹うち」だけは少し日付がずれているかもしれないが、町中の男たちがヘルメットをかぶって集合、二手に分かれ、長い竹の棒で徹底的に打ちあいをするという野蛮きわまりないお祭りである。かつての活力に溢れる秋田を彩った「だじゃんぐだおどごだぢ」の姿を、もう少しで見られるところだった。

(秋田駅で見た男鹿線の電車。いつのまにか「男鹿なまはげライン」になってしまっていた)

 な、な、なんですか、その「ダンジャグダ、オドゴダヂ」というのは? これこそ、いまや死語となった秋田弁の花である。秋田凡天祭その他、あらゆる祭の花だった「ダンジャグダ、オドゴダヂ」。言葉として消えただけでなく、存在としてもほぼ絶滅したと思われる。あえていえば、長く秋田を離れていた今井グマの精神の中にのみ、いまも細々と生き残っているのであるが、これをわかりやすく説明するのは少ない紙面では困難である。明日の記事に場所を移して、読者にも100%理解してもらおうと思う。それこそ、語学教師としての「ダンジャグッコ」なので、ここで譲歩するわけには決していかないのである。

1E(Cd) Deni Hines:IMAGINATION
2E(Cd) Sugar Babe:SONGS
3E(Cd) George Benson:TWICE THE LOVE
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