Wed 090819 ニューヨーク滞在記2 アメリカ食にどれほどウンザリしたか | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 090819 ニューヨーク滞在記2 アメリカ食にどれほどウンザリしたか

 なぜか、今回のニューヨーク滞在記は、帰路から書くことにする。深謀遠慮があってのことではなくて、ごく単純に「帰路から書きたいな」という気まぐれのせいである。ニューヨークで10日ほど遊んで、相も変わらぬ定番観光地を再びぐるっと1周してきて、混雑にウンザリし、人の横柄さにウンザリし、1人前があまりに多くて半分も食べきれない飯にウンザリし、10日目にもなれば、帰路が待ち遠しくて待ち遠しくてならないのである。朝食の塩とコショウとベーコンとソーセージにウンザリし、タマゴ料理を注文したが最後、タマゴ5個を豪快にかき混ぜたオムレツ、その中からゴロゴロいくらでも出てくるパサパサのチキンにイモにキノコ、目玉焼きだって見事にデカイ黄身がご丁寧に3つも4つも皿に並び、目玉焼きの下には頼みもしない丸いポテトが10個でも20個でも「どうです、マズそうでしょ?」とニヤニヤしながらひそんでいる物量作戦にウンザリ、なぜこんな場所を繰り返し訪れてしまうのか自分でも理解できなくなっている。

 

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(ニューヨークの土産物屋前にいた、大人しいナデシコ)


 だから、一刻でも早く日本に帰りたい。一刻も早く日本に帰るには、ANAかJALを利用するに限る。帰路の飛行機は14時間かかるから、この14時間は貴重である。UNITEDとかコンチネンタルとか、そういうアメリカのエアラインを利用すれば、その貴重な14時間もまたオッカナイCAのオバサンに小突き回され、ワインを注文するにもいちいちオッカナイ顔をされ、ワインをお変わりするごとに「ヘンタイか、お前?」という目で睨まれ、ビクビクしながら14時間を耐えることになる。

 

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(タイムズスクエア、Mr.ピーナッツ)


 ANAでもJALでも、欧米のエアラインと比較すれば、飯の旨さと酒の旨さは明らかである。少なくとも、ちゃんと最後まで食べられる。サービスの質なんか、お話にならないぐらい上である。ゲートをくぐればそこには日本が待っていて、エコノミーの機内食でも十分に満足できるし、ワインなんか、3本おかわりしても、まだ「ワインはもうよろしいですか?」と聞きにくる。そのCAたちの心の中は覗き込めないが、少なくとも「ワインください」と言っただけで「アル中か、お前」という目つきで睨みかえされるのとはワケが違う。

 

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(タイムズスクエア、Bank of America)


 ただし、欧米からの帰国便で違和感があるのは、ANAでもJALでも、乗り込んでいるCAの顔が全部同じに見えるということである。アリタリアやルフトハンザなら、CAの人種もさまざま、言葉もさまざま、インド系、中国系、イタリア系、ドイツ系、愛想のすこぶる悪い点だけは共通のいろんなCAがチームになっているのであるが、日本の飛行機だと、メイクの仕方、身のこなし、顔つき、表情、隅から隅までみんな一緒で、滅多なことで区別がつくものではない。

 

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(雨模様のセントラルパークからミッドタウン方向を望む)


 カンタンに言えば、みんな20年前の山口美江なのである。英語に少し自信のある日本人女性は、何故か山口美江みたいな顔になりがちのだが、20代以下の人は山口美江を知らないだろうから、是非ネット検索して若いころの山口美江を見ていただきたい。その上でニューヨークから帰るANA便に乗れば、おお、ワゴンサービスをしているCAは、みんな、ホントにみんな、山口美江である。

 

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(どんなに暑くてもめげないNAKED COWBOY)


 眉の角度、白粉の厚さ、自信ありげな表情、というか少し意地悪げな微笑、何から何まで20年前の山口美江が、向こうの通路とこちらの通路で同じ方向を向いておしぼりを渡し、ドリンクを手渡し、ミールを配り、それを片付けている。よく言えばお雛さまの「三人官女」。悪く言えば池のフナが正面を向いたような感じ。池のフナたちが一斉にCAの扮装で飛行機の通路に立てば、まさにこの光景になりそうなのである。