Sat 090808 合宿の全てが終わる うどん屋のカウンターで生ビール 惰眠を貪り、新宿へ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 090808 合宿の全てが終わる うどん屋のカウンターで生ビール 惰眠を貪り、新宿へ

 7月30日、こうして河口湖合宿のすべてが終わって、ついに帰京することになった。行きも雨模様だったが、帰りも同じように雨模様である。講師がみんなそろって一緒に帰るかというと、そういうわけでもない。クルマで帰る講師たちもいるし、合宿終了後にも雑用が少し残っていて、結局はバラバラである。

 私は「美富士園」のクルマで河口湖駅まで送ってもらって、ここから富士急とJRを乗り継いで新宿まで戻る。新宿なら「高速バス」という手もあって、実際には高速バスのほうが電車より遥かに便利。昨年と一昨年はバスに乗った。

 しかし、「いやいやえん」状態で河口湖に来た10日前にも書いたはずだが、この時期の高速バスは中学生高校生の天下。小旅行なり部活の合宿なりから帰る中学生高校生の集団が、手に手にDSをもって叫びながら走り回るバス車内で2時間近く耐えぬくのは至難の業である。

 

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(見おろす模範ネコ)


 まして、10日間の合宿で疲労の極である上に、昨夜は完全徹夜で頭の中はデロデロ、「ガマン」などという高級なことが出来るはずはない。ここは電車にするに限る。電車なら、特急・グリーン車という大人のための逃げ場があって、この堅固な砦を利用すれば、中学生や高校生の集団がバラバラ攻めこんでくることはまず避けられる。

 河口湖駅で特急を待ちながら、うどん屋のカウンターで冷たい「富士山ビール」を2杯飲む。おお、冷たい生ビール、間違いなく10日ぶりに味わう喉の感触が懐かしい。

「うどん屋のカウンター」というシチュエーションはちょっと情けないが、この2~3年、このあたりには「富士吉田うどん」という新興勢力が勢力を伸ばしていて、
「ええっ、山梨名物って、『ほうとう』じゃなかったの?」
と驚く人々を押しのける勢いである。

「いやあ、富士吉田といえば、むかしからうどんで有名ですよ」
とニコニコされれば、よそ者に反論する余地はない。
「あれれ、『富士吉田焼きそば』というのもあったような … 」
とか、うじうじしているのは時代遅れ。名物なんか、どんどん新しく作っちゃえば、作ったほうが勝ちである。生ビールみたいなのは、うどん屋のカウンターで小さくなっているしかない。

 

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(見おろす模範ネコ 小バリエーション1)


 生徒たちを送り帰した後だから、講師の満足感もこのとき極大となっている。名物になりそこねた「名物・富士山ビール」の喉ごしも最高である。

 大月までなら各駅停車の電車もたくさんあるし、特急なんか待っているより各駅停車で行ってしまったほうが早いのだが、ここも「中高生のDS除け」ということである。特急料金たった300円であの大騒ぎから逃れられるなら、それに越したことはない。

 帰りの「フジサン特急」は河口湖発15時。河口湖から大月に向かってどんどん急坂を降りていく富士急行「フジサン特急」の座席で、やっとのことで「富士山ビール」の酔いが回って、いよいよ、待ちに待った惰眠を貪ることにする。

 同じ車両に東進の他の先生を発見したが、ここは軽く声をかけあっただけで、それ以上に話しこんだりしない。お互い、「惰眠をむさぼる幸せ」をしゃぶり尽くしたいのである。

 頭の芯までデロデロに疲れ果て、ある者は普段はビールなんかいくら飲んだって酔っ払うはずはないクマなのに、たった2杯の地ビールに酔って、口を開けイビキをかいて惰眠を貪り(これはもちろん今井君)、またある者はしっかり明日の授業の準備を開始する(これは架空の立派な講師)。

 

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(見おろす模範ネコ 小バリエーション2)


 大月の駅で、この間「合宿でブレイクした」と書いておいた若手の慎先生と出会う。彼はこれから大阪に帰るのだが、河口湖→大月→八王子→(横浜線)→新横浜→新大阪という、気の遠くなるようなルートをたどるのだという。ご苦労なことである。

 それなら河口湖から新富士の駅まで高速バスがあって、新富士から新幹線に乗れたのだ。わかっていたら、教えてあげたのに(これは仮定法過去完了。英語講師なんかやっていると、頭の中まで英文法で動くようになる)。そのルートで2時間近く節約になったはずなのだが、これもまた「中高生のDS除け」のためなら、2時間ぐらいどうでもいいかもしれない。

 

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(見返り模範ネコ)


 大月から新宿まで、特急「かいじ」グリーン車で再び惰眠を貪る。ただし、「惰眠を貪る前に」と思って大月の駅で買ったカップの日本酒2本を飲みきるのに八王子までかかって、楽しみにしていた「惰眠」は八王子から先の30分ほどになってしまった。

 ダラしない惰眠を貪るより、ダラしなく酒を飲むことのほうを優先し、果たしてどっちの自分がダラしなかったか、自分の中のダラしなさコンクールが始まり、いっそう情けないことになった。

 東京に戻ると空は綺麗に晴れて、どうやら夕焼けになりそうである。「なりそうである」などと中途半端なことを言って、実際に夕焼けだったかどうかを書かないのは、新宿に着くや否やこっそり飲み屋に入ったので、夕焼けだったかどうかを知らないせいである。

 生徒諸君は、今頃校舎に戻って、平常の学習に戻っているはず。それに比較して、余りにもダラしない講師は大いに反省してしかるべきであるが、まあそこまで自分に厳しくする必要もないはずだ。