2010年02月10日(水)

Tue 100119 フィグルミュラーの巨大カツレツと格闘する人々 胸焼けの予感と半冬眠

テーマ:ブログ
 さて、巨大カツレツのフィグルミュラーであるが(すみません、昨日の続きです)、中に入ってみると言語道断の混雑で、人口密度の限界を感じるほど。店の中はシュニッツェルを待ち受ける人々で溢れかえっている。「本店のほうは、予約なしではまず無理」という情報があったから、そのすぐそばの「支店」に入ってみた。運良く最後に1つだけ空いていたテーブルに座れたけれども、後ろにはすぐに長い列が出来た。
 ただし、問題のウィーナー・シュニッツェルというのは、要するにデカイことだけがウリの困ったヤツであって、見た瞬間「おお、半分も食べたらもてあますぞ、胸焼けに悩まされるぞ」とわかるシロモノである。直径30cm超の円形、むかし駄菓子屋で売っていたミリン焼きせんべいの大きさで、あまり質のいいとは言えない油でギトギトに揚げた約1.5~2cm厚のトンカツだと思えばわかる。
 その巨大カツを、狭いテーブルに詰め込まれたヨーロッパ人が、それぞれの国の言葉でいちいちワオワオワオワオ驚きの声を上げ、ウェイターは意地悪そうに笑い、まだ皿の運ばれてきていない周囲の客も余裕で笑い、しかしやがて自分の前に皿が運ばれてくると、今度は自分がワオワオ叫び、ウェイターと周囲の客の爆笑を浴びる。その無限の繰り返しなのである。

(巨大カツレツ、比較対象とともに)

 隣りのテーブルを一足先に占領していたロシア人の男女3人組も、もちろんシュニッツェルを注文してワオワオやりはじめた。男2人、女1人、3人とも30代半ば。男子2名は英語を話さない。「女」が通訳の役で、スペイン語と聞きまちがうほど激しい巻き舌の英語を駆使して、ウェイターと楽しそうにやり合っている。
 しかし「男子2名は?」とみると、おお、あれほどの身体の大きさなのに、半分食べ終わった段階で、すでにもてあましている。どんどん表情が暗くなる。顔ばかりか、身体中の表情で「もうイヤだ」「何でもいいから別のものを食べたい」「野菜がいい、草でもかまわない」と訴えかけている。やがて、彼らの心が七転八倒するのがわかり、脂汗が背中を流れるのが隣りのテーブルからでも聞こえるほど、ついに砂漠の果ての旅人の「水。水。み…ず… 。み…ず… をくれないか…」に変わる。

(フィグルミュラー支店。入店を待つグループ)

 まあ、公開処刑を眺めているような気分であるが、やがて処刑は自分の番になる。誰もが注文した直後から、カツレツの大きさにヒケをとらない重苦しい不安に苛まれている。しかし反対側のテーブルでは、70歳過ぎと思われるおじいさんが同じ巨大シュニッツェル1枚を、勇敢にもまことに立派に退治してみせていた。おお、こちらは誇らしげである。「なんだ、だらしない。ロシア人の名折れだ」と笑いだしそうだが、これはどうやら地元のウィーンじいさん。白い眉毛をあげ、颯爽と勘定を済ませ、肩をそびやかして店を出て行った。おお、カッコいい。食べることがカッコいいというのを、久しぶりに間近で目撃したように思った。

(巨大カツレツ、比較対象なしで)

 で、今井君はどうだったかと言えば、おじいさん並みにカッコよくシュニッツェル1枚平らげてみせた。ビールも飲みほし、白ワイン1本も飲みほした。ロシア人3人組になんか、絶対負けるものかと思ったからである。確かに彼らもついには平らげていた。しかし彼らはコーラしか飲んでいなかった。はっは、向こうはコーラ1杯。こっちはビールに白ワイン1本である。勝った、勝った、勝ったである。
 この大きな勝利感は、マルセイユやニースで巨大な3段重ねのコキヤージュを平らげたときに比肩する。横のテーブルに座ったイギリス人中年オバサン2名が、「Gush!!」と驚嘆の叫びをあげたが、かまうものか、牡蠣20個、ムール貝20個、名前も知らない貝30個ほど、でっかいカニの半身、白ワイン1本、それを30分で残らず退治して凱歌をあげた。日本の若者は、このクマ公に続くべし。ネットやガイドブックの治安情報なんかに腰を抜かしてウジウジしているようでは、残念ながら大したことにはならない。
 ま、アホ丸出しであるが、こういう勝負に勝って凱歌をあげつづけるのは爽快である。こういう店のいいところは、こうやって単に「平らげてみせた」という満足感だけで「勝った」とか「ダラしないヤツらじゃ」とか、無邪気な感情でいっぱいになれるところ。「超激辛カレー、完食!!」「超大盛ラーメン、完食!!」と同じことで、こういう場所で無邪気になれないのは、やっぱりKUSO-MAJIMEのそしりを免れない。

(フィグルミュラー支店。入店を待つ人々)

 5年前、ベルリンの名店「マイネッケ」で巨大アイスバインとともにウィーナー・シュニッツェルも注文してしまったこともある。やがて登場した2つの巨大料理を狭いテーブルの上に並べられてしまい、周囲の客の爆笑を浴びて辟易した。ぜひここで思い出を語りたいところだが、KMな人たちの非難を浴びそうだから、今回は我慢して、大人しくクマ公を「ホテル・ザッハー」に帰して眠らせることにする。
 腹の中はトンカツの油でギトギト。しばらくはトンカツを食べたくなりそうにない、というか、胸焼けの予感でいっぱいで冬眠に戻る、ホントに厄介なクマ公である。しかし、冬眠しながらも、ホテルの窓からはシュテファン寺院の屋根が目に入る。ライトアップされた寺院の姿は、闇が濃くなれば濃くなるほど、雪が強くなれば強くなるほど、ますます鮮やかに輝きを増してくる。おお、さすがベテラン英語講師だけあって、すでに半分冬眠しながらも、こうやって「the比較級 … , the 比較級 … 」の構文がちゃんと浮かんでくるのである。げぷ。うげ。

1E(Cd) Incognito:NO TIME LIKE THE FUTURE
2E(Cd) Incognito:POSITIVITY
3E(Cd) Larry Carlton:FINGERPRINTS
4E(Cd) Larry Carlton:DEEP INTO IT
7D(DMv) SWIMFAN
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