Wed 090729 河口湖合宿中の授業・確認テストなどについて オジサンもいつの間にか熱くなる | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 090729 河口湖合宿中の授業・確認テストなどについて オジサンもいつの間にか熱くなる

 4泊5日の合宿中(すみません、昨日の続きです)、授業は90分授業が11回である。90分×11回といえば、ちょうど一般的な予備校の1講座1学期分と同じであって、「部活に夢中」とか「生徒会に夢中」とかで出遅れてしまった生徒諸君にとっても、「一気に追いついてしまう」のに、まさに最適である。

 しかも「授業をやっただけ」では全くなくて、1回の授業ごとに「確認テスト」で追いまくられるから、勉強しないわけにはいかないのだ。授業終了後に「個別学習」の時間が90分ほどとられ、たった今受けた授業の内容をしっかりみっちり復習した上で、制限時間15分ほどの確認テストが行われる。

 4回に1回「まとめテスト」があり、まあこれは中間テストみたいなもの。これに加えて毎朝「単語アクセントテスト」もあるから、この合宿中に小テストを14回、中テストを3回こなし、最後の日の朝に「修了判定テスト」とう大テストを受けて、やっと帰れることになる。

 こういうテストで「合格できなかったらどうなるんですか?」などと質問するとすれば、そのこと自体、意識が低すぎるのである。

 まず、
(1)授業の質が高いから合格できない生徒なんかほとんどいないし、
(2)個別学習の時間にみっちり復習しているから、「合格できない」どころか「クラス平均9割」がむしろ普通であって、
(3)それでも出来ない生徒には若いスタッフ諸君がしっかり対応する態勢ができている。

 

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(午後の富士)


 私はハイレベルクラス担当であるから、とにかく小テストでは満点を取りつづけることを目標にさせる。決してカンタンなテストではないから、満点を取るのはなかなかたいへんだけれども、第1講で2人しかいなかった満点の生徒が、5回目6回目ぐらいから30名も40名も出るようになってくるのは、胸のすく思いである。

 特に、そんなに超有名な高校の生徒ではなくて、ごく普通の県立高校や無名の私立高校の生徒が、俄然学習に力こぶが入って満点を取りつづけるのは、講師としても嬉しさが数倍である。

 こうして、回を追うごとに高得点の取得者が増える。一方で、満点をとれなかったことを口に出し、表情に出して悔しがる生徒も増えていく。

「今度は絶対満点とるぜ」と友人どうし誓い合ったり、若いスタッフに「次回は必ず満点とります」と真剣に約束している姿は、冷静に見れば「そんなに一喜一憂しなくても」「テストの点数なんかで、オレたちは燃えないぜ(by 田原俊彦「哀愁でいと」B面より)」とでもいうことになるが、こういう合宿の場でそういう捨て台詞を吐くのは御法度、というより致命的である。こういうのはあくまで流れに任せて、どんどん熱くなったほうがいい。

 

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(深夜の教室。ここにいない生徒は、廊下で音読に夢中である)


 授業内容は、毎回文法20題と、25行程度の読解問題1題。テキストは開講式の場で初めて渡したのだから、だれも予習をしていない。まあ、平等なのである。ヨーイドンで始めて、まず時間を計って問題を解かせ、解いた後で解説授業、というスタイルで進む。

 文法問題は5題を90秒から120秒で解いては、私の解説が入る。読解問題は、制限時間7分、目標はあくまで読解のスピードアップ、25行の文章に内容一致の選択肢が7つ。「本文の内容と一致するものを3つ選べ」という形式に統一されていて、以上で90分。どんなことでも丁寧に解説して、「意地でもわからせたい」「呆れるほどわかるほどわからせたい」、そういう傾向のある私としては、この分量はちょっと苦しい。というか、相当に苦しい。

 レベルだって、決して低くはない。センター模試8割の生徒たちといっても、4月の段階の成績を見れば、同じセンター模試で6~7割である。さすがに「名詞節」を「メイシブシって何ですか?」と質問してくるような猛者は存在しないが、「関係副詞節は、副詞節だ」と思いこんでしまっている生徒が大半である。

「全ての関係副詞節は、形容詞節。名詞を修飾するんだから、形容詞の役割をしている。関係副詞節とは、正しくは『関係副詞が先頭にある形容詞節』のことである」という話を1~2分で理解させなければならない。

 for there to be …の話も出てくる。その直後にtough構文も出てくる。仮定法現在を含む仮定法の全てを、問題を解かせる時間も含めて60分で終えなければならない。「suggestの後ろの節は必ず仮定法現在になる」と頑固に思いこんでいる生徒に、そうではないと納得させるのは難しい。

 目の前に100人弱の生徒がいて、その生徒たち全員に「呆れるぐらいわかった」と納得させ、しかも直後の確認テストで満点を取らせたい、そういうことになると、講師としてはまさに大汗&脂汗でシャツはぐっしょりである。

 

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(確認テストの優秀者は名前を掲示する。次第に掲示する名前が多くなり、ついに床に届くほどになる)

 それと同時に、クーラーの冷えすぎで凍えそうになっている女子はいないか、反対に暑すぎて熱中症気味の男子はいないか、眠くないか(期間中の生徒の睡眠時間は平均4~5時間になる)、今年のようにインフルエンザが流行していれば、おかしな咳をしている子はいないか、すべてに気を配らなければならない。

 こうして、不本意ながら毎回授業を15分から20分延長することになる。延長するのは悪くないが、延長した分だけ「個別学習」に当てられる時間が少なくなり、「確認テストで満点をとりつづける」という目標をジャマしてしまうことになる。

 こんなふうだから、講師のほうもどんどん夢中になり、つまらない恥や外聞を忘れて1期2期ともに授業に没頭することになってしまう。

 あごヒゲに白髪が十数本混じっていようが、そんなことはもう関係なくなって、満点取得者の数に思い切り一喜一憂し、生徒と一緒に雄叫びをあげ、「修了判定テスト」の前日、最終日の夜は徹夜して勉強する多くの生徒たちにつきあってオジサンも徹夜し、夜明けの美しい富士山をみて、思わず涙を流しそうになる。年を重ねれば重ねるほど、1年に1度ぐらいはこんなふうにカッカするのは悪くないのだ。