Thu 090702 おらあ、おったまげただ CMは電車車内でも ポスターの顔がコワすぎないか? | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 090702 おらあ、おったまげただ CMは電車車内でも ポスターの顔がコワすぎないか?

 で、ゴルフであるが(すいません、いつも通り、昨日の続きです)、ゴルフに行く前に渋谷でしておきたかったことがあって、井の頭線渋谷駅ホームにズラッと貼り出されていた自分のポスターの撮影である。ポスターの被写体自身が、自分のポスターの写真を自分で撮影するという行動の構造にはなかなか複雑なものがあるが、まああくまでブログ用の写真ということで許してもらいたい。この夏の東進の広告は、まさに「おらあ、ぶったまげただ」と思わず叫んでしまうような力強さがあって、現実に、駅を通るたびに出会ってしまう自分のポスターに飛び上がるほど驚きつつ、
「おおお、こりゃ、ぶったまげただ」
「おらあ、ぶったまげただよ」
「おりゃりゃ、こんれは、おらの顔だんべいか」
とブツブツ呟きながら階段を上り、階段を下りる。この間打ち合わせで吉祥寺に出かけた時なんか、その余りに激しいポスター攻勢に驚嘆し、危うく熱を出すところだった。


 テレビコマーシャルの出来映えは素晴らしくて、地デジ対応のテレビで見ると少し画面がボヤけた感じになるところまで、なかなか味わい深いものがある。テレビばかりではなく、同じ映像は山手線だか中央線だかの電車車内にも流れているらしい。私自身はまだ見たことがないが、そこまで出回ってしまえば、もう隠れようもない。あくまで自意識過剰と思うけれども、何だか最近駅や路上やで「あれ?」「おや?」という顔で振り返られることが増えたように思う。ま、太鼓連打の爽快なCMだから、こちらのほうは何の問題もない。どんどん、もっともっと派手にやってほしいぐらいである。

 

1446
(被写体自身が「申し訳ない」と感じるコワいポスター)


 それに対してポスターのほうは、いささか指名手配犯のようなコワモテの面構えが気になる。もちろん、問題はあくまで被写体になったクマオヤジのほうにあるので、ポスターを制作したヒトには何の罪もない。ただ、もう少し温和かつ穏健な表情を使ってほしかったという気がしないこともない。だって、ありゃ、どう見てもコワすぎるぜえ。女子高校生たちが朝の駅のホームでガムかキャンディを分け合いつつ、東進講師5人の顔を批評しているのをもしも立ち聞きしたとすれば
「ケッコ、感じいいんじゃネ?」
「ケッコ、イケメンじゃネ?」
「ケッコ、視線合いたくネ?」
などのプラス評価に混じって
「このオヤジだけ、ケッコ、こわすぎるんジャネ?」
が入ってくるのは、火を見るよりあきらか。そういう時、「何がケッコ、ケッコだ。お前らニワトリか」と叫びながらそこへ乱入する勇気はないが、「でも、本当は一番優しいのは、このオジサンかもしれないよ」と言いたくはなる。

 

1447
(カッコいい先生方と、1頭のクマ)


 他4名の先生方は、若々しい笑顔の爽やかな、みんな優しそうな先生方である。そこへ1人だけ、怒って立ち上がったクマのようなオッカナイ顔のオジサンが、オッカナイ仕草でこっちを指差している。指名手配されてなお人々を威嚇するような風情。予備校としては、「優しさ」「若々しさ」「清新さ」「感動」などのキャラクターに交えて、「厳しさ」みたいなものをコンセプトに加えたい、今井さんは年齢も年齢だし、そろそろさすがに「爽やかさ」「フレッシュ」のイメージキャラクターには向かない、「厳しさ」「硬派」の代表キャラでいってもらいたい、そういうことなのだろう。


 「クマオヤジの笑顔」というものが「ケッコ、キモイんじゃネ?」という反応を多く引き出してしまうのも確かである。5年ぐらい前、「いつもニヤけている」とアンケートか何かに書かれたことがあるが、どうもあのあたりが分岐点だった。受講生諸君との年齢が一定以上離れてしまうと、「にこにこ」は「ニヤニヤ」と判定されるようになり、「クールさ」は「やる気がない」に、「優しそう」は「キモイ」に、「真剣だ」は「カッタリー」に、それぞれ評価が一変する。今もしこのポスターに笑顔で写っていたりすれば「ケッコ、キモいんじゃネ?」と言われるだけかもしれない。

 

1448
(爽やかな先生方と、1個のサトイモ)


 そうだとすれば、「コワい」と言われておくほうがいい。コワいものに出会っただけなら、ナデシコやニャゴロワのように死んだフリを身につければいいのだ。ポスターの前で死んだフリ、というなら別に誰にも迷惑はかけない。テレビや電車の中の映像はコワくないから、これもまたよし。山手線や中央線の中で私の映像が流れて、OLさんや会社員さんが一斉に死んだフリなんかしたら、それこそ大変である。
 

 というわけで、自分で自分のポスターの写真を撮るのはさすがに恥ずかしいから、階段の陰に隠れ、金曜夜8時の井の頭線、超満員の急行電車が渋谷駅をゆっくりと出て行く瞬間を捕らえることにした。次の急行を待つ列がもうホームに出来ているから、急行が次第にスピードを出してホームを離れきる前に撮影を終えなければならない。その緊張感のせいで、ウナギのキモ焼き分の栄養と日本酒5合の酔いとが、キレイさっぱり消えてしまった。

 

1449

(渋谷・井の頭線ホーム全景。首都圏のターミナル駅の多くで、これと同じ光景が)

 で、ゴルフであるが、井の頭線の裏の階段から渋谷の怪しい裏町の真ん中に出て、まずそこにあったコンビニ(ミニストップ)で軍手を購入することから始まった。滑り止めのゴムがついた「高級軍手」という矛盾したネーミングのシロモノで、これがゴルフグローブの代わりである。ちゃんとしたグローブなんか、絶対に買ってやらない。リンデマン島1番ホール23打の恨みはそこまで深く、真横に飛んだボールが残した大音響が心に刻み付けた痛みはそれほど大きい。軍手に革靴。これが私の正式なゴルフスタイルである。