Mon 090601 自習室のヌシとしての理想的夏休み ここまで受講したテキストの完全な復習 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 090601 自習室のヌシとしての理想的夏休み ここまで受講したテキストの完全な復習

 だから(昨日の続きです)、余程のことがないかぎり、数講座の夏期講習を申し込んで、それで安心していてはならないのである。1学期に予備校で受講した授業の総数を考えてみたまえ。浪人生なら、1週間で90分授業20コマ程度。それが12週ぐらいあるから、合計で240コマ。それなのに7月8月の2ヶ月で受ける授業は、夏期講習10講座とってもたった50コマ。授業の絶対数からみて、明らかに不足する。現役生でも、事情は同じことである。だから、ダメな夏休みの典型は、面白そうな派手なタイトルの講座を各科目1講座か2講座受講して、それで何となく勉強したつもりになって、何となくのほほんと終わってしまう夏休み。授業数が多ければいいという単純な話にはもちろんならないが、何となく予備校に通い、授業を受ければすぐ帰宅、というのでは夏休みのうちに決定的に差をつけられてしまうのは当たり前である。

 

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(とても眠い)


 理想的な夏休みの姿を示しておくと以下のようになる。まず、朝8時か9時、塾または予備校の自習室が開く時刻には、もうドアの前で待ち構えていて、自習室に席を確保したらすぐに自習を開始する。自習の順番は、
(1)受講予定になっている夏期講座すべての予習。先に全部の予習を済ませておかないと、受講に予習が追いつかない、いわゆる「自転車操業」に陥る。実は、講師だって講習期間中の最初のうちは自転車操業で泣きそうなのだ。
(2)1学期に塾や予備校に通っていた人は、1学期のテキスト全ての復習。浪人生なら、たとえ1日一冊の復習を終えるハイペースで進んでも、20日程度かかるはず。これが終わる頃、8月も半ば近くなっている。
(3)昨年夏から受験した全ての模擬試験の復習。浪人生なら、去年の秋以降の模試。高3生なら、高2の秋以降の全ての模試。模試の復習を秋に回すと、過去問演習に追われて結局模試の復習は出来ずに、最後まで心残りになる。
(4)最後に、この夏に受講した夏期講座のテキストの復習。夏期講座の復習は毎日その日の分をこなしていくが(後述)、最後にもう1回テキストをまとめて一気に解いてみるべきである。

 

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(さらに眠い)


 以上である。こういう自習の合間合間に、ほとんど息抜きのような気持ちで授業を受けに行くと、授業は本当に楽しいオアシスのように感じられ、授業内容は見る間に全身に染み込み、チャイムが鳴ると「ええっ、もう終わりなの」「延長してくれないかな? もっと先生の話を聞いていたいんだけど」「また明日が楽しみでたまらない♡」ということになる。眠気を我慢しながら不平と不満でいっぱい、「チョー、ネムクナイ?」「うぜ、また雑談かよ」「早く進んでくれよ、こんなんじゃテキスト終われねえじゃん」という、ありがちな予備校の姿とは全然色合いが変わってくる。

 

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(何気ないふりで睡魔と戦う秀才)


 授業が終わったら、すぐに自習室に戻る。息抜きは90分間もう十分にしたはずだし、講師の楽しくわかりやすい説明で頭はリフレッシュしているから、これ以上の息抜きなんか必要ない。ただし、「やっぱりそれでも疲れた」というときには、自動販売機の前で、立ったままお茶かコーヒーを飲む。椅子があっても、決して座らないこと。どこかに座ってしまった瞬間「どっか行って語ろうぜ」という悪友の誘いがあり、こちらの精神もすぐに弛緩して、10分のはずの休憩は30分になり、1時間になり、丸1日になり、3日は5日に、ついには夏休みのほとんどが崩壊する。真夏でも、冷たい清涼飲料水より、熱くてマズいコーヒーがいいのは、胃腸のことを考える以上に、そういう崩壊を恐れるからである。

 

 それでも耐えられないなら、予備校の周囲をウォーキングする。その際も、出来れば悪友と一緒ではなくてiPodを友とし、音楽ではなくて英語のリスニングを親友とする。炎天下、20分も歩けば汗まみれになるから、再び自習室に帰って自習を開始する。自習に飽きれば、英語のテキストなり単語集なりを手に自習室を出て、音読が許されているスペースで音読に励む。音読は、英語以外に古典でも漢文でも日本史の史料集でも大いに効果を発揮する。

 

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(秀才、睡魔に敗北)

 なお、授業を受けた直後の自習は、「たった今受講した講座の復習」であるのが望ましい。今受けたばかりの授業の復習を、自習室ですぐに復習する。たった今解説を聞いた数学の問題、自由英作文の問題、何でもいいから直ちに復習して、確認テストがあるならすぐにそれを受験して満点をとってしまう。予備校の校舎を出るときには「今日の授業内容は完全に把握した」という自信に漲っているのが理想。
 
 こうして夜9時か10時、「もう自習室を閉めますよ」というアナウンスがあるまで粘って、夜の涼しい爽やかなそよ風に吹かれながら帰宅する。これほど心地よい充実感はなかなか得られるものではない。少なくとも、予備校や講師の悪口で盛り上がりながら、友人と「今日の授業わかった?」「ぜんぜんわかんね」「あの講座、役に立つわけ?」「知るかよ」とか言い合いながら帰途につく夏休みとは、別格のはずである。

1E(Cd) Maceo Parker:SOUTHERN EXPOSURE
2E(Cd) Max Roach:DRUMS UNLIMITED
3E(Cd) Tommy Flanagan Trio:SEA CHANGES
6D(DvMv) CUBE
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