Thu090521 電気、電話を止められた経験について「東京電力、for you!!」というCM | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu090521 電気、電話を止められた経験について「東京電力、for you!!」というCM

 ガスがそういうふうだとすれば(昨日からの続きです)、電気だって電話だって同じような有り様になる。水道だけは、大家さんが松和荘全体(といっても3世帯だけだが)の分をまとめて支払ってくれていた。といっても、もちろん部屋代15000円(この数字を見て是非とも絶句してほしいのだが)に、水道代500円分を一律で上乗せされるのである。しかし、電気代と電話代はそうもいかない。銀行からの自動引き落としにする手もあったのだが、大学生としてはその手続きも面倒である。請求書が来るたびに銀行か郵便局に行って払えばいいと考え、自動引き落としの件は放置したままになった。


 では、そういう人物が、「請求書がきたから」といって素直に銀行や郵便局に行くか行かないか、答えは「火を見るより明らか」である。1ヶ月の支払い期限が過ぎれば、銀行も郵便局も相手にしてくれなくなり、電気は東京電力の窓口に、電話は電電公社(NTTなどというオシャレな呼び方はまだ存在しなかった)の窓口に、それぞれはるばる足を運ばなければならない。今みたいに、何でもかんでもコンビニで支払えるような便利な世の中ではなかった。

 

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(ニャゴロワ姉さんには、マネのできない柔軟性)


 すると、そういう支払いのために、再び「丸1日行動を束縛される」ことになる。それは許しがたい。公共料金とはいっても、客はこっちである。客に向かって「足を運べ」とは何事であるか。むしろそっちが譲歩して、客の家まで「いただきに上がる」という態度が当然である。NHKはそうしている(20世紀中のこと)。NHKを見習うべきだ、新聞を見習うべきだ。そう考えて、支払い期限がくるまで、決してこちらから支払いになんか行ってやらずにいる。


 すると今度は、相手は「では、電気を止めますよ」「それなら、電話を止めますよ」という強硬手段に打ってでる。おお、いい度胸である。「お客様」とか呼んでネコをかぶってはいるが、東京電力も電電公社(古い呼び方で申し訳ないが)、もともと客を客とも思っていない。「金を払わないなら、電気のない真っ暗闇にしてやる」「冷蔵庫に買いだめしてもムダだぜ。中身を腐らせてやるからそう思え」「今日からお前はミジメな暮らしだ。はっはっ。電話も電気も恵んでやるもんか、やあい、やあい」という、そういう連中である。

 

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(ニャゴロワ姉さんには、マネのできない複雑さ)


 そういうネコをかぶった態度は無礼千万である。21世紀になって、テレビコマーシャルなんかして、都合のいいときだけこっちに擦り寄ってくるようになった。さっきもテレビを見ていたら「トーキョー、デンリョク、フォーユー」とかイヤらしい歌声で「皆様の東京電力でございます」とかいう気色悪いCMが流れていたが、「金の切れ目が縁の切れ目」という点では何の変化もない。何が「フォーユー」だ、ケッ。というのが、松和荘時代の思い。だって、ウソだと思うなら、お金を払わずにいてみたまえ。気温が40℃近くなる真夏の東京や埼玉で、真っ昼間にいきなりクーラーが切れて、客であるキミはあっという間に死の淵に追い込まれる。もちろん松和荘にクーラーなんかなかったけれども、それでもいきなり蛍光灯が切れて、ロウソク生活を強いられ、扇風機は回らず、冷蔵庫の氷も全部融けてしまう。氷点下30℃にもなる冬の北海道で、床暖房もエアコンもみんな突然切れて、もうウンともスンとも言わない。電力会社なんか、そんなところである。だから、北海道の人も東北の人も、凍え死なないように冬にはみんな灯油を買って、石油ストーブで身の安全を担保することにしている。

 

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(シッポが、重い)


 もちろんこういうのは冗談であるが、学部時代は冗談とは思っていなかった。実際に電気を切られたことが2~3度あった。はいはいはい、払わなかったアッシが悪うございやした、ひっひ。電話が切られてしまったことは、さらに頻度が高い。へいへいへい、盗人たけだけしゅうございやす、ひっひ。悪いのはあくまで消費者である。それは痛いほどわかっている。だから最後にはヒザを屈して支払いに出かけ、職員たちは冷たく厳しい視線を投げ、舌打ちするような顔で「これからは、期限以内のお支払いをお願いいたします」、ときた。え、ボク、客だよ。えっ、「トーキョー、デンリョク、フォーユー」じゃないの?もちろん、この場合のyouとは、こういう頑固でバカでマヌケなことを一切言わずに粛々とお金を支払う立派な人のことを指すのである。

 

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(シッポが重くて、ずり落ちる)


 ついでに言うと、「コンビニでお支払いが可能になりました」とは、「だから支払え。支払わないのは非常識だ」ということに過ぎない。だから、常識的な就職して、常識的に生きるようになって、要するにつまらない人間になったときから、私は「自動引き落とし」という売る側の便宜ばかりを優先するシステムに積極的に組み込まれ、もう25年近く、年金から税金から、あらゆる公共料金について、一度たりとも不平を言うことなく、1円のゴマかしもなくキチンと支払ってきた。税金をごまかす人はキライである。税金をゴマかして、それを酒の席で自慢するヤツなんか、もっともっと大嫌いである。そういう自分を要約して「とるに足りない小市民に堕した」などと表現するのは、陳腐なのだ。

1E(Cd) John Coltrane:SUN SHIP
2E(Cd) John Coltrane:JUPITER VARIATION
3E(Cd) John Coltrane:AFRICA/BRASS
6D(DvMv) OSCAR AND LUCINDA
total m82 y675 d2918