Sun 100103 太子堂「くら嶋」の甘鯛 世田谷ボロ市 「ラーメン京都」と「小仏」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 100103 太子堂「くら嶋」の甘鯛 世田谷ボロ市 「ラーメン京都」と「小仏」

 こういう内気さや、少しでも気に入らないとすぐに「はいはいはい、帰ります帰ります」という反応は(スミマセン、昨日の続きです)、日本でもどんどん発揮されるので、このカニ蔵くんが1ヶ月に2度も3度も訪れる「馴染みの店」などというのは、なかなかできないのである。その代わりというか、いったん気に入ってしまえば店の人が迷惑して「出来たらそんなに来ないでください」と言いそうになるほど、短期間に繰り返し攻撃をかけることになる。
 この後この旅行記でも書くことになるが、プラハの「ドブ・コチェック(2匹のネコ)」などはまさにその例であって、たった5日の滞在でこの居酒屋には4回も(ということは5回の晩飯のうち4回も)お世話になった。何がどんなふうに気に入ったかはまたプラハについて触れる時に説明することにする。気に入ったことが4つも5つもあって、またまたいくらでも長くなりそうだからである。

(太子堂「くら嶋」の「甘鯛一夜干し」)

 「いったん気に入ると、店の人が迷惑しそうなほど短期集中攻撃をしかける」については、三軒茶屋(というより太子堂の)「くら嶋」も一時似たような状況になったことがあって、今はちょっと自粛しているところである。ランチの時間帯に訪れて「ノドグロの一夜干し」の類いを注文し、日本酒を3合も4合も飲んでいかれては、周囲の客だって何だか迷惑だろう。ついこの間、恐縮しながらひさしぶりに訪れてみると、ノドグロではなくて「甘鯛の一夜干し」が目に入った。甘鯛自体大いに旨かったけれども、甘鯛の残りでアラ汁まで作っていただいて、まあこれは「満喫」ということである。

(その甘鯛のアラ汁)

 「満喫」ということなら、先週の「世田谷ボロ市」も悪くなかった。三軒茶屋から東急世田谷線の路面電車に乗って、3つめだか4つめだかの世田谷駅で降りる。ヨーロッパでもトラムが好きなクマどんは、東京で都電荒川線とともにしぶとく生き残ったこのチンチン電車が大好き。むかしむかし早稲田大学に通うのに、わざわざ大塚から都電を使っていたほどだから、今でもチャンスさえあれば、たとえ遠回りでも世田谷線と荒川線は出来るだけ利用して、応援することにしている。

(北風が吹き荒れる午後2時の熱燗)

 で、「世田谷ボロ市」であるが、混雑しすぎていてほとんど前に進まないし、狭い道の両側に立ち並ぶ楽しそうな露店を一つ一つ覗いてみることなど、ハッキリ不可能である。前日NHKの朝のニュースで紹介なんかするし、当日の朝日新聞首都圏版に記事が載ったりするから、東京中or首都圏中のヒマ人がこぞって押し掛けたという感じなのだった。

(世田谷ボロ市)

 しかも、「2日で数十万人」というその群衆が、驚くほど寡黙である。これは是非とも関西の人に見せてみたいが、元気な関西人なら、間違いなく「アホちゃうか?」と叫び、天に向かって肩をすくめるはずだ。せっかく露店の並ぶ市に遊びにきて、値切る者もいないし、歓声をあげる者も、笑う者も、全く見当たらない。ただ寡黙に、ただ上品に、市の端から端まで、ひたすらシズシズと進んでいくだけなのである。草食系のお祭というか、草食系の中でもとりわけ草食系のヒトだけを厳選して、超低速のベルトコンベアに載せたような、たいへんシュールな世界であった。もっとも、カニ蔵くんは、まさにそのシュールさをこそ、満喫したのである。

(ボロ市まんじゅうの湯気)

 5年前のウィーンでも、裏通りに「京都」という名前の静かなラーメン屋を見つけて入ってみた。もちろん、ラーメンとは名ばかり。野菜タップリの煮込み丼に中華麺が7本か8本からんで溺れそうになっている、そういう生温い煮込み料理が出てきて、あえていえば「なんちゃってラーメン」である。しかも、中国人らしい店主とその30歳代後半のオクサンが「何がいけないんだ?」という顔をして、どこまでもこちらを睨みつけている。まさにガンミである。こういうのは、「世田谷ボロ市」同様、シュールに楽しもうと思えばいくらでも楽しめるので、代ゼミを辞めた直後にヨーロッパをブラブラしたあの40日間で、ある意味一番楽しい記憶にもなっている。

(ボロ市まんじゅうの湯気2)

 それとは異質の、「とにかくダメな店」「どうしても楽しめない店」も、少なくないものである。今回のプラハでもカレル橋のたもとに、「京都飯店」という看板の、どう見ても楽しくなさそうな中華料理店を発見、「何だこりゃ?」と絶句した。ウィーンでも、「グリーフェンバイスル」のすぐ近くに、「小仏(Kobotoke)」という綺麗めのレストランを発見。ウィーンのどまんなかに漢字で「小仏」である。薄暗い店内を覗くと、どうも壁一面にお地蔵様みたいな小さな仏像が林立している様子、なるほど小仏である。

(5分待って獲得した、小さなおまんじゅう)

 しかし、うーん、「小仏」ねえ。ニューヨークあたりで流行するかもしれない東洋趣味の店を狙ったのだろうが、うーん、「小仏」ねえ。せめてロンドンかパリでなら、SaTC風のドラマで取り上げられ、変なアジア趣味のヒトがたくさんやってきて、開店直後だけちょっとは話題になるかも知れないが、ウィーンじゃねえ。開店したばかりで、すでに閑古鳥が鳴いている。というか、店とかレストランとか認識しているヒトは、誰もいない様子だった。

1E(Cd) Avner Arad:THE PIANO WORKS OF LEOŠ JANÁĈEK
2E(Cd) Akiko Suwanai:INTERMEZZO
3E(Cd) Mascagni & Teatro alla Scala di Milano:
MASCAGNI/CAVALLERIA RUSTICANA
4E(Cd) Molajoli & Teatro alla Scala di Milano:
LEONCAVALLO/I PAGLIACCI
5E(Cd) Solti & Chicago:HÄNDEL/MESSIAH 1/2
6E(Cd) Solti & Chicago:HÄNDEL/MESSIAH 2/2
9D(DMv) WHAT LIES BENEATH
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