Fri 090417 「今井の英文法教室36日」、ついに原稿完成 クマの雄叫びについて | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 090417 「今井の英文法教室36日」、ついに原稿完成 クマの雄叫びについて

 ちょっと溯ることになるが、やはり一応報告の義務があるだろう。4月13日、18時55分、ついに参考書原稿が完成した。タイトルは「今井の英文法教室36日」、毎日一定量をキチンとこなしていけば「1ヶ月ちょいで英文法が完成する」というコンセプトである。低学年でも読破できるから、受験学年に達していない生徒の場合は、1日で読み進める分量を半分にしても72日で終了。あまり妥協して簡単すぎる参考書にならないように、難関校を受験するにも十分な内容を盛り込んで「これ一冊やれば、他には英文法は一切不要」と言えるものができあがった。「文法をやって、文法ができるようになる」というだけではつまらない。毎日毎日英文法の問題と汗だくで取り組むことによって、英文法を材料に、英語で遊び、英語と親しくなり、その中で必要な単語や熟語や構文ともさまざまな形で触れ合ううちに、読解や英作文までどんどん伸びていく、そういう参考書である。


 上下2冊に分かれ、合計450ページもの分厚さではあるが、指示通り読み進めれば必ず36日または72日で読了できる。「さあ、勉強だ。サクサク読んで、1ヶ月ちょいで読了。1ヶ月後には英語が得意科目に」がコンセプト。「ラクして」「ゴマかして」というのではない。本気でガンガン勉強して、ちょっと遅れ気味の人もどんどんやる気を出して、一ヶ月ちょいでグイッと前に出て行こう、英語だけでも先頭集団に出よう、そういうコンセプトを貫いた。

 

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(奇跡)


 浪人生でも高校生でも、このごろ私の周囲にいる受験生は質実剛健な生徒が多くて、どうも私の代ゼミ時代の軽薄な感じは「もう時代遅れ」のようである。4年前、東進に移籍する以前だったら、こんなに質実剛健な本は書かなかっただろう。1997年に出版して「代ゼミTVネット」のテキストとしても使用した「英文法入門」と比較してみると、自分でも如実に感じるのが、中身のたっぷり詰まった、すごくいい感じの充実ぶりである。


 あのころ、どこの予備校でも目立っていたのは、軽いお笑いタレントみたいな生徒。特に努力しているわけでもないのに、「オバカぶりが受けて人気者になる」ようなタイプ。それはそれで悪くないし、「英文法入門」は、英語の全然出来ない子が「初めて参考書というものを1冊読破した」という経験と自信から一気に「英語好き」になるためには、とても優れた本だったことも間違いない。しかし、いま読み返してみると、さすがに少々内容が薄すぎる。「何を書かないか」「どの項目の説明をはしょって、読みやすい書き方にするか」「最後まで読ませるために、どこまで情報を削除するか」にこだわりすぎるあまり、読む人によっては「軽薄すぎる」「あれとあれの説明を省いてしまうのは危険すぎないか」「この本で合格してしまうのは卑怯ではないか」という反感を持ちかねない内容だった。


 今度の「英文法教室」は、それとは対照的に「ラグビーのフォワードを育てる」ような本になった。相手が身体をぶつけてきても、ぶつかってきたほうが痛がるようなパンパンの肉体を作るのが、フォワードの理想。せっかく英語の勉強をするなら、そのぐらいの意気込みでやったほうが長続きするし、それぐらい張り切ってやったほうが楽しいし、弱虫になって中途半端に縮こまっているより、ずっとカッコいいのだ。読む人には、ぜひ「英語マッチョ」になってもらいたい。英文法をオモチャに1ヶ月過ごした英語マッチョは、どんな場面でも強い。戦う場面が長文読解になろうと、英作文になろうとリスニングになろうと、「英語マッチョ」が相手をどんどん弾きとばしてグングン進む姿は、きっと喝采を浴びるだろう。

 

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(散歩の途中で見た三越本店ライオン。「今井の英文法教室」を読破したニャゴロワのイメージ)

 ただし、執筆が遅れ、校正が遅れ、すべて筆者の責任で、出版が予定より遅れそうであることは誠に残念である。どうしても7月上旬には出したいと思っていたのだが、間に合うだろうか。今年の高3生にも、今年の浪人生にも是非取り組んでほしかったのだが、間に合うだろうか。自分で遅れておいて、今度はそのことばかり心配になるのだから、全くワガママもいいところである。


 本来なら、東進に移籍してきてすぐ、その年のうちに出版する予定の本だったのだ。それが遅れに遅れ、授業優先、講演会優先、授業準備優先、夏期合宿優先、そういうマジメな理由で遅れたのならいいのだが、実際には「飲み会優先」「海外旅行優先」「趣味優先」で、ここまで引き延ばしてしまった。まあ、「ケガの功名」ということもあって、もし私が勤勉な男で、東進移籍直後にこの本を仕上げてしまっていたら、こんなに充実した質実剛健の参考書にはならず、「読者・生徒のイメージ」は代ゼミ時代のまま。「勉強したくない」「量は出来るだけ減らしたい」「難しいことは省略したい」「覚えることは少なくしたい」という生徒のイメージで仕上げてしまっていただろう。


 「実況中継シリーズ」みたいな参考書によくあった「だよね」「いいかい」「ほらね」のタイプの語り口調を排除したのも、自分では大いに満足している。読みやすさからいえば語り口調のほうがいいのかもしれないが、生徒諸君からみて、「ああいうのは、そろそろ少々食傷気味」なのではないか、と感じていたのだ。軟投派のピッチャーがカーブとスライダーとフォークを織り交ぜて巧みに相手打者をかわすような投球にも確かに味わいがあるだろうが、今回の「英文法教室」には、豪腕投手が直球だけでガンガン押しまくるような爽快感があるはずだ。そして5ページに1回ぐらい、忘れた頃に不意に飛び出す「マジメな顔のギャグ」「真剣な目でぼそっと繰り出すユーモア」「剛球投手が勝負所で投げたナックル」に、読者はタガを外されたように爆笑するはずである。そんな作りになっている。

 

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(英語マッチョになったニャゴ。イメージ。)


 もし7月上旬に出版が間に合うようなら、これから9ヶ月後に受験を迎える諸君にも是非読んでもらいたいと願っている。例え机の上でなくても、電車の中や学校の休み時間に読み進めても、サクサク進みながらますます理解が深まり、理解を深めながら英語全体が強くなり、マジメに読み進めながら時に「ヒザかっくん」されたように爆笑する、楽しい参考書が書けた。


 なお、あくまで内緒であるが、原稿完成の瞬間、半地下になっている自室のパソコンの前で、最大限の雄叫びをあげた。どのぐらい大きい雄叫びだったかは、秘密である。4年間、心苦しさに悩みに悩み、苦しみに苦しんでいた借金を、ついに全額返済した、そういう思いである。クマさんの雄叫びは、なかなか聞くことが出来ないが、どうしても聞きたいと思う高3の東進生は(それも残念なことに首都圏の生徒だけに限られてしまうのだが)、ぜひ「夏期合宿」に参加したまえ。夜中にも、明け方にも、閉講式にも、その激しいクマの雄叫びを聞くことができるはずだ。

1E(Cd) George Benson:LIVIN’ INSIDE YOUR LOVE
2E(Cd) George Benson:LOVE REMEMBERS
3E(Cd) George Benson:STANDING TOGETHER
4E(Cd) Chicago:CHICAGO
5E(Cd) Take 6:BEAUTIFUL WORLD
8D(DvMv) THE OTHER BOLEYN GIRL
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