Mon 090316 山口宇部ダブルヘッダー講演会、ダブルでダブル成功 中3生の前で話す快感 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 090316 山口宇部ダブルヘッダー講演会、ダブルでダブル成功 中3生の前で話す快感

 3月14日、山口宇部で講演会。その前夜、ワガママを通して神戸に宿泊し、それが功を奏する結果になる、そういうことも実際に起こる。昨夜から今朝にかけて太平洋岸を春の爆弾低気圧が通過、神戸も激しい春の嵐になって、私のお腹の中もウィスキーダブルの嵐だったが、それでも窓の外の豪雨にも気づいていた。それが今朝になって東京に到達し、爆弾低気圧は台風並みに発達、飛行機は軒並み遅れ、欠航も相次いだ。だから言わんこっちゃない。万が一私が素直にスケジュール通りに行動して、いったん東京になんか戻っていたら、今日の山口宇部講演会はドタキャン、ダブルヘッダーでの講演だったから、受講者数も多く、合計で300名近かった出席者は肩すかしを食って終わりになるところだった。神戸に宿泊して新幹線で山口に向かった私の選択は、さすが乗りテツ、さすがトーマスクックの達人、ま、手並みはこんなものである。
 

 新山口の駅まで東進スタッフがクルマで迎えに来てくれて、とても良く晴れはしたけれども真冬並みの冷たい強風の中、宇部のANAホテルに向かう。新山口駅のエスカレーターで、前に乗った大学生ぐらいのカップルの女子のほうが、ニコニコしながら盛んに振り返る。こういう時は、まあだいたい元生徒であって、向こうはこちらが信じがたいほどに盛り上がっているものだ。「写メ撮ってください」と言って躍り上がっている、というより、何だかピョンピョン飛び跳ねている。カレシの方は私のことを全く知らないらしくて、カノジョの携帯を手渡されて、何だかすっかり呆れている。


 まあ、私としてはカレシの気持ちのほうがよくわかる。知っていれば「あ、今井だ」「」お、ナマ今井だ」「ホンモノだ」と言ってピョンピョン跳ねることになるかもしれないが、知らない人から見れば、この世で最もうさんくさい中年男であるか、または最も平凡なオヤジが黒々としたヒゲを生やしてデカイ態度でのしのし歩き回っているだけのことである。大好きな可愛いカノジョが、何でこんな中年男を見て絶叫しているのか、サッパリ分からない。「おかしいんじゃね?」である。それでも、このカレシはなかなか知的な対応をしてくれた。最近の大学生、特に男子には妙に幼い人間が多いのだが、今日のカレシはたいへん大人っぽい態度で感心した。おお、さすが、私の授業を受けた女子は、カレシの選び方も上手である。

 

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(大成功だった山口宇部講演会。第2部、超満員の会場、前半分)


 宇部ANAホテル到着、13時。すぐに打ち合わせを済ませて、それからホテルにチェックインする。会場はホテルに隣接した「宇部興産ビル」、ホテルから外を通らずに入れる非常に便利な会場である。3月の土曜日、お日柄もいいのか、ホテルではたくさんの結婚式が予定されていて、和服のオバサン、和服のおばあさん、礼服を着込んで態度のデカくなった大勢のオジサン、そういうヒトビトがホテルロビーに渦巻いて、みんな和やかに談笑している。たいへんおめでたい光景である。


 今日の山口宇部の講演はダブルヘッダーである。1回目は15時から16時半まで、対象は高校入試を終えて2日後の合格発表を待つ中3生たち。この業界では「高校部への持ち上げ」と呼ばれているもの。出席予定者は約100人。2回目が18時半から20時、対象はこれから高3になろうとしている高2生、出席予定者180人。合計で約300人だから、大きな会場でまとめて1回で済ませようと思えば出来ないことはない。3年前の山口宇部では山口大学医学部の大教室を借りて300人規模の講演をしたことがあるのだが、今回ほどハッキリと聴衆の年齢層が分かれているとすれば、1回の講演で両者に気を遣いながら話すより、思い切って2回に分けたほうが話すほうも聞くほうも集中しやすいだろう。


 写真はダブルヘッダーの第2部である。会場に入りきらなくなる大盛況で、「公開授業」という名前がついているくせに、生徒用の机もなしという状況になった。話すほうとしてはこれ以上盛り上がるシチュエーションはない。ご父母も30人ほど同席されていたが、ついには入りきらなくなって、通路に椅子を置いて座っていただくことになった。たいへん失礼してしまったけれども、最後まで爆笑の絶えない素晴らしい90分だったと思う。まさに大成功であって、「これを大成功といわずに何が大成功か」という感じ。終了後には昨年度の生徒たちも控え室にたくさん訪れて、楽しいサイン会になった。

 

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(山口宇部講演会、最終盤で盛り上がるクマどの)


 私としては、ダブルヘッダー第1部の中3対象講演がとても新鮮で楽しかった。大学受験が始まれば、受験生のライバルたちも全国区になり、当然予備校とか塾も全国区になって、講師にも「全国で有名な大物講師」などというバカバカしいものも生まれてくる、そういうところから説き起こして、高校生なら絶対笑わないような部分で大爆笑になり、逆に高校生なら大爆笑になるところで誰一人ピクリとも動かない、そういうギャップがいかにも新鮮。ダブルヘッダーは疲労度も大きいだが、これだけ目先が大きく変われば、むしろ疲労は相殺されて、楽しいことこの上ないのである。


 終了後、近くの寿司屋「根岸」で恒例のお食事会。「まずくて高くて無愛想な店」という看板が出ていて、客が入っていくと主人がでんでん太鼓をでんでん打って歓迎するという「いかにも」という趣向の店だが、「シラウオの踊り食い」などというものまで出されて、またまた楽しい一夜が更けていく。ほんのり赤い心臓もできた体調5cmほどのシラウオが丼の水の中を50匹ほど元気に泳いでおり、それを金魚すくいの網のようなもので一度に10匹ぐらいすくってポン酢の中に投げ入れ、それを蕎麦かうどんのようにチュルチュルすすって食べるという、残酷きわまりない食べ方である。水からポン酢に中に投げ入れられて、元気だったシラウオはますます元気に(というよりは命をかけて必死に)跳ね回り、これを食べようとする人間は身体中ポン酢まみれになって、シラウオというよりむしろポン酢ばかりすすり上げ、口の中はむせ返るほどポン酢まみれになって目を白黒させるばかりである。あまり感じのいい食べ物とは思えなかったから、私は完全に遠慮しておいた。その分、大いに酒を飲ませていただいて、会話もいつも以上に弾み、すっかり気持ちよくなって、午前0時頃ホテルに帰還。朝から晩まで、最高に楽しい一日であった。