Thu 090312 大分での講演会 文武両道の生徒諸君 他予備校に研究されることへの誇り | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 090312 大分での講演会 文武両道の生徒諸君 他予備校に研究されることへの誇り

 3月10日大分での講演会も、また大成功。終了後のアンケートを見ても、「たいへん満足」が76%。「たいへん」のつかない普通の「満足」を加えれば100%になった。わざわざ自分で「感動」の欄を作って、そこにマルをつけた生徒もいた。出席者は100名強、ここもまた優秀な生徒たちが多い。春の選抜高校野球に21世紀枠で出場する大分上野丘高校は、いわゆる県内トップ高校であって、文武両道の名門であるが、講演会出席者にはここの制服が目立った。もちろん県内トップ高校の生徒だからそれが即優秀ということになる訳ではない。私自身かつては県内トップ高校の生徒だった訳だが、怠惰と怠慢と鼻の病気と虫歯を放置したせい(これは関係ないか)で、成績はすこぶる振るわなかった。中3までは県内5位以下に落ちたことがなくても、高校で怠ければ没落はあっという間。しかし、今日の講演会出席者には、そういうダメそうな表情の子は見当たらなかった。


 驚いたのは彼らや彼女たちの高校の時間割である。講演終了後のサイン会で、「高校の生徒手帳にサインしてください」と言ってきた女子の生徒がいて、そこで偶然見てしまったのだが、月曜日から金曜日まで全部1日8時間だか9時間だか、ビッシリ授業が入っている。朝8時から、夕方17時過ぎまで、とにかく全部授業である。「ありゃりゃ、これじゃ塾や予備校に通うどころか、部活だってマトモに出来ないんじゃないの?」と思ったが、21世紀枠ではあっても、この高校は立派に甲子園にも出場する。大分のニュースで見たが、ピッチャーはサイドハンドの好投手で、右横手からキレのいい速球を投げる。表情も、いかにも賢そう。よほど集中して短時間で成果を上げているのだろうと思う。生徒手帳の持ち主に「この時間割で1日中高校にいて、それで予備校にも通うのはつらくないですか?」と質問したら、平然として「結構、楽しいです」「つらいということはありません」と答える。うひょ、立派である。大分上野丘ばかりではない。同じ21世紀枠で甲子園に出てくる彦根東高校も真の文武両道。新聞によれば、彦根東のエースピッチャーも、部活が終わってから夜9時に塾に駆けつけるらしい。彼が我々の生徒であれば、私なんかは嬉しいことこの上ない。

 

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(大分での講演会、開始直後)


 今日の講演は「Cタイプ」。A・B・C・Dと私の講演タイプは4つあり、主催する側に選んでもらって、直前のミーティングでどのタイプかを伝えてもらうことにしている。Cタイプは、センター試験レベルの問題で実際に授業をする部分をたくさん入れたもので、成績優秀な生徒が多い場合には特にこのタイプをオススメにしている。和歌山もCを使った。12日の岐阜でもCを使う。AとBは「どうも成績が全然上がらなくて、やる気も失せてきた」という受講生が多い場合と、低学年の出席者が多い場合に使用。Dは「優秀者ばかり、苦労している生徒なんか一人もいません」という場合に限って使用。一昨年から、さすがにDを使いますと言ってきた校舎は一つもない。大分は、まさにCがベストだった。


 終了後、主催していただいた塾長先生とお食事会。おそらく30歳前後と思われる元気な若手の先生も加わって、寿司屋に入る。関サバに関アジに豊後水道のタイに、ここもまた無口な職人さんが驚くほど大量の刺身を切ってくれる。その刺身を次から次へと平らげつつ、塾長先生といろいろ話し合ったのだが、この業界について驚くほど詳細に研究されている先生であり、お話はたいへん面白い。


 私の代ゼミ時代のことも、よおっくご存知。おお、そこまで研究されながら代ゼミで頑張っていたのか、そりゃ自分自身たいへんだったはずだ、と思う反面、研究されていたことが誇らしくもある。他の予備校に注目もされず、研究もされずに、ひっそり生きていく程度なら、予備校の講師なんかしていてもつまらないだろう。特に私はカメレオンのように適応能力が高いから、クラスやレベルによって、地域によってさえ、巧みに授業スタイルを変えて臨機応変に授業を進める。商売ガタキから見て、攻撃するのに苦労するタイプである。自分でもそういう自負をもってやっているが、それを他の人に認めてもらえば、大いに気持ちがいい。気持ちがよくて、寿司も旨くて、調子に乗って茶碗蒸しで口を少しヤケドしたが、まあそれはそれだけのことである。


 ただし、刺身を食べ過ぎたかもしれない。最後には胃袋も十二指腸もみんなナマ魚になって、寿司屋から宿泊先の大分ANAホテルまで、話の続きをしながら10分ほどゆっくり歩いて帰ったけれども、吐く息もお魚臭い。お魚臭さは翌朝まで続いて、いま全身を流れる血液が、ほとんどすべて生魚を栄養にして出来ているのを実感。おお、これこそまさに日本人である。

 

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(大分での講演会、開始60分過ぎ)



(「原稿」部分省略)