Thu 090226 参考書が進まない 焼酎の君のこと 窮余の一策 none the 比較級 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 090226 参考書が進まない 焼酎の君のこと 窮余の一策 none the 比較級

 3月半ばまでに、文法参考書の原稿を完成させて提出しなければならないのだが、こういう時に限って、全国で講演会が集中して、執筆はいつも以上に遅々として進まなくなる。これから熊本と小倉に出かけなければならない。熊本に行けば、もちろん馬刺と芥子蓮根が待っていて「おーい、クマどん、久しぶり」と言いながら、こっちに向かって手を振るだろう。そうやって親しげに手を振ってくれるものを、旧知の間柄なのにまさか無視することも出来ないから、「やあ、ごぶさた」とでも愛想をふりまき、握手ぐらいはすることになる。すると馬刺クンと芥子蓮根クンの陰に、何だかいい香りのする人物がもう1人隠れている。その方を盗み見すると、馬刺クンが頭を掻きながら「今日は、もう1人連れてきたから、紹介するよ。原稿を書く仕事があるなら、迷惑だろうから連れて来なかったんだが」と言う。見ると、おお、焼酎の君である。この人物は、芋・米・麦・ゴマその他の多彩な芸を持ち、お湯割りだのロックだの、人を迷わすさまざまな衣装を自在に着こなすので、マジメ一方のクマさんなどは、気がつく前にもう仕事も何もかも放り出して、焼酎の君のトリコになることは目に見えている。

 

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(出現1 焼酎の君の寓意)


 別に日本酒殿でもウィスキー閣下でもウォッカ大臣でも「イタリアだから赤白グラスが並んでいて」の「ワインもうろう大臣」でもいいのだが、「郷に入れば郷に従え」であって、熊本では焼酎、ドイツでは白ワイン、新潟や秋田では日本酒、ロンドンでは全く泡を立てないで注がれたビール。そんなのは、電車でおじいちゃんやおばあちゃんやexpected mothersに席を譲るのと同じぐらいの当たり前。馬刺クンや芥子蓮根クンがせっかく連れてきてくれた焼酎の君を追い返して「原稿の仕事がありますから」などと発言するのを、昔の言葉で「朴念仁(ぼくねんじん)」と呼んだ。


 そこで、万策尽きて昨日思いついたのが「ブログで参考書書いちゃおう」という窮余の一策である。すでにこのブログからは著書が一冊誕生している。毎日3000人もの人からのアクセスがあって、既に20万アクセスに迫る勢い。全国どこに出かけても「ブログ、読んでます」と声がかかるほどに成長した。思い起こせば昨年6月、開設当初のアクセス数は「1日10件」。そのアクセスも、アップした後で誤字脱字を発見して、訂正のために自分でアクセスした回数が毎日2~3件あった訳だから、うにゃ、他の人が読んでくれたのは1日一ケタ代。「あの頃が懐かしい」というか「あの日に帰りたい」という気もするが、とにかく「読んでますよ」とそこいら中で声をかけられれば、それが励みになってどうしても続けてしまう。何だか、余計な責任感みたいなものまで生まれてきて、しばらく更新を怠けていると、寒い朝でも「ああ、書かなきゃ」と考えて、「ブログを書くためにベッドからモソモソ起き上がる」ことも少なくない。

 

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(出現2 焼酎の君の寓意)


 まさに、今私が参考書執筆に対してもたなければならない責任感がこれである。一般的なブログがどういうものかも最近よくわかってきて、写真2~3枚に一言二言添えればそれで十分「ブログ更新」になるらしいのだが、私のブログは完全に異質なものとしてここまで続けてきたのである。ならば、3月20日ぐらいまで、みなさまには目をつぶっていただいて、「身辺雑記+参考書原稿」で行けば、馬刺クンや焼酎の君とも付き合いを保ちながら、それでもちゃんと設定した締め切りに原稿を間に合わせられるのではないか。ま、そういう緊急避難を、昨日から実行に移したのである。これから3月20日まで、20カ所ほどの講演があるが、そこで顔を合わせる読者の皆様にも「ブログ読んでます」といっしょに「参考書、頑張ってください」の一声をかけていただければ幸いである。


 なお、これはあくまでも「原稿」。これに板書を中心とするたくさんのビジュアルを加えて、初めて本の形が完成する。出版の目標は7月初旬である。

 

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(出現3 焼酎の君の寓意)


           

(「原稿」部分省略)