Sat 090214 大阪空港から宮崎へ 2月11日宮崎講演会の大成功 シェラトン・グランデの夜 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 090214 大阪空港から宮崎へ 2月11日宮崎講演会の大成功 シェラトン・グランデの夜

 2月11日、前の晩の悲劇のことはとりあえず忘れて、伊丹空港に向かう。「千里阪急ホテル」から大阪モノレールの千里中央駅まで徒歩10分弱、モノレールで空港まで10分強。この便利さで千里阪急ホテルを選択したのであるが、前夜の悲劇を引きずりながら見知らぬ早朝の街をトボトボ歩くのはイヤである。イヤというより、今日午前の講演会での自分のモチベーションが下がってしまう可能性が高い。私はこれから宮崎の高校生たちのモチベーションを上げるのが目的で講演をやるのであって、前夜のホテルでの悲劇や、早朝のトボトボ歩きや、晩飯抜きの空きっ腹のせいで、話す人間がやる気をなくしていたのでは話にならない。少しでも元気を出そうと、ホテル前からタクシーに乗って空港に向かう。空港まで15分、2340円もかかった。実際には「伊丹空港至近」でも何でもないのだ。


 こんなことなら、梅田周辺のもう少しマトモなホテルを選べばよかった。大阪豊中・宮崎・大阪茨木・横浜の4連続講演なのだから、梅田に3連泊して、今日の宮崎を大阪から往復の日帰りにすれば、「予想の5倍重い鞄」に詰め込み放題に詰め込んだ中身を引きずり出すのも1度で済んだはず。宮崎-大阪往復の飛行機にパソコンを持ち込んで面倒なセキュリティチェックを受ける必要もなかったはず。おお、溜め息である。何より「すべて揃った一流ホテルです」という錯覚を起こさせるホテルのホームページが問題だと思う。「あれもありません、これもありません、何にもありません、それでもよかったら、試しに泊まってみてください」と正直に言ってくれないと、こうやって勘違いで宿泊してイヤな思いをする客が、これからもたくさん発生する。

 

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(2月11日午前、宮崎講演会。開始30分後、熱が入ってきたあたり)


 宮崎に日帰りでゴルフに出かける「いかにも関西のオッサン」という5人組が搭乗してきて、飛行機の中も大いに賑やか。私はと言えば、伊丹空港での時間が足りなくて、結局「朝飯を豪華に食べて取り返す」という昨夜のリベンジ計画も挫折。空きっ腹はますます空きっ腹になり、その空きっ腹には、「そろって赤黒く日焼けした顔」に「そろって角刈り」の関西オッサン連合のデカイ話し声がキツい。飛行機に乗るのがとても嬉しいらしくて、ベルト着用サインが消えた瞬間から盛んに立ち歩いてハシャイでいる。代わる代わる窓際の席に座って、「めっちゃ船が見えるで」「あんまり下向いてたら、めっちゃ飛行機に酔ってまうで」「見てみい、淡路島や」「アホ抜かせ、あれは四国や」「めっちゃうるさいで、淡路島かて四国かて、同じこっちゃろ」「どうせ、めっちゃ田舎や」「そうや」「そうや」「めっちゃそうや」と大騒ぎである。
 

 そうかと思えばCA相手にセクハラぎりぎりの発言と行動を連発。CAのチーフに軽く注意されると、「ワイは何にもしてへんで」「ワイは何にも言ってへんで」「そういう言い方は、ワイに対してめっちゃ失礼やないか」という感じで、今度は「ワイ」「ワイ」「ワイ」である。一人称「ワイ」を真顔で使用する人々に会うのは初めてだったから、たいへん興味深く事態の進展を見守ったが、これは私にとって危険なサインである。こういう状況を見て黙っていられない正義感が強すぎる傾向は相変わらず抜けていなくて、昨年の11月から思う所あって正義感の噴出を出来る限り抑制しているのだが、昨晩からの気持ちの推移を考えれば、「これ以上黙っていられない」という感覚がメラメラと燃え上がってくるのも仕方ないだろう。特に「セクハラまがい」「この程度は許されるやろ」「そうカタいこと言わんでも、大目に見といて」みたいなのは、どうしても許しがたい。傍に止めてくれる人間が付き添っていれば、事前に察知して「ヤメておけ」「放っておけ」「お前(あなた)がやる必要性はない」「この後の自分の仕事を第1に考えろ」みたいに言ってくれるのであるが、今は完全に一人であって、しかも私の席は彼らの真後ろなのである。


 まあ、こう書くと「危機一髪」に見えないこともないが、さすがにそこは完全に安心していい。5人相手に何か始まったら、周囲に迷惑がかかりかねないことぐらいはしっかり解っていて、それを忘れるほどのバカではない。まして飛行機の中で大立ち回りなんかして、自分が損したり通報されたりするようなことは、絶対にしない。「得になることしかしない」というのは何よりも大切にしている人生訓というよりDNAであって、どんなにカッカしてもそこが崩れることはない。

 

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(宮崎講演会 逆サイドより)


 午前9時、宮崎に無事到着。風は少し強いが、晴れて暖かい。2月中旬の午前9時とはとても思えない。ポピーの花が風に揺れ、風がおさまった一瞬に肩や背中に感じる日差しは、春というより、すでに初夏のものである。東進スタッフのクルマに乗せてもらって、10時前には講演会場に到着。講演会場は「宮崎日日新聞ホール」、略して「宮日ホール」である。講師の控え室はないが、受講生に見つかって大騒ぎになる可能性のない2階のコーヒーショプで1時間ほど、スタッフと打ち合わせをしながらのんびり講演開始を待つことが出来た。


 講演開始午前11時、終了12時45分。出席者120名弱。高校生諸君以外に、ご父兄の皆さんもたくさん参加され、大きく頷きながら盛んにメモをとっていらっしゃる方も少なくなかった。国民の祝日で学校は休み。こういう日の午前中に講演会を開催すれば、遅刻者が多かったり、突然キャンセルしてきたり、連絡もなしに自主的に欠席したり、いろいろ好ましくないことが発生するのであるが、今日の宮崎はそういうことは一切なし。午前中なのに、眠そうな顔をするヤツも皆無、アクビする受講生も皆無、「風邪薬を飲み過ぎた」と言い訳しながら激しく酔っ払っている大臣もいない。爆笑の続く中、おおいに気持ちよく、楽しい2時間を過ごさせていただいた。スタッフの皆さんと、受講してくださった皆さんに深く感謝する。

 

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(シェラトン・グランデ・オーシャンリゾートからの眺め。カーテンが映っているのが、さすが写真下手である)

 終了後、14時近く宿泊先にチェックインする。シェラトン・グランデ・オーシャン・リゾートなんとかであるが、長過ぎてホテル名を記憶する気にならない。要するに昔「シーガイア」と呼ばれた大型リゾードの中核ホテルである。プロ野球やプロサッカーの春合宿の拠点でもあって、私が宿泊した日も、ソフトバンクホークスと横浜Fマリノスが宿泊していたし、ほんの4~5日遅かったら、WBC日本代表候補の選手たちも訪れて、たいへんな騒ぎに巻き込まれる所であった。というか、出来ればイチローだの松坂だのダルビッシュだの原監督だの、そういう日本のヒーローたちと同じ建物の中で過ごしてみたかったのであるが、そんなワガママを言っていても何にもならない。ただただ窓からの眺めに感動し、大きな部屋に感動し、睡魔も忘れて写真を撮りまくり、大阪から宮崎まで運搬してきたPCその他「予想の5倍重い鞄」は、18時まで4時間ほど原稿執筆に努力したことを除けば、この夜その威力を発揮することはなかった。

 

 その分、その夜の夕食は、昨夜の「千里阪急ホテル」のリベンジを十分に果たすことが出来たように思う。有名な宮崎牛を中心に「もうこれ以上入りません」というほどご馳走になり、小料理屋の暖かな雰囲気もなかなかで、ついつい2次会に発展し、2次会では何だか知らないが火がついたようにカラオケを歌い、気がつくと30曲近く歌いまくってヘロヘロ。ヘロヘロになっても記者会見で溜め息ばかりついたり人の水を飲もうとしたり居眠りしたりするような、だらしないことは決してしないから(風邪薬を飲んでいなかったせいだろうが)、歌は歌でキチンと歌い上げ、キチンとホテルに戻って、原稿の仕事はキチンとキッパリと怠けることにして、キチンと眠りについた。

1E(Cd) Rattle & Bournmouth:MAHLER/SYMPHONY No.10
2E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO 1/2
3E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO 2/2
4E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 1/2
5E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 2/2
6E(Cd) Alban Berg:SCHUBERT/STRING QUARTETS 12 & 15
7E(Cd) Richter & Borodin Quartet:SCHUBERT/”TROUT” “WANDERER”
total m67 y268 d2506