Tue 090106 久しぶりで床屋に行く 使用前 丸刈りのきっかけ 寝癖処理 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 090106 久しぶりで床屋に行く 使用前 丸刈りのきっかけ 寝癖処理

 久しぶりで床屋にいくことにして、まず事前に写真を撮り、それを行った後と比較してみる。使用前&使用後の比較みたいなものである。最後に床屋に行ったのは11月20日頃だから、約50日が経過している。おお、50日も放置すると、写真ではよくわからないが、それなりにボウボウで、よく言えばクマの野性味が増している。丸刈りの頭にかえたのは、1999年3月13日である。だから、もうほぼ10年、この髪型でいることになる。さすがにもう若くはないから、白髪が3本、4本と見つかるようになってきた。先に白髪を見つけたのはヒゲのほうで、アゴの下に4本、5本、夢のように真っ白で夢のように太いヒゲがある。他の黒いヒゲよりも遥かに太くて元気なのだが、色素だけが見事に抜けて白というより銀色に近いのである。自分で言うのもなんだが、正直言ってなかなか美しい。抜くと激しい痛みがあるから、ハサミで切って手に乗せてみると、余りの美しさに捨てるのが惜しくなる(もちろん冗談)。

 

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(使用前)


 丸刈りにしたのには、別に何か原因があったわけではないが、何となく皆を驚かしてやりたかったのと、丸刈りならさぞかしラクだろうと考えたのがきっかけだった。早春の風が丸刈りにしみて冷たかったが、確かにみんな大いに驚いてくれた。初めて披露したのが代ゼミ津田沼校である。8年に及んだ代ゼミ時代に、津田沼校に足を踏み入れたのはあの時を含めて2回しかないが、津田沼の局長が「あっ」と言って絶句したのを今でもよく記憶している。滅多に出かけることのない郊外の校舎で、しかも春期講習だったから、生徒の数もたった50名ほど。その50名も新学年に変わって顔見知りもほとんどゼロ、生徒からの驚きの声はなくて、ちょっと寂しかった。


 しかしその後代々木に行き、当時の教務本部長W氏がやはり「ああっ」と絶句し、さらに代々木校には顔見知りの浪人生たちが「今年もまたよろしく」(つまり彼らは2浪目、あるいは3浪目に突入したというワケだったのだが)という神妙な顔で待っていたから、彼らの絶叫と、一瞬置いてからの大拍手は、噴き出しそうなほど嬉しかった。その帰りにどこかの百貨店でエレベーターに乗ったら、若いママが小さな男の子を身体の後ろに隠しながら、囁くような声で「ダメよ」と言うのが聞こえた。まあ、その筋の人間と誤解したのかも知れないが、この頭で、紺のスーツを着込み、膝まである長い紺のコートを着て、黒い医者カバンを提げた姿は、確かに鏡に映してみても「その筋の人間」に見えないこともなかった。

 

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(夜のナデシコ 1)


 そうやってそこいら中の人々を驚かして歩けば楽しいだろう、そう考えて丸刈りにした部分も大きかったが、「丸刈りにしたら、きっとラクだろう」と考えたのも丸刈りの一つの理由だった。生まれつき頭の毛のやわらかい方で、しかも天然パーマだから、長く伸ばしているといろいろ面倒が発生するのである。まず、寝癖がつきやすい。朝起きれば必ず激しい寝癖になっていて、鉄腕アトムみたいに2~3箇所太いカタマリになってトンガっていることもあれば、左側が絶壁になったり、右側が絶壁になったり、真ん中がチョココロネみたいにグルグル渦巻きながら立ち上がっていたり、要するにもうどうにも処置のしようがない。寝癖直しなどというナンパな小道具の太刀打ちできるようなヤワな寝癖ではないのだ。


 ついでに言うと、やわらかい髪の質で寝癖がつくと、何だかすごく毛髪が薄くなったように見える。つむじのあたりが寝癖の中心部分になった場合に特にその傾向があって、つむじの周囲が「うりゃあ、急にハゲッちゃった」「ありゃりゃあ!?」みたいな衝撃を感じる。もしも50歳を過ぎて禿げるのだったら、むしろ「男盛り」というか「仕事盛り」というか、すごくカッコいいと思うのだが、当時の私の年齢で「こんなに薄くなっちゃった」というのは衝撃が大きすぎる。もちろん寝癖のせいでそう見えただけではあっても、「そんな慰め方は、返ってイヤだ」と弱い自分を振り払うような強がりもあり、合わせ鏡をあっちにやったりこっちにやったり、マンガやバラエティでよくあるシーンの主人公になって、ムダな時間を過ごすハメになる。


 仕方なく、結局「朝シャン」ということになる。しかし、乱暴なデカいクマのようなヤツが「朝シャン」みたいな中途半端なことをすれば、お湯を非常識にバシャバシャやって洗面所は水びたし、肉体も全身ずぶぬれ、着ていたものは洗濯物以上にグショグショになるから、むしろ風呂に入るかちゃんとシャワーを浴びた方がマシということになる。今でも私は朝一番にまず風呂に1時間もつかる習慣だが、この習慣はあの当時身についたものだ。

 

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(夜のナデシコ 2)


 ついでに言えば、朝シャンというものは、頭の毛が薄くなったのではないかと悩んでいる男子にとってあまり気持ちのいいものではない。白い陶器の洗面台に、抜けた毛がこびりついている様子は、黙ってみていられるようなシロモノではない。思わず目を皿のようにして1本1本かき集め、「今日はこんなに抜けた」「昨日だってあんなに抜けた」とクヨクヨ思い悩み、朝の大切な時間に心にまで暗い影を落としかねない。朝の明るい光と美しい白い陶器がいけないのだろうが、抜け毛が目立ちすぎるのだ。下手をすれば、会社や学校に着くまで抜け毛の悩みに夢中になり、「帰りにコンビニでサクセスを買って帰ろう」という固い決意がその朝の結論、という寂しい結果になりかねないのだ。


 白髪と同じように、ここまで年齢を重ねてくると、むしろ「最近少し薄くなったかな」というのも、それほどイヤな感じがしないから不思議である。諦めというのではなくて、そろそろ「あんまり黒々と脂ぎった感じより、少し疲れた感じや少し年を取った感じの方が似合うかもしれないな」と思うようになる。まだ若い諸君で、いろいろ気になっている場合は、まああと10年ぐらいは気にするのをやめる努力をしたまえ。10年もすれば、「むしろ疲れた感じの外見も悪くない」と思えるようになる。


 ありゃりゃ、いつの間にかA4で2枚書いてしまった。たかが「丸刈り」の話で、書きすぎである。今年は書き過ぎないように気をつけなければならない、それが新年の誓いのはずだったのに、早くも逸脱しかけている。「読みごたえがある」などとお世辞を言われていい気になって、人が読み切れないほど書きまくったのが昨年の反省。書きすぎて読む人がゲッソリウンザリするようでは、ブログ失格である。もうこのあたりで切り上げて、続きは明日にすることにしよう。

1E(Cd) Casals:BACH/6 SUITEN FÜR VIOLONCELLO 1/2
2E(Cd) Casals:BACH/6 SUITEN FÜR VIOLONCELLO 2/2
3E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 1/6
4E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 2/6
5E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 3/6
6E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 4/6
7E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 5/6
8E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 6/6
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