Sun 081109 マドリードからの帰還 ルフトハンザとスターアライアンスについて(その1) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 081109 マドリードからの帰還 ルフトハンザとスターアライアンスについて(その1)

 これを書いているのは11月16日早朝である。ちょうど1週間遅れの記述になってしまった。10日ほどマドリードに滞在して、昨夜21時に帰ってきた。予定では昨日午前9時に成田に到着するはずだったのだが、飛行機の乗り継ぎがうまく行かず、フランクフルトの空港でたいへんな苦労を味わい、予定より半日遅れての帰京になった。昨日の午後からまとめてどんどんブログ記事を更新する約束をしていたのに、それが今日早朝からになってしまったのは、そのせいである。ま、海外から帰って、そのまま一睡もしないで、まず6回分更新を済ませたことで、半日の遅れは勘弁していただきたい。何しろフランクフルトでのドタバタで疲れきってしまい、6回分の更新だけでももう十分にクタクタなのである。


 とりあえず、どんなドタバタだったかだけでも書いておきたい。今回のルフトハンザ航空と「スターアライアンス」なるものの仕打ちについて、どうしても納得がいかないのだ。予約していたルフトハンザ機に置いてきぼりを食ったのは、私だけではない。ツアーと思われる団体を含む日本人おそらく50名ほどが、フランクフルトで呆然と立ち尽くしたのだ。もちろん、今回のマドリード紀行については近い将来いつものように長々と旅行記を書くけれども、旅行の最後に待っていたこの不愉快な事件については旅行記の中に入れたくない。先にここに書いて、これ以上は触れないことにする。


 まず、感情をできるだけ排除して、事実だけを記録していく。11月14日朝7時前にマドリード・バラハス空港に到着。9月末に予約したフランクフルト乗り継ぎ成田行きにチェックインする。予約したのはルフトハンザのホームページ。フランクフルトからはルフトハンザだが、マドリードからフランクフルトまでは「コードシェア」の共同運航で、スペインのスパンエアーによる運航になるとのことだった。スパンエアーとルフトハンザは、ANAも加盟している「スターアライアンスメンバー」だから、ホームページ上ではほとんど同一の航空会社であるかのように数回のクリックで予約ができる。

 

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(スペインのネコたち1・トレド駅前の黒猫)


 マドリード9時5分発予定で、8時半すぎからゲートには50人ほどの人が並んだ。ボーディングパスには搭乗開始予定時間8時35分と印字され、乗客は当然それを信頼していた。9時すぎ、アナウンスがあって「フランクフルト濃霧のため空港がクローズ中。20分後に状況が分かるから、20分後にもう1度アナウンスする」とのこと。乗客はベンチに戻り、アナウンスを待った。
 

 予定のアナウンスがないまま、10時を経過。10時過ぎ、突然搭乗開始。フランクフルト空港がオープンしたから飛ぶ、とのこと。もとの予定ではフランクフルト到着11時45分、乗り継ぎのルフトハンザは13時40分発。約2時間の乗り継ぎ時間があり、しかもルフトハンザのホームページで指定された乗り継ぎ便であるから、当然乗り継ぎ可能と思っていた。しかし、この段階で1時間の遅れ。乗り継ぎ時間は1時間しかない。しかも濃霧でクローズされていた空港がたとえ動き始めたとしても、滑走路混雑などで遅れはますます拡大することが予想された。乗り継ぎ客は、他にメキシコに向かう者、サンフランシスコに向かう者など、相当数が存在して、機内は飛行中も緊張した雰囲気に満たされた。
 

 飛行2時間半余りでフランクフルト上空にさしかかると、確かに濃霧で滑走路が見えないほどである。空港は大混雑らしく、上空で何度も旋回して順番を待つ。順番待ちに時間がかかって、最終的な着陸は13時10分。私が乗り継ぐ東京便が、もし定刻で出発するとすれば、残り30分である。パスポートコントロールや厳重なセキュリティーチェックを考えれば、この段階で乗り継ぎは非常にタイト。しかしこれだけの濃霧と混雑なら東京便の出発も当然遅れるはずで、その分も見込めば、まだ十分可能と思われた。
 

 スパンエアー機は、着陸後もフランクフルト空港内を延々と走り回って、駐機場到着13時20分。旅客ターミナルではなくて、乗客は駐機場からバスでターミナルまで移動させられる。タラップを降りると、「サンフランシスコ乗り継ぎのお客様専用」のバスが待っていて、サンフランシスコ行きは非常に差し迫った状況らしい。聞いてみると、その他の客はとにかく全員バスに普通に乗ってターミナルへ行け、とのこと。ならば東京行きはごく普通に乗り継ぎ可能、ということになる。

 

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(スペインのネコたち2・トレド駅前の黒猫)


 バス2台は、のんびりと走って乗客をターミナルに運ぶ。これに5分。定刻まで残り15分ほどしか残っていない。ターミナルに入ってすぐにテレビ画面の表示を確かめると、飛行機の出発は軒並み2時間近い遅れになっている。サンフランシスコ便のような特別の乗り継ぎバスもなかったわけだし、「東京行きのお客様」というプラカードを掲げたグラウンドスタッフの殺気立った姿もない。どうやら東京便も遅れるのだ、助かった、と思ったその瞬間、ほとんど全て「出発遅れ」の表示になっている表示板でたった1つ、まさにポッカリとエアポケットが空いたような状況で、東京行きのみ13時40分on timeでの出発になっている。
 

 しかし、それでもまだ10分ほど残っている。出発はゲートC15だから、とにかくそこまで走るしかないだろう。ところが、そのゲートC15は、バスが到着したところからみると、まさに空港の反対側である。広大なフランクフルト空港ビルそのものを完全に横切った向こう側まで、10分で走らなければならない。それでも何とか頑張って、パスポートコントロールまで走って、残り5分。長い列が出来ていて、いったんは完全に絶望したが、よく見ると並んでいるのは日本人ばかりである。一番近くにいた男性にボーディングパスを見せてもらうと、私のものと同じルフトハンザ機。「遅れているんですか」と聞くと、遅れているとの答え。これで今度は完全に胸を撫で下ろした。表示が出ていなかっただけで、実はやっぱり他機と同じように遅れていたのだ。それなら大丈夫である。他の日本人客と競うように早足でゲート15に急ぎ、ゲート15の余りの遠さに溜め息をつき、それでも何とかたどり着いた。
 

 まだ厳重なセキュリティーチェックが待っている。日本のものとは次元が違う。パソコンを出し、ベルトを外し、靴を脱ぎ、それでもほとんどの人が金属探知に引っかかり、ボディーチェックを受け、要するに好き放題に小突き回される。ここで10分が経過。時計は13時50分を過ぎている。しかしまあ遅れているのだ、大丈夫だろう、と考えて、ついに最終的な乗り場の入り口まできた。安堵とともにボーディングパスを手渡すと、何か反応が違う。
 

 「あなたの飛行機はもうでてしまった」と言うのである。遅れているんじゃないのか、と聞くと「大阪便は遅れ。名古屋便も遅れ。しかし、東京便だけは時間通りに出発した」という答え。「どうすればいいのか」というと「これからいったんここを出て、1階のルフトハンザ・チケットカウンターに行き、そこで事情を話して代替便を紹介してもらうしかない」という。この時点で、乗り遅れた日本人客7~8人と出会った。例外なく狐につままれたような顔で、まだ状況が信じられない。ほとんどすべての出発便が遅れている中で、なぜ東京便だけがon timeなのか、説明を聞いても何にもならないが、その説明も全くなしである。チケットカウンターに向かう途中で、同じような日本人を多数見かけた。ツアーで来たらしい中高年の集団は、ヒトカタマリになって不安げに周囲を見回すばかりだった。
(ここまで書いて、長くなってさすがに疲労の極である。続きは明日書くことにする)