Wed 081022 確認テストのない予備校に行くな 授業冒頭でトピックを示すこと | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 081022 確認テストのない予備校に行くな 授業冒頭でトピックを示すこと

 昨日は勝ちグセの重要性について述べたけれども、「勝つのが当たり前」「さて、今日もまた勝ちにいくか」という気持ちを高めてくれるのが、学校や予備校で毎回の授業の最後に実施する「確認テスト」「理解度診断テスト」の類いである。その日の授業内容について、授業後すぐに実施するテストなら、勝ちグセをつけるのにこれほど格好のものはないだろう。いい予備校か悪い予備校か、それを判断する尺度は建物が綺麗かとか、自習室の設備が整っているかとか、テキストの表紙のデザインとか、駅にポスターがたくさん貼ってあるかどうかとか、そういう枝葉末節のことではなくて、「授業内容の確認テストがキチンとしているかどうか」であるべきだ。
 

 「いい先生か悪い先生か」も、授業後にそういう小テストを実施しているかどうかでわかる。予備校講師は人気商売でもあるから、少しでも生徒が「ウザイ」「メンドイ」と言い出すようなことは、人気取りに汲々としているような講師はしたがらないものだ。だから、授業が終われば「それで終わり」であって、すぐに生徒を帰らせてしまう。「よく復習しておけよ」とニッコリ一言かければ、生徒が復習するものと思っているのかもしれないが、それは生徒を買いかぶっているというものである。生徒たちをさっさと帰らせた後は、仲のいい取り巻きの生徒たちと夜が更けるまで雑談(それをキャッチボールと呼んだりする)に興じる。それでは生徒の成績は上がらないのである。

 

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(ちょっと待った。)


 優れた先生ほど確認テストを大切にし、毎回の理解度診断テストを丁寧に作成して、授業に臨むものである。英語教師の予習は「読解問題の構文をとって、訳文を書いて、設問の解き方をどう教えるか考える」で終わってはいけないのだ。むしろ、授業の準備のほとんどが確認テストの作成に費やすことさえあるのが、いい教師である。
 

 そういう準備を通じて、「授業で教えたい要点はこれとこれとこれとこれの合計4つ。だから確認テストではその4点を中心に作成し、周辺知識としてあれとあれを出題しよう」と決めていくのが、教師の予習のあるべき姿である。だからこそ、いい先生は授業の冒頭で「今日のポイントは、5つ。1つめは … 2つめは … 3つめは … 」というふうに板書してくれたりするのだ。メリハリの利いた授業というものは、こうして作られるのであり、こういう授業を受けられる生徒は幸福である。授業の山がハッキリしていれば、睡魔に襲われることも少ない。人間というものは、今自分がどこで何をしているのか把握できない時に、精神が弛緩して睡魔の餌食になるものだからである。

 

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(アクビの瞬間)


 これは、中学受験でも高校受験でも大学受験でも同じことであるが、出来れば大学教授にもそういう講義を心がけていただきたい。むかしむかし優秀な学生でいらっしゃった教授の皆様は、講義の冒頭でポイントなどをハッキリ示さなくても講義の山場を嗅ぎ分けることが出来ただろうが、今の普通の学生は違うのだ。教授の皆様が嘆いておられる「学力低下」に対処するには、せめて講義の冒頭で「今日のトピックは、3つ。その3つとは … その3つの関連は … 」と板書その他の手段で示すようにしていただきたいものである。
 

 話を受験に戻せば、「確認テスト」に該当するテストもせずに生徒を帰らせてしまうような塾や予備校はハッキリ言って言語道断であり、確認テストさえ作らない教師は教師失格である。生徒について言っても、確認テストを受けずに帰ってしまうような生徒の成績が上昇することは滅多にないし、確認テストがあるかないかも調べずに、建物や自習室やテキストやポスターが綺麗かどうかで塾を選ぶのは、自殺行為に等しい。教師をルックスで選ぶなどというのは、まだなかなか可愛らしいほうなのだ。

 

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(ナデシコとウサロワ)


 生徒は、家に帰れば復習などしないのが普通である。当てられて叱られたり恥をかくのはイヤだし、周囲の生徒に笑われるのはコワいから、成長すればするほど学習は「予習中心」になってしまう。予習については近い将来述べるけれども、とにかく復習というものは、「もう何の恐怖感もない」という理由でないがしろになるのが普通である。しかし、成績を押し上げるための最も効率のいい学習は復習である。最上位層は別として、もし復習がなかったらちゃんとした成績向上は望めないのだ。
 

 授業後30分、すぐには帰らずに、教室か自習室に残って復習に集中するのが一番いい。予備校から帰る前に復習を終えてしまうのである。「30分」と決めるのは、復習に集中するためである。時間無制限の復習は、無駄が多くなる。蛍光ペンや色ペンをたくさん使ってノートをキレイに書き直したりするのは、完全に無駄な時間つぶしの作業であって、こういう作業が多ければ多いほど復習効率は低下する。英語の読解だったら、いま習ったばかりの英文を夢中で5回でも10回でも音読するだけでもいい。

 

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(ナデシコの懸命な睡眠)


 確認テストは、復習が終わってから受けられるようなシステムになっていると最高である。復習の仕上げに、いかにも確認テストで出そうなところ、つまり講師が「これは出ますよ」のような発言をしたところをキチンと見直して、しっかり記憶する。そうやって30分が経過したら、確認テストに取り組む。そういう確認テストの受け方なら、おそらく満点近い得点がとれるだろうし、それが「勝ちグセ」をつけてくれるだろうし、授業内容を定着させてくれるだろう。
 

 せっかく予備校にお金を払うなら、こういう予備校を選ぶべきだ。帰りは少し遅くなっても、復習も終了し、確認テストにも合格し、今日のところはよくわかった、ああよかったと思いながら、こぐ自転車は気持ちいいだろう。ダラダラ教師と雑談に興じたり、ダラしない友人たちと講師の悪口をいいながら駅への道をデレデレ歩いていく姿は、正直言ってもう時代遅れである。教育効果を比較すれば、2倍も3倍も、いやそれ以上の差があるはずだ。
 

 こういうことは、何も受験に限ったことではない。料理でも、語学学習でも、会社での仕事でも、部活でも、とにかくたったいま夢中でやったことを最後にまとめ反省しておくことをしなければ、どんなことでもなかなか向上は見込めないはずである。

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