Fri 080725 東進夏期合宿最終日 閉講式 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 080725 東進夏期合宿最終日 閉講式

 東進・夏期河口湖合宿の最終日は、徹夜明けの生徒たちが修了判定テストを受験することから始まる。2年前までの修了判定テストは、ここまで受け続けた「確認テスト」「まとめテスト」の集大成で、同じ問題がたくさん出題されていたために、満点が続出した。

 私のHクラスは、90名中26名が満点、平均点185点(200点満点)などという、それこそ驚異的な結果が出たりしたものだ。しかし、ここまで高得点になってしまうと、返って感動が薄れてしまうというか、「テストそのものが簡単すぎるのではないか」という疑念も生徒の中に生まれてしまい、逆効果になりかねない。

 昨年からは実力テスト的な出題も増やして、できるかぎり満点が出ないように配慮。特に長文読解問題は生徒たちが初めて体験するレベルの高いもので、これ1問が含まれているかぎり満点が出ることは考えられない。

 その分、高得点を記録できた生徒の感動と充実感は大きいし、努力の絶対量が得点に反映されやすくなるから、やる気も増すのである。クラス全体としては、平均点アップを目標にすることになる。目標は9割突破。4日間つきあってきた講師としても、この目標を突破できるかどうか、さすがに気になるところである。

 午前10時から、クラス単位の閉講式を行う。閉講式は、まず表彰から始まる。表彰は3種類。「確認テスト合計点部門」「伸び率部門」「修了判定テスト高得点部門」の3つである。

「確認テスト合計点」とは、ここまで実施した確認テスト14回分の合計得点が高い者を表彰する。1位の佐藤君は850満点中(確認テスト50点×11回+まとめテスト100点×3回)847点。850問中3問しか間違えなかったという素晴らしい記録である。他にも、安保君、高木君など超高得点者が続出。小さなテストに合格し続けることの重要性を説き続けた4日間だっただけに、こういう結果には、思わず涙が流れそうになる。

 「伸び率部門」は、最初のテストと最後のテストを比較したりして、4日間で最も成績の伸びた生徒を表彰するもの。この部門は計算が難しい。単に最初のテストを本気で受験せず得点が低すぎただけで表彰される可能性もあるからだ。

 いろいろな要素を加味しないと、気持ちにムラのあるだけの生徒が表彰される結果になりかねない。スタッフの腕の見せ所だが、表彰されたのは松本さん。最終日の夜にもなかなか鋭い質問を抱えて何度も私の机を訪れていたのが印象的な女子生徒だった。いい生徒を表彰できたと実感する。

 「修了判定テスト優秀者」で表彰されたのは金子さん。昨年私が彼女の所属校舎に講演会に出かけたときにも講演会に出席していたという、真面目でやる気いっぱいの女子生徒である。198点。長文問題を1問ミスしただけの見事な成績だった。

 金子さんと、彼女の班を担当したスタッフ菊池隊員(若いスタッフは「隊員」と呼ぶ)とが教室の真ん中で抱き合って喜ぶシーンは皆の感動を呼んだ。他にも「ほぼ満点」の生徒が続出。クラス平均は180.6点。私の目標をキチンとクリアしてくれた。素晴らしいクラスだったし、素晴らしい合宿であった。

 クラス閉講式の締めくくりに私が短く挨拶し、若いスタッフ一人一人に前に立ってもらって、一人ずつ生徒から大きな拍手を贈る。中村、松本、樋口、菊池、小森谷、責任者の田村、どのスタッフも5日間まともに睡眠もとらないで生徒の指導と世話を続けた。私が今まで経験した全てのスタッフのうちでもトップクラスの頑張りだったと思う。

 12時半からの全体閉講式の前に、生徒たちからのサインの求めに応じる。ほぼクラス全員がサインの列に並ぶし、他のクラスの生徒たちもたくさん訪れるから、30分ちょっとの間に150枚近くのサインを書きまくることになるが、これも講師の仕事である。

 サインと言っても、いつもの「宇宙征服」だから、1人30秒もかからない。時間ギリギリで列は捌けて、サインをもらえない生徒は出ずに済んだ。

 12時半、時間通りに全体閉講式。下はその写真である。第1タームだけで1000人、私が担当した美富士園だけでも400名近い高校生が集まって、5日間大きな問題も全く発生せずに無事に合宿を終える。たいへんおめでたい。慶賀の至りである。

 しかも例外なしに5日間英語の学習に没頭し、どのクラスも修了判定テストの平均点は8割以上とれているのである。何よりも英語が好きになって帰っていくのがいい。

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 「英語が好きになる」というと、みんなで英語の歌を歌ったり、英語の歌に合わせてエアロビをやったり、英語でゲームをしたり、マスコミやマンガの世界ではそういう軟弱な勉強法がもてはやされるが、そういうことをやらされて英語が好きになることは、まず考えられない。そんなバカバカしいことをやって実は英語の勉強から逃げているよりも、こんなふうに5日間でも10日間でもカンヅメになって、音読しまくり、いい授業をたくさん受講し、書きまくり、覚えまくり、また音読しまくる硬派の勉強をするほうが、圧倒的に効果が高いのだ。今年もまた、そういう事実を実感して、第1ターム1000名の生徒が帰っていく。帰ったら、自分で自分をカンヅメにして、どんなことであれ硬派の勉強を続けてくれるだろう。

 最後に講師4人が挨拶をして、閉講式も終わる。開講式のときには固かった顔が、今はみんな自信に満ちているのが、壇上からも分かる。バスで帰る生徒たちを、講師は会場ホテルのロビーに座って見送るのであるが、徹夜明けの疲労は生徒たちには感じられない。

 講師たちは、明日からまた合宿第2期が始まる。ほぼ同じ数の生徒たちが新しく訪れ、この5日間と同じプログラムで合宿が始まるのである。今回と同じような大成功の合宿になることを願いながら、10台近くのバスが次々と発車していくのを見送った。

 明日からに備えて、講師のほとんどが河口湖に残る。夕方、河口湖から西の方角に「雲の峰」と表現するにふさわしい高い入道雲が湧きあがり、しばらく眺めているとその雲がどんどん高くせりあがっていく。

 暑い1日で、関東各地で軒並み40℃近くまで気温が上がったのであるが、河口湖はこの直後に降りだした豪雨と雷のおかげで夜にはすっかり涼しくなったようである。

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 さて、一昨日からヴェローナにホッタラカシにされている酔っ払いクマさんだが、今日もまた寝かしたままにいておいたほうがよさそうだ。何しろ、クマさん自身も生徒に付き合って徹夜したのである。クマさんは、生徒と違ってもう若くない。黒々としていたアゴヒゲにも、白髪(白ヒゲ)が9本混じっている(さっき数えてみた)。

 徹夜の疲労がそう簡単に回復するような若さがもうないとすれば、せめて大好きな酒を飲ませ、ヨダレをたらしてネグラでだらしなく眠ることぐらいは許してあげたい。場所もヴェローナである。美しいジュリエットの夢をみてヨダレを垂らして寝ているクマさんのほうが、大人しくていいかもしれない。

 なお、ヴェローナ紀行は明日再開する。明日からは、東進合宿第2期が始まり、1期と全く同じプログラムでの5日間が続くのである。ヴェローナ紀行でも書かないと、ブログに書くことがなくなってしまうだろう。


1E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 1/5
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