Fri 080718 京都ブライトンホテル 姫路講演会 浜松屋 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 080718 京都ブライトンホテル 姫路講演会 浜松屋

 これだけ講演会が連続すると、さすがのクマにも体力の限界が見えてくる。ホテルの部屋の空調が少し調子が悪いのも、その一因かと思われる。設定を22℃にしても、どうしても機械が私の設定を無視して25℃まで室温を上げてしまうのだ。もちろん、地球環境を何より優先しなければならない状況なのだから、22℃などという発想自体が許しがたい贅沢なのかもしれない。低炭素社会実現のためならば、25℃はおろか28℃ぐらいに設定して、大汗をかいて我慢しなければならないはずだ。


 しかし、私の場合は少なからず特殊なのである。夏の冷房に贅沢をしても、冬の暖房で取り返している自信がある。「私の辞書に寒いという文字はない」というところまでは行かないが、普通の人なら寒くて活動が止まってしまうような場所でも、暖房なしでいくらでも動き回れるのである。国家単位で二酸化炭素排出量取引ができるのだから、それを個人単位でも適用したい。私は寒いのにはいくらでも対応できるが、暑さには全く対応ができないのだ。「冬の低炭素男」なのだから、「夏の高炭素男」であることは許してほしい。そういう排出量取引だってありうるだろう。


 というわけで、部屋がうまく冷えないともうダメなのである。この5日間泊まったのは京都ブライトンホテル。従業員の皆さんの対応も最高ランクだし、和食店「蛍」や鉄板焼き「幡(ひもろぎ)」など館内レストランもとても気に入っている。ただ、空調に弱点があって、今年の冬に泊まったときには暖房がうまく作動しなかったし、今回は冷房が不調。5日のうち3日はうまく動いていたのだが、最後の2日になって部屋がよく冷えなくなってしまった。梅雨が明けて、本格的に暑くなったのも原因なのかもしれない。


 京都ブライトンホテルは大好きなホテルのうちの1つだが、もう1つだけ欠点があって、それはメインバーである。ホテルのメインバーというものは本来宿泊客中心の憩いの場であるべきであって、常連さんがタムロするところではないはずだ。ところがここのメインバーは常連さんがとても多くて、しばしば彼らがカウンターを占拠している。彼らはバーテンダーに対しても馴れ馴れしい態度で接し、しかも「タバコ吸い放題」。タバコを吸わない人間にとっては、あの状況はつらい。常連になるのなら、もっと地元に密着した地元のバーにすべきであって、ホテルのバーはあくまで宿泊客優先にしてほしいのだ。1年に2回か3回だけ宿泊する客を邪魔者扱い・ヨソモノ扱いする常連さんたちは困る。ぜひ近いうちに改善を検討してほしい。
 

 部屋が暑くて原稿の仕事をする気になれないから、午後はTVを見てダラけて過ごすことに決める。チャンネルを回していると、なぜか昨日と同じような時代劇に遭遇する。「大江戸捜査網」である。この日の主役は「隠密同心」の杉良太郎。同僚の隠密同心で緑魔子も出ている。うお。悪役はいつもと同じ「いかにも悪役」のオジサンだったから興味を引くほどではなかったが、驚いたのは「悪徳商人の番頭」の役で蜷川幸雄が出演していたこと。今をときめく世界の大演出家・蜷川幸雄も、30年遡ればこういうドラマの脇役で頑張っていたのである。隠密同心・杉良太郎は、5分間全く瞬きをしないまま悪代官を追いつめ、番頭・蜷川幸雄はいかにも新劇ふうのセリフ回しで追いつめられ、舞台演劇独特の足付きで後ずさりし、やがてあっけなく成敗されてしまった。緑魔子も男子校のチアガールみたいな奇抜なユニフォームに鉢巻きをして大活躍。ぴったり5分で成敗シーンは終わり、今日もまた夕陽をバックに「人生の非情」について平尾昌晃が熱唱し、柑橘系育毛剤のテレフォンショッピングに切り替わって、午後の時間は熟れていった。


 夕方から姫路で講演会があるから、2時過ぎには部屋を出なければならない。祭りの終わった寂しい京都の街を歩き、大汗をかきつつ京都駅へ。京都駅構内の蕎麦屋でニシン蕎麦を食べる。東京から関西に来ると「タバコ吸い放題」の店が多いのに驚かされるが、この蕎麦屋も同じ。「禁煙席はありますか?」と尋ねると、怪訝そうな顔をされる。「ぜんぶ喫煙席です」と店員は答え、むしろそれが誇りであるような態度である。「どこでもタバコが吸えますから、心配しないでいいんですよ」という感じ。それがサービスであると考えているのかもしれない。うーん。それでは困るのであって、タバコの煙のまっただ中では、どんな旨いものでも、その味も旨さもわからなくなってしまうのである。
 

 京都を15時40分頃の「ひかり」で出て、姫路にはちょうど1時間後、16時40分頃に到着。西明石までよく晴れていたのに、加古川を過ぎるあたりから空に分厚い雲が出てきて、激しい夕立が襲ってくる気配。講演会の出席者の出足は、少しでも雨が降ると急激に鈍るものであって、それが夕立とか台風の接近とかで激しい雨になれば、「予定の半分」とか「会場はガラガラ」とか、イヤな目に遭うことも覚悟しなければならない。姫路に降りると、凶悪なほどの暑さ。雲はまだ北の空で渦巻きながら成長している様子。油断はできない。空を睨みつつ、クルマで会場の「姫路商工会議所会館」に向かった。
 

 幸い、雨は降らずに開場時間になった。出席者は170名ほどで、開場はほぼ満員。高校3年生をあえて出席させず、高校1・2年生だけでこの人数を集めていただいた。しかも「東進は初めて」という参加者も80名。今日もまた大成功である。主催していただいた東進・姫路中央校の皆さんに感謝する。「初めて」の生徒が多かったせいで最初は遠慮がちな反応だったが、開始後10分もしないうちに大爆笑の連続になり、90分間にわたって私語も居眠りも一切なし。非常に熱心に講演に聞き入ってくれた。

 

0167


 終了後、姫路中央校の校舎に移動して、今日の講演会に参加できなかった高校3年生の生徒たち150名ほどを、教室で激励。私はお祭り騒ぎは好きではないが、これほどの大歓声とこれほどの大拍手を受ければ、さすがに感動する。20分ほどの短い時間だったが、激励の挨拶と定番のギャグを飛ばし、最高レベルの大爆笑の中で、これからわずか6ヶ月の受験勉強に向けて指針を示した。高校1・2年と3年で合計300名以上が集まったことになる。忙しい中、猛暑の中、誠実に集まってくれた生徒諸君に感謝する。終了後、姫路中央校の松尾代表と「らくだ」にて会食。これまでの東進のこと、これからの東進のことなどを話し合って、1時間半あまり、非常に意義深く楽しく過ごさせていただいた。
 

 姫路から帰る頃には、弱い雨が降り出した。講演会終了まで天気がもってくれて、本当によかった。姫路発22時19分の「ひかりレールスター」で新大阪へ。新大阪で新快速に乗り換えて京都に向かう。姫路から京都まで直通の新幹線は、最終が姫路発21時14分である。夜9時半を回ると、どうしても新大阪で在来線に乗り換えなければならない。これは、いくらなんでも不便すぎるだろう。姫路から京都まで、直通の新幹線なら1時間しかかからないのだ。せめて10時半ごろまでは直通を走らせてほしい。走らない理由は、新大阪でJR西日本からJR東海に管轄がかわるせいに過ぎない。「乗務員の全てがここで交替する以上、交替を早い時間に全て終了させたい」という、その程度のことで乗客に不便を強いるのである。こういう体質は旧国鉄以来の一貫したものであって、杓子定規の欠点は一向に改善されていないのだ。 
 

 夜になっても殺人的に蒸し暑い新大阪から、殺人的に混雑した新快速に乗り換え、殺人的に暑いままの京都へ、到着23時30分。さすがに疲れ、さすがに腹も減った。タクシーに乗って、祇園「浜松屋」へ。下の写真は「浜松屋」の入り口で、奥が店になっている。祇園では珍しく入りやすい店で、深夜2時頃まで営業、予約もいらない。注文してからウナギをさばいてくれるのと、押し付けがましいことを決して言わないのと、だらしない常連さんがクダを巻いていないのが大いに気に入って、京都に泊まれば必ず顔を出す。

 

0168


 ところが、さすがに祇園祭の翌日。店はまだ開いていたが、扉を開けると「すんませんなあ。今日はみんな売り切れてしまいましたわ」とのこと。一瞬遅くなって、大好きな浜松屋のウナギを食べ損ねた。これもすべて姫路からの直通の新幹線がないせいである。仕方ないから、入れる店を探して祇園をさまよったが、目に入るのは、ホストクラブのチープな看板と、先斗町や木屋町を席巻し最近は祇園にも進出し始めた「無料案内所」ばかり。こういうのを見るとウンザリするばかりか自分まで惨めになる。あきらめて、トラック屋台で売っていたタコ焼きを買い、さっさとホテルに戻ることにした。1日暑かったせいだろう。いくら飲んでもビールが不味くならず、タコ焼き12個をサカナにあっという間に缶ビール3本を空けて、午前3時就寝。

 

0169



3D(DvMv) OCEAN’S ELEVEN
6D(DvMv) OCEAN’S TWELVE
total m303 y643 d643