Mon 080714 神戸講演会 祇園「間(あいだ)」 ミラノからの帰国 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 080714 神戸講演会 祇園「間(あいだ)」 ミラノからの帰国

 博多は山笠で盛り上がり始めている。昨日講演会場に向かうタクシーの中からも、フンドシ姿の男を何人も見たし、外国人観光客もたくさん訪れているようである。しかし私は博多山笠で盛り上がっているわけにはいかなくて、夕方からの講演会に備えて神戸に移動しなければならない。博多駅で「玄海ちらし寿司」を買って10時半発の新幹線に乗った。朝昼兼用で駅弁を楽しもうと考えたのだが、アナゴとズワイガニと錦糸卵のちらし寿司のどこが「玄海ちらし」なのか首を傾げるような中身だった。


 いったん京都まで行って、京都のホテルにチェックインする。何日か連続して関西で講演会が続くから、毎日現地の別々のホテルに泊まって、毎日荷物を開けたり閉めたりするよりも、京都に連泊してそこから講演会場に通うほうがずっと楽なのである。ついでに祇園祭・山鉾巡行なども楽しもうというちょっと贅沢な計画も立てている。
 

 16時、神戸に向かう。京都駅前は突然の豪雨に襲われて激しい雷も鳴っていたが、京都から15分も行くともう雨は止んで、夏の厳しい西日が射してきた。まだ関西の梅雨は明けていないというのだが、こういうスコールみたいな夕立とその後の痛いような夕方の西日は、これはもう梅雨のものというより真夏のカテゴリーに属するように感じる。新神戸から神戸市営地下鉄に乗って、17時前に神戸・名谷の講演会場「須磨パティオホール」に到着した。

 
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 18時半から講演会。出席者300名超で、今日もまた大成功になった。主催していただいた若松塾の皆さんに感謝する。神戸の高校生はみんなそういう傾向があるのか、それとも若松塾の指導が特に優れているのか、大人っぽい高校生ばかりで講演も非常にやりやすかった。爆笑の連続(30秒に1回を心がけている)であることはいつもと同じだが、集中して聞くべきところでの集中力もよかったと思う。大いに盛り上がって、20時半終了。今日は職員の皆さんとの懇親会はなくて、すぐに京都に戻った。講演会の成果としての継続率(外部参加者の継続率)を教えていただけなかったのが残念。また、もう少し職員の皆さんと現場の状況について語り合ってみたかった。今日の心残りはそれだけである。
 

 京都で遅い夕食を楽しむことにして、予約しておいた祇園「間(あいだ)」に向かう。元はお寿司屋さんだったらしく、杉の1枚板のきれいなカウンターに座る。カウンターにはもとはネタが入っていたのであろうガラスケースがあったが、いまはお猪口やグラスを並べて「創作料理屋」ということになっている。周囲は「いちげんさんお断り」「会員制」の敷居の高い店が並んでいる。この店もつい最近までそういう昔ながらの経営をしていたようだが、いまは「午前3時まで営業」を売り物にし、JALカードグループなどにも入って積極経営を始めたらしい。

 
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 最近の祇園では、こういう積極的経営への転換が流行っているのかもしれない。祇園南側「らんぶる」「隠」がその例だろうし、祇園北側では今日の「間」が初めてだが、メニューなどを見ていると、東京あたりの広告代理店や経営コンサルタントが入り込んでいる気配が濃厚である。または店主の代替わりが続いて、街全体が「いちげんさんお断りはもう古い」という雰囲気になっているのかもしれない。おそらくその両方が絡まり合って進行しているものと思われるが、共通しているのは、何となくぎこちない感じがあること。メニューの中に「さりげなく」店のコンセプトが書かれていたりするのは明らかに余計だし、寿司屋なら寿司屋で頑固に行くベきところを、いかにも「若い女性観光客をターゲットにした」という、きわめて曖昧な創作料理などをとりいれて店の特徴がぼやけてしまったりしている。
 

 しかしまあ、遅い時間の京都でマトモな食事をできる店が増えていくのはありがたいことである。「間」のメニューで旨かったのは下の写真「焼きゴマ豆腐」。少し甘すぎるかもしれないが白味噌とゴマを練り上げたあんが旨い。気に入ったので2皿目を注文したところ、それまであまり機嫌のよくなかった板前が突然嬉しそうに顔を輝かせて、何度か雑誌にも紹介されたのだという。こまめに雑誌をチェックするような行動は決してできない怠け者なので、メニューを見て鼻を利かせただけなのだが、最後は板前のたいへん丁寧な見送りを受けて店を出た。

 
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 5月19日、マルペンサ空港2階のレストランでロゼワイン2本を2時間ちょっとで平らげた頃には、完全に「締めくくりにふさわしい」気分になっていた。そろそろチェックインできる時間である。搭乗までは3時間も残っているが、何しろ私は「フレッチャ・アラータ・プラス会員」という「エコノミー搭乗回数で稼いだ珍VIP会員」であるから、豪華ラウンジで殿様的な行動も可能だ。
 

 意気揚々とカウンターへ。帰りの飛行機はアリタリアとJALの共同運行で、カウンターはアリタリアではなく、マルペンサ空港の奥の奥、何だか酷く裏ぶれた感じのところにある小さなカウンターである。ラウンジはBritish Airwaysのものを指定される。アリタリアは経営危機とは言っても「スカイチームメンバー」なので、エールフランスやKLMなどのラウンジも利用できる。今日入ったBritish Airwaysのラウンジも決して悪くなかった。ここでまたビールにスコッチを楽しみ、本当の締めくくりにオリーブを次から次に口に放り込み、オリーブの種の山を築き、これで今回の旅も終わりなのだと実感して涙が流れそうになり、最後のほうは完全に眠ってしまって、記憶もハッキリ残っていない。
 

 気がつくと飛行機に乗っていて、気がつくと離陸も済んでいて、気がつくと食事が配られ始め、気がつくと食事も終わっていた。何を食べ何を飲んだのかの記憶もないが、共同運行便とはいっても要するにJALによる運行であって、機内にはアリタリアのアの字もない。ということになると機内でのサービスは圧倒的にいいので、機内をドスドス走り回るデカいアテンダントもいないし、配られるソフトドリンクもキチンと冷えている。日本人アテンダントの顔が、髪の毛のまとめ方、額の曲線から、眉の角度や太さまで、全部同じに見えるのが何だか不思議だけれども、フライトが快適であることは確かである。昨年ニューヨークから帰る時もANAの飛行機で快適だったが、こういう経験をすると日本人であることに再び大きな誇りを感じる。
 

 というわけで、帰ってきた。成田到着5月20日午後16時。いつもの海外旅行の帰りには、空港内「そじ坊」で帰国記念のソバをしみじみ食べ、帰国記念に日本酒を1本しみじみ飲む。10日前、出かけるときに立ち寄った蕎麦屋である。しかし今回は慣例をやぶって、すぐに新宿行きのバスに乗った。飛行機の中でいろいろ食べ過ぎて、慣例通りのソバを食べる気力がなかったのである。
 

 帰宅19時。ニャゴロワとナデシコがテレビの上に並んで電車ごっこをしながら、退屈そうに天気予報を見ているところだった。

 
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1E(Cd) Charlotte Church:CHARLOTTE CHURCH
2E(Cd) Charlotte Church:DREAM A DREAM
3E(Cd) Harnoncourt:BEETHOVEN/OVERTURES
4E(Cd) Kempe & Münchener:BEETHOVEN/SYNPHONIE Nr.6
5E(Cd) Karajan & Wiener:BEETHOVEN/MISSA SOLEMNIS 1/2
6E(Cd) Karajan & Wiener:BEETHOVEN/MISSA SOLEMNIS 2/2
7E(Cd) Furtwängler & Vienna:BEETHOVEN/SYMPHONY No.7
10D(DvMv) THE BOURNE IDENTITY
total m181 d521 y521