Sun 080706 熊本講演会 リレーつばめ 大牟田のこと | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 080706 熊本講演会 リレーつばめ 大牟田のこと

 夜19時から、熊本で講演会。出席者は400名に迫る勢いで、大きな会場だったが完全に満員になった。もともと予定していた人数はとっくに超えていたので、イスが足りなくなり立ち見が出るという盛況だったが、最終的には臨時のイスを会場脇にもたくさん並べて対応したようである。ティエラ・熊本の皆さんに主催していただいた。これだけの参加者を集め、しかもきわめて組織的に運営し、全く混乱なくみごとに大成功に導いていただいたティエラの皆さんに感謝する。司会者もたいへん滑らかに、私からお願いした通りに上手にこなしていただけたし、私自身も冒頭から絶好調で、参加した高校生ばかりでなく、そのご父兄や高校の先生方も最後まで爆笑の連続だった。最終的な継続率は報告を受けずに帰ることになったが、今後の努力次第では昨日の福岡に負けないほどの高い継続率が出るものと期待できる。

 

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 写真は、講演会場。この写真の左側にも、もう100人ほどの出席者が溢れていた。ただ、これほどの広い会場で、これほどの人数が集まると、やはりこのホワイトボードでは小さすぎたかもしれない。また、21時ちょうどには会場から撤収しなければならないせいで、講演時間も短くなり、75分しかなかった。この「小さすぎるホワイトボード」「短すぎる講演時間」の2点が今回の反省点として残るかもしれない。絶好調で話を進めていた私も、中盤からは少なからず焦りを感じ、予定した論点もやむなくいくつか省略しなければならなくなった。講演の材料は、本来100分程度の講演を見込んで作成している。講演2時間前のミーティングで「それより25分短く」と要請を受け、うまく縮めることはできなかった。私の未熟さである。


 講演終了後、ティエラ・熊本の皆さんと懇親会。大相撲の関取・普天王の店で「てんおう」。看板に「現役力士プロデュース」とうたっている。普天王ねえ。あんなに若いのに、すでにずいぶんしっかりビジネスもこなしているのである。私なんかは古くさい人間だから、思わず唸ってしまう。もう少し、相撲に打ち込んだほうがいいのではないか。若いうちはビジネスなんかに手を出すよりもっと頑張って相撲のことだけに打ち込んで、時にはちょっとヤンチャもやって、というかたくさんヤンチャをやって、「店をやる」などというのは、年とって引退なりなんなりを考えた頃に、とっくに引退した兄弟子に「先のことも考えておくもんだ」とか叱られて、いやいやながら「では、チャンコ屋でも」と答えて頭をかく。そういう力士のほうが相撲らしくてよくないか、と古くさいことを考えた。


 店内は、カップルが多い。こんなカップルだらけのところにオジサンたちが15人も集団でやってきて、ひっきりなしの爆笑し、ひっきりなしに店員を呼んで酒や料理を注文する。日曜日の夜22時近く、せっかくカップルが楽しかった休日を締めくくろうとオシャレ系の店を選んだのに、せっかくの選択をオジサマたちの談笑と爆笑で台無しにしてしまう。大いに申し訳ない。申し訳ないので、私だけ頑張って懸命に店員さんたちに優しく応対するのであるが、これもなかなかうまくいかない。4~5人いる店員のうち2名は途中からハッキリと我々に悪意を示し、あからさまにイヤな顔をしているのだが、オジサマたちは話に夢中で誰もそんなことに気づかない。その2人のうちの1人、陸上競技長距離の福士加代子に似た店員なんかは、我々の注文をとって向こうを向いたときに、腹の底から吐き出すような深い深いため息をついている。それが1度や2度ではない。とにかく我々のテーブルに呼ばれた帰りは、これ以上深いため息は存在しないだろうと思えるぐらいの大きなため息をつく。面白いので、回りの何人かに教えたら「確かにその通りだ」といって手を叩いて笑っていた。午前2時、宿泊先の「ホテル日航熊本」に帰る。写真はホテルの部屋から撮影した熊本城。

 

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 話が前後してしまうが、今日の午前中は「ホテル日航博多」で読書などで過ごしていた。12時にチェックアウトして博多駅に向かう。今日も暑くなりそうである。博多駅前には山笠が展示され、写真を撮る人で混雑している。私は福岡が好きである。できればもう2~3日滞在して、中洲の屋台や長浜のラーメン屋を回りたいが、今日は熊本で講演会である。12時半の電車で熊本に移動しなければならない。やむを得ないものはやむを得ない。来週の日曜日にまた福岡に講演会で来る予定だから、いろいろ回るのはそのときにすればいい。


 もう10年以上前のことになるが、駿台予備学校で講師をしていた頃は、毎週金曜日が福岡校出講だった。木曜の夜、池袋校の授業を18時に終えるとすぐに福岡に駆けつける。駿台福岡校の職員の皆さんや関西の名物講師・表三郎師などのお世話になりつつ、福岡を満喫させていただいた。金曜日の夜、授業終了後に物理の松井師や地理の小松師と天神・中洲と飲み歩くのも楽しみだった。あのころの生徒たちは、もう30歳を超えているのだから、もう大昔のことになる。


 今日はとにかくそういうことはしていられないから、12時30分発の「リレーつばめ」に乗る。博多から乗って熊本で降りる客にとって「リレーつばめ」が何をどう「リレー」しているのか(もちろん知っているが)実感できない。「この列車がターゲットにしているのは、新幹線で博多まで来て、新八代から九州新幹線に乗る客である」という宣言がこの特急のニックネームなのだとすれば、私みたいなのは「あなたはターゲットに入っていません」「対象外です」と言われているようで、少なからず疎外感がある。


 会社からグリーン券をもらえるからグリーン車に乗るのだが、この特急のグリーン車は正直いってサービス過剰。美しく制服を着こなした「グリーンアテンダント」が、黙っていてもお茶やらおしぼりやらを運んでくるし、その気があるなら弁当も注文してくれるし、降りる直前には降りる駅だと伝えてくれる。要するに「飛行機なみ」ということにしたいのだろうが、わずか3名の客が欠伸をし大イビキをかいているだけのグリーン車の車内で、ここまでのサービスは不必要である。あまりに丁寧すぎると、客の中に誤解して善からぬ欲求を抑えられなくなるような愚か者が発生したり、車内で上司がアテンダントにハラスメント行為に及んだりする。こんなサービスは、できる限り早くやめてしまったほうがいい。


 ついでに言うと、車内アナウンスも完全に度を超している。いつか京王線の車内アナウンスのひどさを書いたが、「リレーつばめ」は別の意味で常軌を逸している。すべてのアナウンスが中国語と韓国語で繰りかえされるのだ。英語アナウンスがあったかどうか忘れてしまったが、国境の町じゃあるまいし、いちいち中国語と韓国語は必要ないだろう。それだけでもう最初の停車駅に到着してしまった。そこへ「車内販売からのお知らせ」が入る。これが傑作というか「もはや処置なし」である。コーヒーはどんな豆から入れたのか、オススメのお菓子には何があるのか、それはどんな風味と味わいでどう味わっていただきたいか、そのお菓子がどこでどんなふうに「最高金賞を受賞した」のか、車内販売がこれからどういう経路で車内を回るかなど、とにかく「これでもか」というような懇切丁寧な説明が続く。「真ん中の車両からスタートして、まず後方の7号車方面へ、そのあと方向転換して(そりゃそうだろうが)1号車方面に回って参ります」とオリンピックの聖火リレーのような見事な経路設定のご説明があって、そこで特急はさらに次の停車駅に到着する。「最高金賞」を受賞したのは立派だが、キオスクや土産物屋で1000円で売っているまんじゅうの紹介を、なぜ電車の客全員が聞かされなければならないのか理解に苦しむ。まあ、京王線と同じことで、アナウンスをカラオケと勘違いし、カラオケステージに目を伏せて歩み寄り、おもむろにマイクを持ち上げて歌いだすような気持ちなのだろうが、こういう放送も早めに廃止を検討したほうがいいと考える。

 

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 写真は大牟田駅のホームの看板。私はこの看板が大好きである。1年半前、大牟田で講演会をした帰りにこの看板を発見した。どこがいいかと言えば、懐かしいのである。昭和40年代、国鉄の駅には必ずこの看板があった。生まれ育った秋田でも、その後引っ越してごく短い期間住んでいた盛岡でも大宮でも、必ずこの看板がホームの天井からぶら下がっていた。夜になるとこの看板の内部の薄暗い蛍光灯が灯って、ぼんやりホームを照らしたものだ。色も、ひらがなの字体も、まさにこの通りである。それが大牟田に残っていた。私は別に鉄道ファンではないが、この看板の味わいだけは忘れたくないのである。


 さて、いつもならここからイタリア旅行記に入るところである。昨日のブログでは、ホテルの朝食でシャンペンを痛飲し、1瓶ほとんどすべてを1時間で飲み干し、とてもいい気持ちになってホテルの部屋に戻り、昼まで眠る決意を固めたクマさんを描いた。だから、本来ならばこれからこのクマさんをコモ湖の湖畔に連れ出して、Comoの街を探検させ、フニコラーレに乗せて山の上からComoの街とコモ湖の絶景を堪能させ、さらに船に乗せて雨にぬれたコモ湖の美しさをわからせてあげなければならない。しかし、いまこのクマは朝のシャンペンに気持ちよく酔っていて、せっかくこうした絶景を楽しませてあげようと骨折っても、それより惰眠と楽しい夢に浸ることのほうを選ぶに決まっている。だから今日は、寝かせたままにしてあげることにした。この酔っ払ったクマさんをベッドの上に放置して、明日を待とう。そもそも、熊本と福岡の話が長くなりすぎて、これ以上書いている時間がなくなってしまったのである。


1E(Cd) Tommy Flanagan Trio:SEA CHANGES
2E(Cd) Art Blakey:NIGHT IN TUNISIA
3E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.7
4E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.8
5E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.9
6E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.10
7E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.11
10D(DvMv) CRUEL INTENTIONS 3
13D(DvMv) COCKTAIL
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