日本産科婦人科学会から2015年の体外受精統計が発表されました。(2015年1月1日から12月31日までに体外受精を開始した患者さんの統計です。)

 

(IVF,ICSIなどの用語についての解説は当院HPをご覧ください)

 

 

まず治療周期(図1)の特徴は、

① 体外受精の件数が過去最多を更新。(年間42万4151周期、昨年は39万3745周期)

② 顕微授精の割合がわずかながら増加傾向にある。(顕微授精の割合 2014年;60.9%→2015年;62.5%)

 

 

 

また体外受精で出生した赤ちゃんの人数(図2)については、

③ 5万1001人と過去最多を更新。(昨年は4万7322人)

④ 凍結融解胚移植での出生数の割合がさらに増加。(凍結融解胚の占める割合 2014年;77.3%→2015年;79.6%)

 

といった傾向があります。

 

 

③については、2015年の総出生数が約100万人ですので、生まれた赤ちゃんの約19.7人に1人が体外受精で生まれているという事になります。この割合は年々上昇していて、2014年は約21.1人、2013年には約23.9人に1人でした。

 

また④についても最近この傾向が続いていて、凍結融解胚移植が治療の主流になっています。(当院でも凍結融解胚移植を治療の中心に考えています。)

 

 

これらのデータから、体外受精は広く普及してきており、決して特殊な治療でなくなってきているといえます。