新年が明け、新年度となり、やっと4月に今年初のブログ更新となってしまい申し訳ありません。

 

言い訳ですが、インスタグラムは時々更新していますのでよろしければお付き合いください(→【いまいウイメンズ公式インスタグラム】

 

 

 

今年初の記事は当院の2023年体外受精成績について発表させていただきます。

(↓図1.2および表1↓)

 

 

採卵・移植件数について

 

図1が2017年以後の採卵および移植件数になります。2016年に施設をオープンし、本格的に2017年から体外受精を開始しましたが、年々件数は増加しています。

しかし、不妊治療の質を下げないために2020年9月から不妊治療初診は完全予約とし、初診患者様の数を制限させていただいているので(受診お待ちいただいてしまい申し訳ございません。)、今後件数が右肩上がりに増加することを目標とはしておらず、さらなる治療レベル向上を重視していきたいと考えています。

 

 

 

年齢別妊娠・流産率について(胚移植あたり)

 

表1および図2が胚移植あたりの妊娠・流産率(件数)となります。

この成績は以下の方針に基づき治療させていただいた結果となります。

 

当院の治療方針

 

・原則的に凍結胚盤胞移植・SEET法併用

・顕微授精は全例Piezo-ICSI

・卵巣刺激は高刺激を基本とするが、患者様の卵巣予備能により低刺激も用いる

・先進医療は積極的に導入する(当院で可能な先進医療;子宮内膜刺激術=SEET法、ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術=PICSI、子宮内膜受容能検査1=ERA検査、タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養)

 

以上を現在までの基本方針としていますが、今後の治療成績によって方針の見直しや新しい技術の導入を検討していきます。

 

 

 

今後の検討課題について

 

2023年7月よりタイムラプス培養を導入しましたが、そこから2024年4月までの期間で導入前に比べ移植あたりの妊娠率は上昇しています。ただし、まだ統計的に比較検討するには症例数が十分でないので今後件数が増加した段階でブログ等で発表させていただく予定です。

またタイムラプス使用により胚盤胞到達率がどう変化したのかや、AIでのスコア(iDAScore)が肉眼的な胚の評価(Gardner分類)に比べ有用であるかなども検討していきたいと考えています。