朝だ、朝だよ。


某高校が運動会だったらしく、めちゃめちゃ賑やかな残響に悩まされる。



せっかくの休日、ゆるりと眠れる時間が奪われてしまった。



仕方ないなという微笑ましい気持ちと、無垢にキャイキャイ言ってる学生たちが妙に羨ましい気持ちと、うるせえなオイっていうオッサン気持ちが三つ巴。


たぶんダンスの演目だったのか。
寝ぼけ耳にポリリズム?と、つけまつけるがMIXされたのが聴こえて、相当イラッときた。笑。




俺たちん時はヒゲダンスのテーマだったぞ。なんだこの差は。



ウチらの世代ん時に高校生DJとか言ったら、SACHIHOくんみたいな憧れがあったけど、もはや今や誰でもMIXできちゃう時代なんだよなあと。

10年チョイで、進歩したんだな。
でも、進歩したぶん、失くした感情もあるのかなと。

そんなことを考えてる俺は完全に起こされてしまっていた。




何か競技が始まったらしく、スターターの乾いた「ぱーん」て音が響くや、
「うきゃー」みたいな歓声が後を追う。


すると、恐ろしく感情のない棒読みアナウンスが俺を貫いた。

「紅組がー、優勢でーす、白組はー、がんばりましょう。」

ていうか多分、見てればわかることだよな。
まさか、わざわざ残響に乗せて俺に教えてくれているわけではないよな?


笑い死ぬ…ド下手すぎるぞ。間違いなく放送部。なんで入部したんだろうって背景を想像したくなるくらい、下手すぎた。

眠れなくて悔しいから目は瞑ったままだったが、耳がそばだってしまった。


どうやら次の競技が始まったらしい。
今度は白組が優勢らしい。

「白組がー、優勢でーす、紅組はー、がんばりましょう。」



お前はロボコップかってくらい、あまりにも無感情だ。



他にも、久しぶりの放送部鉄板フレーズを、無感情の棒読みで聞かされることに。


「静かにして下さーい」
「失礼いたしましたー」
「(マイクがハウって、ぼぅーん!て音がして)失礼いたしましたー」


何度静かにして、何度失礼したかわからないくらい連呼していた。


KIDSならではの、思春期で恥ずかしくてやる気ないですから反抗フレーバーを醸したかったのか、そこらへんは定かではない。



でも、そうだったなぁって。



俳優の仕事なんか始めちゃったからさ、例えば朗読だったり、ナレーションだったり、
当たり前のように感情を込めることができるようになったが。



棒読み無感情だったよな。



妙なもので、かえって棒読み無感情に対して、ある種の暖かい感情を抱いてしまった。