朝、ホテルをチェックアウトして、大通りの交差点で、たまたま俳優の真那胡 敬二さんと美粧の野村 直子さんに、
俺がいままで見せたことのない暗いツラで歩くところを目撃されてしまったところから、今日の運命がガラリと変わった。



本当言うと、俺は即帰京するつもりだった。


ところがこれから真那胡さんらは、昔から世話になっている、徳正寺に向かうらしく、近所にあるので一緒に来ないかと誘われ、ついて行ってみた。


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こちらは「矩庵」くあん、という建築業界でも有名な茶室での記念撮影。


不意にスピリチュアルな空気に包まれて、傷んだ心身が呼応した感じがして。



徳正寺(とくしょうじ)は、もちろん寺院でもありながら、
御親族に画家の秋野 不矩さん(静岡は浜松に美術館がある)がいらっしゃるなど、多方面のカルチャーに深く関わっていて、昔から世界中の文化人が集う場所で、食事や寝泊まりをする場所として有名なんだそう。
名前を挙げたらキリがないが、俺は聞いて腰を抜かした。



また何の因果か、昔、まさに俳優座が創立したばかりの頃から、京都公演の際、千田是也さんはじめ、岸輝子さん、東山千栄子さん、田中千禾夫さん、松本克平さんなど、演劇界の伝説超人たちもよく訪ねてきていたと聞いて、不思議な縁を感じた。
この空間のなかで、今日の俺同様、包まれていたんだろうかって。


そんなことを考えるうち、お茶を煎じて下さったのだが、それがまた格別なこと!こんなに甘み深い玉露をいただいたのは人生初だった。

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そして、つくしの茶菓子。やっばい美味しかった。



これか!と直感。
俺はまだ東京に帰っちゃいけないんだ。ちゃんと谷部 央年戻ししていきなさいって言われてんだろうと。

もしくは、死んだ息子からのプレゼントかもしれない。




徳正寺さんにはまた必ず伺うことを約束して後にして。独り旅に行くことにした。


限られた時間、もう行き先は直感で決まってた。
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嵐山。2年ぶり。まさか独りで桂川の雄大さを見聞するなんて、思いもしなかった。

夏のような陽気に汗ばみながら、寺院を巡って、その都度、静寂に目を閉じては、いっぱい深い呼吸を繰り返す。
なーんも考えないで、張り詰めた独特の新鮮な空気を取り入れ続けた。むしろ、そういう時は考えられなくなるもんなんだな。

たぶん、今日はかなり地球に迷惑をかけていると思われる。禅をかじった。

NOW AND 禅?

孤独でございます、孤独なのでございますなんざ、ウリにすればするだけ、
人間は浅はかにいやらしく映るものである。ウリにするくらいなら、口つぐんでただ静かに呼吸してればいい。
なぜなら、みんな同じだから。


誰に教わったわけでもないが、天からそんなことを学んだ気がした。



いいじゃん嵐山。やたら人多いけど。


そこから行くあてなく、ノリでノリノリ歩くうち、温泉を発見。


さがの温泉「天山の湯」

地下1200mから湧き出る天然温泉だと!

そう、実は京都での2ステージで、身体ごと階段落ちする方法を変えて激しくしたことで、気付いたら結構激痛まじりな打撲だらけ傷だらけだったのだ。

湯治スタート。

ところが…おれ、いまバリバリ金髪じゃん。眉毛あんまないじゃん。
しかも、痩せて筋肉質になってんじゃん。

誰も寄ってこないし、目を合わされない…。まるで満員のJRでゲロ吐いたみたいなシチュエーション、逆に俺は濡れた頭オールバックにして、堂々と美味しい空気とともに長時間入り浸り。

かなりツイてるぞ、俺。


そんな気分で調子こいて、血管年齢チェックにも挑戦した!

現在の年齢、31歳。

その結果!!
あなたの血管年齢、31歳。


おお、年相応か…て馬鹿野郎!
若いとか老けてるとかないと、盛り上がりに欠けるだろ。


まあ、19歳の息子役を演じても、さすがに血管はそうはいかなかったぜよという、俳優としての落ち度、てことにしてくれ。


西陽が射す頃。そろそろ帰らなくちゃと。再び桂川に佇む。

どっかの爺さんと婆さんが手を繋いでヨボヨボ歩いてんのが、綺麗だった。景色より勝ってた。




そろそろ帰ろうと。



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京野菜関連、買い過ぎキャンペーン。

写真は衝動食いした、キュウリ漬串。コオロギばりに2本食った。


さて、まずは数ある京漬物屋を歩き回り、それぞれ選んで購入。

春野菜にフォーカスしたい気分で。
タケノコ、新玉ねぎ、春キャベツ。
明日から楽しみが増えた。


そして更に。八百屋で新鮮な採れたて京野菜を持ち帰ってやろうとかなり本気で品定め。

九条ネギ、水菜、スイスチャード(ほうれん草の一種)を購入。緑一色!



嵐山。この場所、俺は好きだ。
また来るわ。



いま、新幹線に揺られて帰京中。


ふとしたことから、こんなことになるもんなんだな。ほくそ笑む。



取り戻せている。どうもありがとう。


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明日からは、いよいよ「騙り。」の種明かしをしようと思う。