宮崎正弘氏の情報ですが、これはアジアの国々の今と紹介の内容です。
毎日のニュースとは少し違いますが、興味深い内容を含むので
振り返って掲載します。
第一部 暴走老人 西へ(19)
第十九章 大衆とは「ものを考えない人」
▲文革の悲劇は風化していない
筆者がしょっちゅう北京へ通っていた頃、日本人特派員も猛者揃い
産経は古森義久総局長のあとを受けて、のちに『
いまやチャイナウォッチャ
北京で食事会を伊藤正氏がよく主宰してくれたが、ここにある時は
また或る会合では読売の浜本良一氏(秋田国際大学前教授)、日暮
江沢民時代の後期から、胡錦涛の時代まで十五年ほどは、日本の新
いま回想すれば、まことによき時代だったと言える。
毎日や朝日の北京特派員とも意見を交換したことがある。
一般論だ
その分は月刊誌などに
それが北京における日本人特派員の、しずかな掟のようなものなの
がらりと状況が変わったのは習近平になってからだ。
習近平は自由とか人権とかを怖れるかのように、自由派弁護士を二
したがって筆者も2013年秋を最後に北京には寄りつかない。
習
全体主義の危機を感じない鈍感な人々が日本には多い。
哲学者のオルテガは大衆を識別し「ものを考えない人」と鋭い譬喩
こういう種族が社会の多数となると、いつでも全体主
ホセ・オルテガ・イ・ガセット(1883-1955)は前世紀半
マドリッド生まれ、
オルテガは「ロシア革命は人間的な生の開始とは真逆」であり、こ
これを日本に当てはめると、それこそ東大教授を筆頭にごろごろい
自由とは科学的心理ではない。自由とは運命の真理だとオルテガは
ソルジェーニツィンは「共産主義とはすなわち嘘が不可避的な体制
つまり「共産主義とは生命の否定であり、
現代中国はまさにそれである。
▲知識人は一斉に欧米に亡命した
百家争鳴、反右派闘争、文化大革命により、次々に政敵を粛正し、
毛沢東は官僚や知識層を心底嫌悪し、独裁政権の邪魔となる政敵、
ところが毛
中国人は根
共産革命に軍功のあった九人の将軍らも、用済みとなれば、さっさ
毛沢東の死後、左遷先から呼び戻される形で「最高実力者」となっ
改革開放が始まり、中国人の目が輝き始めた。
胡錦涛時代、経済政策は温家宝首相に全面的に依存した。集団指導
独特の中国的社会主義市場経済の実現という実験にトウ小平は取り
独裁から集団指導体制への移行、すなわち毛沢東時代の否
以降、江沢民、胡錦涛の時代を経てが
この期に挟まるのが、1989年6月4日の天安門事件である。
民主活動家、知識人が地下ルートを頼りに欧米へ亡命した。ウアル
この列に日本で活躍する女流作家も加わってきた。
「中国共産党の
楊逸『わが敵 習近平』(飛鳥新社)がそれだ。
日本人作家なら誰もが思っている
しかし中国人の発言は決死度がことなる。
中国に残された家族や、
あるいは米国へ再
マスメディアが中国の暴政を正面から批判しないで
しかし哈爾浜出身の作家、楊逸さん、ついに怒りを爆発させた。
香
自らの幼少期の過酷すぎる下放体験の記憶と、今の苛烈な人権抑圧
▲習近平の自由への敵視、妄想が危機を深めた
2013年3月に国家主席となった習近平は官僚的な諸制度や、権
歴史への逆行である。
全体主義独裁への遡行、時代錯誤である。
2017年10月に開催された中国共産党第19回全国代表大会で
同時に党規約に「習近平思想」が盛り込まれ、カリスマ性も附帯せ
2018年3月の全人代では国家主席の任期制限を撤廃、2023
「腐敗撲滅」の美名の下、次世代のリーダーとなりそうな政敵や軍
粛正された軍人は将軍クラスで約100名、幹部クラスで4000
2020年のコロナ災禍で、三月の全人代を五月に延期しつつ、い
全体主義の恐怖政治が中国に復活した。