宮崎正弘氏の情報ですが、これはアジアの国々の今と紹介の内容です。
毎日のニュースとは少し違いますが、興味深い内容を含むので
振り返って掲載します。
第一部「暴走老人 西へ」(6)
第六章 江西省の南昌、九江へ
▼廬山会議ののぼり口、九江は水滸伝の舞台でもある
江西省へ足を伸ばした。
この地方の山岳地帯はレアアースの産地として知られるが、鉱山技
現場を詳しく観察したが、いやはや驚くことの連続、内陸部開発の
九つの河が合流するといわれ海運交通の要衝が九江。三国志でも九
この九江は廬山への登山ルートの入り口である。廬山は「中国の軽
『水許伝』の荒くれ無法者があつまって酒宴を開いた場所の一つが
記念にと筆者も壷に触れてみた(どのみち、ニセモノに決まってい
九江は呉魏蜀の三国志時代、拠点争奪戦が演じられ、古代から開け
現在、旧市内の人口は65万余。
九の意味は厳密に九
九江周辺は長江に沿って幾つもの水郷、運河、中国最大の湖=番陽
水が豊
市内と新幹線駅は意外に近い。
この新幹線開通は九江の経済にかなり重大な影響を与えたようだ。
取材当時、武漢ー九江と南昌ー武漢は従来線だけだったが、なぜ内
これは胡錦涛執行部の
▲「財源は?」と聞くと、「また土地を売れば良い」。
九江に物流、運搬のほか、これという産業はないが、古都ゆえに流
現場に建つと壮観である。
官の投資も巨額だが、加えて民間では外国企業や国内外、とりわけ
九江の新開発地区(八里新区)の周辺に新しい大学、病院、保育園
邦貨換算で数百億円を投下し、
五年以内に「
地方政府が企図し、銀行が貸し出し「開発公社」が基盤となる遣り
この開発公社への焦げ付きは時間の問題だが最終的にだ
2020年六月現在で、このような地
想像を絶する凄い神経だ(ちなみに同時点での中国新幹線の累
中国全土どこでも、ガラ空きの工業団地がある。
インフラは整備したものの交通アクセス、電力、労働力の関係で進
幽霊屋敷のようなショッ
鳴り物入りの新都心が崩壊の危機にある理由は、第一に沿岸部から
第二に大学が周辺にすくないため、優秀なエンジニアの確保が難し
たとえ行政が新都心に移転しても産業誘致がなければ雇用が生
九江とて発展繁栄への確実な勝算があるわけでもなく、とりあえず
ところが現場に立つと誰もが知覚できるが、八里新区にはやくもバ
付近のマンション群を見渡せば洗濯物が
。周りの商店街はシャッター通り。
これでは先が思いやられる。例外は低所得者用のマンションだけだ
▼謎の都市が開けていた
九江から南へ一時間の場所に新都市がにょきと出現している!
この都市は九江ー南昌間の新幹線沿いに位置するが、車窓からは見
これぞ、共産党中央が異様な力こぶを入れる新都市。共産主義青年
2010年に特例中の特例として「市」に昇格した。
以前の共青城開放開発区。人口わずか12万人。それまでは九江市
中国で人口が百万を超える市は220ある。
人口12万で市とは言
つまり共産主義青年団の看板、換言すれば胡錦涛の目玉。
だが頭で
IQは高くてもイデオローグに固まった政治青年らが都市経済を運
この地には民主化のシンボル=胡耀邦の墓がある。だから共青団出
街へ入った。
「共青城市」は町作りも異様である。
軍人かと思いき
きらびやかなネオンもなく、娯楽施設が乏しい。市内にはカラオケ
市内からバスで三十分の小高い丘に胡耀邦記念館と御陵(耀邦陵園
胡耀邦は湖南省出身だが祖父が江西省の生まれ。
胡耀邦の遺言に「
死去から二年後に名誉回復があり、この地に墓が建立された。
中腹には胡耀邦と親密だった中曽根元総理が寄贈した追悼碑も建立
花輪が絶えず参詣者が多いので記念写真
この光景は驚きだった。
北京中央では共産党政治の邪魔者扱い、決して評価されていない胡
共青城市は、それほど鳴り物入りの新都会、共青団がカネとエネル
市役所の広報部職員が案内してくれた。
工場見学が許可されたのはダウンジャケットの製造工場だった。
ユ
最新の欧州デザイン、その年の流行色は黄色とピンク、八百台のミ
つぎつぎと手際よく流れ作業だが、若い男
さぼる気配がないのも「能率給与シ
月給は四千元! 沿岸部の工場並みだ。
これが国有企業のひとつ「鴨鴨洋装」で輸出
▲党中央が異様な力点を置いたものの。。。。
次に赴いたのは団地中央の誘致案内センターだった。
ここには将来
このために320億元(邦貨換算四千二百億円弱)が投資された。
学校が多いためエンジニアや若い労働者が得やすく、当時、北京中
九江では長距離バスターミナルに近い繁華街の安宿に泊まった。
廬
古い建物のまま、耳をつんざくような大スピーカーが国歌を流して
「毛沢東館」なる建物は、何のことはない、蒋介石と宋美齢の別荘
玄関脇に公衆便所があって、
対面の小高い場所に小
展示は劉少奇、膨徳懐の対立に触れておらず、毛沢東神話のみ。孫
記念館前の記念撮影、これまた一枚10元。
州をまたぐと陶磁器のメッカ=景徳鎮があるので立ち寄った。偶然
こちらの
景徳鎮は要の粘土が払底し、ほかの省から輸入しているが、陶器な