「鉄は国家なり」が合い言葉だった時代は遠く | imaga114のブログ

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今日も宮崎正弘氏の情報です

世界が壊れていく

悪いものだけ壊れていく

正しいものだけ残ればいい

 

 

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和二年(2020)3月28日(土曜日)弐
          通巻6422号 
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 あの産業復興の熱気が消える。相次ぐ高炉の休止
   「鉄は国家なり」が合い言葉だった時代は遠くなった
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 「鉄は国家なり」が合い言葉だった。

 

明治維新の熱気が産業の振興に拍車をかけ、国家建設の主柱が鉄だった。

 

建築の鉄筋も、鉄道のレールも橋梁も、そして自動車も鉄、鉄製品が基幹である。

 

日本経済は鉄とともに躍進してきた。たぎるように日本人の熱血とともに技術も急発展し、産業の裾野を拡げてきた。

 しかし粗鋼生産で世界一だった日本の凋落は、中国など新興諸国の製鉄起業とダンピング輸出によって弱体化した。

 

市場を奪われ、日本の製鉄は再編に追い込まれ、富士と八幡の合併から始まり、いまでは日本製鉄(5401=新日鐵と住金が合併)、JFE(川崎製鉄とNKKが合併)、そして神戸製鋼所(5406)の三つのグループに集約され、各地の高炉の火が消えた

 「鉄は国家」ではなくなった。「鉄くずや、強者どもの 夢のあと」

 自動車の販売不振と工場の操業停止、さらにコロナ災禍の追いうちによって、自動車鋼板の需要が大きく減退する。不況は鉄筋需要も減らす。

これは鉄鋼メーカーに甚大な悪影響を与え、JFEホールディングス(5411)は国内生産の15%を占める京浜の高炉を数年間の目算で休止する。

 すでに日本製鉄は2020年九月に北九州の1箇所をしめるばかりか、22年には和歌山を、23年には中国地方の呉の高炉を止める縮小計画を進めている。

 

 JFEも、2022年には千葉工場も止め、広島県福山に集約する

もとより中国産鋼鐵のダンピングで世界の高炉が悪影響を受けてきたが、高炉を一つ止めると二千名以上の従業員は不要となりレイオフの対象となる。

無配転落のJFEは当面、ほかの製鉄所から半製品を仕入れ加工作業などをするというが、事実上高炉が止まれば、企業の存立が問われるのではないのか。