先日の今藤政智三味線リサイタル〜注目の邦楽人・N響奏者との多彩なコラボレーション〜

当日の様子のご報告です。


お運びいただいた方も、遠くから応援してくださった方も、お時間のある時に読んでいただけたら嬉しいです♪


今回は、「糸に思う」と題して古典長唄演奏、現代邦楽、クラシック曲などを4名の助演者とともに、全5曲演奏しました。


まずは長唄「鷺娘」です。


今藤政子さんと一挺一枚で鷺娘を全曲演奏しました。

鷺娘は長唄の名曲で演奏時間約30分の大曲です。


お客様から「中盤からの劇的な表現が印象的だった」など、ご感想をいただきました。

ありがとうございます。





2曲目は「六斎念仏意想曲」

N響主席ティンパニ奏者の植松透さんと演奏です。


六斎念仏意想曲は、私の師匠今藤政太郎先生(現人間国宝)の処女作で、超絶技巧曲です。

通常は太鼓4人三味線多数の編成で演奏しますが、今回は敢えて三味線1人、打楽器1人のスタイルで演奏しました。

植松さんにスネアドラムを叩いていただきました。そして世界で1つの細棹アクリル三味線BIZOを使用し演奏いたしました。




3曲目は杵屋正邦作曲「明鏡」。

尺八の本曲と長唄三味線の古典テクニックが多用された緩急激しい現代邦楽曲です。

都山流大師範坂田梁山氏とは、この曲で3度目の共演でした。




4曲目は師匠今藤政太郎作曲「篠笛によせてより冬」です。

「六斎念仏意想曲」とは真逆な繊細でロマンティックな曲です。

篠笛のパートを今回は、N響ヴィオラ奏者の飛澤浩人さんに弾いていただきました。



ラストはクラシック曲、ドニゼッティ作曲オペラ愛の妙薬より「人知れぬ涙」でした。

今回、オーケストラパートを三味線用に編曲しヴィオラと演奏しました


お客様からは

「ヴィオラと三味線、合いますね!」

「他の曲も聴いてみたいです」

などお言葉をいただきましたので、またクラシック曲にも挑戦してみようかな、と思いました



クラシックでもポップスでもメロディを三味線で弾く事は簡単ですが(耳コピすれば誰でも出来る事なので)私はそうではなく、もう一歩踏み込んだ所まで三味線で表現したいと考えています。

実は壮大な構想があるのですが…またいつかお話し出来たらと思っております!





今回のリサイタルでは、私の思い入れのある5曲を演奏しました。

プロになることを決意した『鷺娘』、

演奏した曲で最も演奏回数の多い『六斎念仏意想曲』、

NHK邦楽オーディション合格に導いてくれた『明鏡』、

三味線と洋楽器のアンサンブルの発見やひらめきに繋がった『篠笛によせてより冬』と『人知れぬ涙』。



共演者の方々にも恵まれ、今まであたためてきたものが実現でき幸せな時間でした。ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました、

最後に、
今回の演奏会場、京都の二条城二の丸御殿そっくりに再現された「亀戸御殿」は、入澤様のご厚意で使わせていただきました。






(こちらの写真は入澤様より)

金箔の壁や折上格天井など絢爛豪華なお部屋はため息が出るほどでした。外部への貸出は初めてとうかがいました。
心より御礼申し上げます。