こちらも お盆休み前の 作業 詳細

 
 
いすゞ エルフ
三方転  ダンプカー
 
 
 
三方転  、、、
恥ずかしながら f^_^;
初めて  見ました (≧∀≦)
 
ダンプカーの 後ろの 荷台が
① 真後ろ
② 左側
③ 右側
 
と 三方向に 上げることが できるんですよ
素晴らしい 笑笑
 
 
 
聞けば 病状は
P.T.O レバーが 動かない
 
ダンプを 上げられない ばかりか
下げることも できません
 
 
ダンプを アゲサゲするのに
油圧を使ってます。
 
油圧は
トランスミッションから 駆動力を取り
ギア駆動で オイルポンプを 作動させます。
この ギアの 動作を P.T.O コントロール ワイヤーで 操作します。

 

 
正確には 上げんのに 油圧をかけて(送って)
下げんのには かけた油圧を抜く(戻す)
 
 
 
 
 
 
オーナー社長さんは・・・
 
「兄ちゃんには 専門外だと思うし
他所で ずーっと 診てもらってたから
ここへ 頼むの 悪いねんけど、、、
 
どーしても 治らんから と そこに
サジ投げられたから 兄ちゃんに 診て欲しいねん」
 
 
と かなり 長期間に渡り  お困りの ご様子
 
しかし、、、専門外って 笑笑
でも 確かに 僕の専門は
折り紙似顔絵だけど 笑笑
 
 
 
オーナー社長へは
 
「他所で 治らなかったら
僕も 似たような 物ですよ
きっと f^_^; 」
 
と お伝えしつつも
 
ここまで ご信頼 いただいたら、、、
整備士魂に メラメラ 火が付いちゃいまして 笑笑
 
 
現状は  ダンプが 動きません
それも そのはず f^_^;
 
その心は、、、
P.T.O ワイヤーが ブチ切れてるから
笑笑
 
ワイヤーの レバー操作をする時に
通常通り スコスコと 動く時も あるみたいですが
 
いったん 動かなくなると テコでも
動かなくなり
 
カーッとなった オーナーさんが
力任せに レバー操作をしたら
 
ぶちん❗️


と言う  轟音と 共に ワイヤーが
切れたようです (≧∀≦)
 
なんと言う 剛力⁉️  f^_^;
 
 
 
とりあえず 切れた ワイヤーを新品に交換して
 
 

ダンプは 得意じゃ 無いから 笑笑
進晃自動車整備工場・植田くんやら
友達 数人に 構造を 確認しつつ

 
運転台に 近い方から P.T.O 関係部品を
ひとつひとつ 点検 確認して行きます
 

・コントロール レバー
・コントロール ワイヤー
・三方転 切り替え ユニット
・P.T.O ギアボックス Ass'y
 
すると 下記の3点に 疑問が、、、
 
① 三方転 切り替え ユニットの
三方向 切り替えワイヤーの調整不良
 
② P.T.O ギアボックス内の メカニカル パーツ
 
③ ミッション オイルの 粘度
 
 
 
 
 
① は ダンプの 上がる方向を 切り替える
    レバーに 妙な 遊びが ある事に 気付き
    分解して 構造を把握し
    ワイヤーの 位置を調整してみました。
    方向切り替えレバーを 操作した時に
    正規の位置に 戻り切れないと
    コントロール ワイヤーが 引っかかり
    レバー操作が 出来なくなる構造でした。
 
 
これを クリア したものの、、、
まだ 不完全な状態でした。
 
さらに 点検を 進めます
すると ② が 怪しいと なりました
 
 
② は P.T.O コントロール ワイヤーを
    操作した時に
    P.T.Oギアボックス内で  切り替えロッドを
    押したり 引いたりして
    ギアを ON OFF するものです
 
この シャフトが それ
 

これが スムーズに 動く時と
まったく 動かなくなる時が あり
 
どうやら 問題点の 患部は ギアボックス内だと
予測して ギアボックスを 分解
 
すると シャフトの 入っているところに サビ
 
 
 

を 発見し、、、
 
当然 相手方の シャフトにも
 

 
まぁ 動きは 渋くなる 可能性 有るけど
これが 主原因では 無いだろうなぁ、、、
 
動いてる時は 至って スムーズだし
動かなくなると ロックされたように
まったく 微動打にしないから、、、
 
 
 
 
 
しかし ここで  シャフトを よーく診てみると、、、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いくつか 気になる 痕跡が、、、
 
 
 
 
ここで ギアボックス Ass'yの 完全分解を 決断
分解後 洗浄し  構成部品を ひとつひとつ点検
 
しかし ほかに これと言って
? と 思えるところは無く、、、
 
 
さてさて  どーした物か、、、
 
他の入庫患車を 診ながら
考えあぐねます。
 
 
そんな ある日
 
P.T.O ギアボックス Assyを 仮組みした時です
 
 
トヨタ ハイルーセン  と言う
サラサラ系の スプレー 潤滑剤を 使って
P.T.Oギアボックスを 組み 動作確認をすると
サクサクと 動いていた物が
 
 
1度 分解して  再び 仮組みする時に
たまたま ハイルーセン  が 無くなり
ワコーズ ラスペネC を 代用し仮組みしました
 
すると 例の シャフトが ロック
 
⁉️  なぜ  ⁉️
 
組み間違いか?
 
 
 
 
再び 分解
しかし 組み間違いなど無く
 
 
今度は ラスペネを 軽く拭き取る感じで
仮組みしてみました
 
 
すると ハイルーセン  の時のように
サクサク動く、、、
 
 
ハイルーセン  と ラスペネCを 比べると
若干では 有りますが、、、
ハイルーセン  は サラサラ系
ラスペネC は ネチャっとした感じです
 
そこで 考えました
 
 
もしかすると、、、
シフトフォークの ノックピンの 動きに
問題が 有るんじゃ無いか? と
 
 
ここで クルマの 取説を 開きます
ミッション オイルの 指定油脂を 確認します
 
 
SAE 5W-30
 
 
 
 
 
 
5W-30 ⁉️⁉️⁉️
 
 
これって エンジンオイル⁉️  だよなぁ ⁉️
かなり 柔らかい
 
 
BNR34 の ゲトラグ社製 6速ミッションには
ATF 程度の 粘度の油脂が指定されてるけど
 
通常 ミッションには ギアオイルを使います
たいていの 指定ギアオイルは 75W-90
 
エンジンオイルに 比べかなり 粘度が高く
糸を引き 水飴のようです
 
この エルフにも  ギアオイルが 入っていました
しかも 車検後 間もなかった為か
綺麗な オイルが 出て来ました
年度は 75W-90 もしくは 80W-90 あたりかなぁ
 
 
このことから シフトフォークの ノックピンが
硬めの油脂により  その動きに 制限が有り
固着したように 動かなくなったのでは???
 
 
と 仮説
 
 
P.T.Oギアボックスを ミッションに取り付け
在庫の中から  メーカー指定粘度の範囲に近い
0W-30 の エンジンオイルを 惜しみなく投入 笑笑
 
エンジン スタートして  暖機運転
 
暖機完了後 アイドリングのまま
クラッチペダルを踏み込み
P.T.O コントロール レバーを操作してみます
 
スコ  スコ  と 動く
 
 
工場から 駐車場に 出して
P.T.O 操作
 
完璧 笑笑
 
 
 
桜井市内 循環試運転をして
帰宅後  駐車場で P.T.O 作動
 
完璧  笑笑
 
 
やったーって❗️❗️❗️
 
しかし、、、
各部の経年劣化なのか?
無理くり 使っていたせいか?
 
三方転 切り替えレバーに
多少の 遊びが 残りました
 
 
様子を みてくださいね
と 伝えて 納車です
 
 
 
 
久々に 修理屋魂に 火が付いた 作業でした 笑笑
 
imae motor's です