主人公の行く末が気になりすぎて、

1日で一気読みして寝不足です。

 

桐野夏生さんが描く

行き過ぎたら

本当にそうなりそうで怖すぎる世界。

 

📍『日没』

 

 

政府に反する思想や

性的に過激な表現を描いた

小説家たちが弾圧されるディストピアです。

 

この小説、

実はまったく違う結末だった可能性もあるとか。

 

校了直前に追加されたという

最後の15行が怖すぎる。

 

でも、これが追加されたことで、

後味悪くてもより作品らしい結末だと思いました。

 

『ティファニーで朝食を』

もハッピーエンドの映画よりも

主人公が行方知れずになる小説の方が

しっくりきます。

 

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終わりが良いハッピーエンドは

読了後の気持ちはスッキリするけど、

 

そうしてしまうと

迎合主義的というか

軸がブレちゃうところもあるから。

 

皆さんはいかが思われますか?

 

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  『日没』のあらすじ

 

主人公は、

エログロ表現も辞さない

エンタメ小説を書く小説家。

 

ペンネームは、マッツ夢井。

本名は、松重カンナという中年女性です。

 

ペンネームがありそうで、

ちょっとそこは面白いのですが。

 

彼女は、

読者から「倫理的に不適切な小説」とタレコミされ、

政府に召喚されて「社会に適応した小説を書け」と

断崖に建つ療養所に収容されます。

 

そこでは、「B98番」という

番号で呼ばれます。

 

まるで囚人やアウシュビッツのようです。

 

食事は刑務所以下で

私語は禁止され

灰色の制服に着替えさせられます。

 

また

他の小説家が脱走しようとしたり、

指定されたように文章を書かなかったり

なにか反発すると

 

連帯責任として

食事が支給されなくなります。

 

当然Wifiもなし、ケータイも通じないし

充電することもできません。

 

そこで黙々と

翼を折られたように

政府が好ましいとする

文章を書き続けるのです。

 

いつでも監視され、

誰も信じられないし、

暴力を振るわれたり、

訳のわからない薬を投与されたり....。

 

終わりの見えない軟禁の悪夢と、

「更生」との戦いの末は....

 

  最低限の欲求が満たされず、壊れる心

 

「絶対におかしい」と思いながら、

刑務所よりもひどい食事で餓えていき、

氷入りのコカコーラで

心を買収されかかる主人公。

 

まさにマズローの欲求5段階説です。

 

生理的欲求

(食事や睡眠、排せつなど

 人間が生きていくための本能的な欲求)

安全欲求

(身の危険を感じる状況から脱して、

 安心できる環境で暮らしたい欲求)

 

が満たされないと、

 

作家といえど

自らの表現をしたいという

原動力まで至らないのですね。

 

と思わせて

「やはり」と奮い立つ主人公。

 

でも報われない...。

 

その心の動きが秀逸です。

 

 

  ヘイトスピーチと表現の自由

 

主人公が政府組織に召喚されたのは、

読者からの密告のためです。

 

彼女の作品は、

 

レイプなどの性暴力や犯罪を

推奨するかのように描かれていて許せない

 

と、読者が政府組織である

「ブンリン(文化文芸倫理向上委員会)」

に投書されたせいだとか。

 

この世界では、1年前に

ヘイトスピーチ法が成立し、

 

「総務省の方でも、作家の表現に

 少しコンプライアンスを求めようということになったのです。

 野放しはよくないという世論に準じた形です」

ー『日没』より

 

ヘイトスピーチと表現の自由。

 

昔のドラマやバラエティが

名作だったとうたわれても

コンプライアンスによって

再放送できないということも多いですよね。

 

宮藤官九郎さんのドラマ

『不適切にもほどがある』は、

それを逆手にとった作品でしたよね。

 

いっぽうで

ネットで私も含めて誰もが

意見できるようになった今。

 

言葉の暴力による

悲しい事件があいつぎ、

規制が必要なこともたくさんあります。

 

そしてまた

本作のようにそれがいきすぎてしまうと

 

創作者が責任を持つ芸術の世界でも

言論や表現が統制されていくのは…

まるで戦時中のよう。

 

だけど、どこまでが表現で

 

どこまでがヘイトスピーチ、

つまり差別やあおりになるのか。

 

価値観が違う個人個人で判断するのが

難しくなって起こる数々の問題も否定できず。

 

引き込まれて1日で読み切りつつ、

いまだに考えさせられる作品でした。

 

おすすめです。

 

 

 

  今日のコーディネート

さて今日のコーディネートです。

 

今日も小物以外は全身プチプラ!

 

TOPS:

汗しみないTシャツ

 

16色のうちオフホワイト

©︎イーザッカマニアストアーズ楽天市場店より

 

ネックレス:

プチ・ローブ・ノアー

 

ブレスレット代わりのネックレス:

TIFFANY

 

ストール:

FORTE FORTE

 

パンツ:

DHOLIC

 

バレエシューズ:

AmiAmi

 

 

ホワイト(スムーズ)の39

 

7足リピしていますが

白い靴はよく履くので

 

以前に生地が入荷しないとかで

買えない時期があったので

予備と2足買いしています❤️

(右の二つ)

 

 

 

ROOMでは

今回ご紹介した『日没』や

コーディネートなど

愛用品を多数ご紹介しています。

 

ぜひ遊びに来てください☺️

 

いまここのROOM ♡

※すべての内容は、執筆時(2024年5月14日時点)の情報です。