先日、ある公共施設の会議室を利用していた時のこと。
私達グループは、部屋の片づけなどで手間取り、利用時間を5分ほど過ぎてもまだ退出できないでいた。
すると、そこへ施設の部屋を清掃する係りの方が大変立腹して、私達を叱責しながら中に入って清掃を始めた。
「もう、時間過ぎてるのよ!」、「次の人が外で待っているんだから!」、「部屋の掃除しなきゃならないのに!」という具合にまくしたてられた。
私たちは、その人の剣幕に閉口し、「いくらなんでも、あんな言い方しなくても」などとささやき合っていた。
やがて、グループの一人の男性が、オバチャンに話しかけ始めた。すると、不思議なことが起きた。
どうしたことであろうか、オバチャンだんだんと機嫌よくなっていくではないか。笑顔すら見せているのである。終いには部屋の隅にあった忘れ物も見つけるや優しい言葉で、「これ、貴方たちのでしょ」と問いかけてくれる。
彼は一体何をオバチャンに言ったのか?
それらは、決して特別な言葉ではない。以下のような言葉だけだ。
「オバチャンも大変だよね」、「僕らの様に時間過ぎると困るよね」、「次の人達が来る前に掃除しなきゃいけないから忙しいよね」。
これらは、改めて聞けば受容と共感というコミュニケーションの基本ではないか!
相手に共感することの重要さを再認識させられた場面であった。
残念なのはそれらの言葉が、私自身の口からは出なかったことだ。
精進しなければ。