夕暮れ時に
白熱灯のちょうちん灯り。
ジュージューと焼けるニオイ
くるくるとまわる
たこ焼き
ソースたっぷりな
青のりたっぷりな
マヨネーズたっぷりな
かおりたっぷりの
風も吹いてくる。
その風に誘われて
どこからか
わらわらと並ぶ列。
ピノキオだったり
天狗だったり
ソースたっぷりな
青のりたっぷりな
マヨネーズたっぷりな
かおりたっぷりの
風も吹いてくる。
その風に誘われて
どこからか
わらわらと並ぶ列。
ピノキオだったり
天狗だったり
狛犬さんだったり
お地蔵さんだったり。
鳥やきつね 子ざるに小リス
ぐりとぐら。
なぜか並んでる。
白雪姫のこびとさんも
いるかもしれない。
こんな森みたいなとこに
なぜかポツンと 一軒
たこ焼き屋。
たこ焼き屋のおじさんは
すばやい手さばきで

イライラして
腕組みに足を パタパタ。
ついでに羽も パタパタ。
妖精もたこ焼きって
食べるんだろうか?
そんな疑問も
さらりと流れていく
この物語である。
ーーーーー
あ~っ もう!
おじさん 早くしてよネ!!
わかってるワケ?
今夜は 大事な夜
だってコトを さ?

あ~
ジャスミンちゃん
ごめん ごめん。
ごめん ごめん。
こんな日 だからこそ
忙しくって さ。
早くしてよネ
アタシには
これ(たこ焼き)がなきゃ
だめなワケ。
そしてもう
30分も こうしてる ワケ。
あいよ!
ジャスミンちゃん
。
。
。
はい どうぞ!
あんがと
ちゃんと
はい どうぞ!
あんがと

ちゃんと
オマケしといたヨ
さっすが~
いや~
さっすが~

いや~
ジャスミンちゃんには
今夜は
今夜は
そして大きく羽を1回
ハタリ。
お気に入りの場所に着いて
包みをあける。
そして 今
お気に入りの場所に着いて
包みをあける。
そして 今
まさに 食べようとした
その時。
!!!!!


ちょ、ちょっと~~~
なんなのよーー
よりによって こんな日に
迷子 なワケ?
はるか向こうの
その時。
!!!!!


ちょ、ちょっと~~~
なんなのよーー
よりによって こんな日に
迷子 なワケ?
はるか向こうの
茂みの間から
バスの スポットライト。
あ~~ やだやだ
バスの スポットライト。
あ~~ やだやだ
あのバス
いつぶりだっけ?
しばらく来なくて
平和だったのにさっ

どうしてまた今夜に
「あのバス」が
来ちゃった ワケワケ~
来ちゃった ワケワケ~
パタパタ 腕組み。
パタパタ 行ったり来たり。
。
。
。


バスが
ドンドン近づいてくる。
ブルン と
妖精の前の茂みが 揺れた。
びゅっ と風。
そして
乗客が一人みえた。
「痛っ!」
っていうような しぐさで
膝を抱えている ようである。
「痛っ!」
っていうような しぐさで
膝を抱えている ようである。
。
。
。
光が遠のいて いくーー

しょうがないわねっ
ほんとにもうっ、、
仕方ないから
早めに片付けちゃう
早めに片付けちゃう
ワヨッ
妖精は たこ焼きを
ひとつだけパクリ。
そこで
ぐっと我慢して
スポットライトのほうへ向かった
スポットライトのほうへ向かった
ーー
ーーー
ーーー
やがてイクがバスを降りて
あたふた してしまう
アノ「モリクマ山前」停留所へ。。





