イクと不思議の森１ プロローグ（アーカイブ集）

１ 『プロローグ』




夕焼けの オレンジ色の空が
今日 一日の騒々しさを
優しい色に 変えていく。。。

遠くで 電車の音  とか
車の音  とか。




着替える。
靴を履き替える。


カギを閉める。



振り向くと
ガラス窓から見える
小さな家具たち。

背の低い作りの ものたち。

色とりどりのおもちゃ。

そしてピアノ。


靴箱。
小さな運動場。
遊具。
しまい忘れてた三輪車。

誰もいなくなった保育所は
とっても静かだな。





はあ。。。。。
ズドーンと体が重いわあ。。。




私の名前はイク。

幼い頃の夢だった保育士。

念願 叶って 

今  毎日を

大好きな子どもたちと

過ごしてる。


保育士になって

２年目になる。


先輩先生に

懸命についていった１年目。

担当クラスも  必ず
先輩と受けもった。


けれど、２年目になると
たまに  幼児クラスを
一人で見るようになった。

ウレシイ反面
なんだか責任感に
押しつぶされそうに なる。


はああ、、、、、、


毎日 忙しい。
あっという間に

一日が過ぎてゆく。


毎日の保育と
毎月の行事の準備と
日々の記録に 追われる。


そして
わからないことや
これでいいのかなって
思う事も   出てきたり。

ううう～（-""-；)
肩凝ってるなあ。


うら若き２０代なのに。。。

（自分でゆっちゃってるし）



毎日
自宅と職場の 往復。
休みの日は疲れて
家でゴロゴロしてる。

最近のパターン。



。。。。






バス遅いな、、、



綺麗なオレンジ色の空も
随分と

濃紺やグレーの色がまじって
なぜか寂しい感じ。


お腹へったわぁ。。。


どこかで たこ焼きの
においがする。

あ～食べたいなぁ。

たこ焼き。。


 
バスが来た。
バスは ちょっと遅れていたからか
空いていた。




やった    座れる。

やっと自分の時間。

バスの座席は
少し暖かで リズミカルで

やさしく包み込んで

くれてるみたいに 落ち着いた。

。。。。

今日も

いろいろあったな。。



。。。。。


。。。

。。


イクはいつの間にか 眠っていた。

そして

バスは進んでゆく。

つづく。