定年後、本当に求められるのは「学歴」なのか?
先日、職場でアルバイトを募集し、面接に立ち会いました。
時給は決して高くないこともあってか、応募してくださったのはお二人。どちらも65歳を超えた方でした。
お一人は国立大学卒業後、銀行勤務を経て、金融機関で長年キャリアを積んできた方。
もうお一人は高校卒業後、同業他社でパート勤務を続けてこられた方でした。
面接をしていて、とても対照的なお二人だと感じました。
国立大学卒の方は、とてもハキハキと受け答えをされ、「もうすぐ孫が生まれるので、お小遣い稼ぎがしたくて」と笑顔で話してくださいました。
パソコンも得意で、「WordもExcelも任せてください」という頼もしさがあります。
一方、もうお一人は、「WordやExcelはできません。電話応対もあまり得意ではありません」と、とても正直。
ただ、「同業他社で使っていたシステムなら問題なく使えます」と話されていました。
正直なところ、最初は「仕事ができるのは間違いなく国立大学卒の方だろう」と思いました。
でも、面接を進めるうちに、別のことを考えるようになりました。
アルバイトの仕事には、シュレッダーをかけたり、ゴミを捨てたり、段ボールを片付けたりといった細かな雑務もあります。
そんな仕事を、この方に気持ちよくお願いできるだろうか…。
そんな迷いが頭をよぎったのです。
もちろん、実際には快く引き受けてくださる方だったのかもしれません。
ただ、長年第一線で活躍されてきた自信や誇りが、言葉の端々から少し感じられたのも事実でした。
反対に、もうお一人の方は、自分のできること、できないことを率直に伝え、そのうえで経験を生かして働こうという姿勢が伝わってきました。
定年後の仕事では、これまでの肩書きや学歴よりも、「どんな仕事でも前向きに取り組める柔軟さ」が大切なのかもしれません。
若い人から指示を受けることもあるでしょうし、時には雑務を任されることもあります。
そうした環境を自然に受け入れられる人ほど、長く必要とされるのではないかと感じました。
もちろん、これは今回のお二人だけを見て感じたことなので、すべての人に当てはまる話ではありません。
ただ、実績や肩書きがある人ほど、その経験が時には新しい環境への適応を難しくしてしまうこともあるのかもしれません。
最終的には、採用されそうなのはWordもExcelもできない、同業他社でパート経験のある方です。
今回の面接を通して、「仕事ができる人」と「一緒に働きたい人」は、必ずしも同じではないのだと、改めて考えさせられました。