子供の頃のお話。
家の前の花壇の花や鉢植えを眺めていたら
蟻さんが列を作って歩いているのが目に入った。
何やらお菓子のカスのような白いものを頭の上に乗せて
せっせと運んでいる。
『いったい何してるんやろ?』と思ったので聞いてみた。
私:「な~蟻さん、何してるん?」
蟻:「ご飯を運んでます。」
私:「ふーん、ご飯運んでるんや。どこに?」
蟻:「お家に」
私:「ふーん、ありがとう。」
面白い事を教えてもらった!と思った私はその夜さっそく母に話した。
私:「お母さん、蟻さんってお家にご飯を運んでるねんて。」
母:「そうやで。今日は蟻のこと先生に教えてもらったんや。」
私:「ちゃうで、蟻さんが言うとった。」
母:「いっこちゃん、蟻はおしゃべり出来へんねんで。」
私:「蟻さん、おしゃべりできるで。」
母:「蟻はおしゃべり出来へん!!」
『お母さん変なの。』
この時わたしはまだ自分には普通でも、自分以外の人には普通でないことが
あるとは思いもしていなかった。
母も蟻さんとお話できるけど、しないだけだと思っていた。(笑)