● 6月16日 (土) 稚内→礼文島・5717,6kmスタート

 今朝は曇り、YHに食事は無くフェリーで食べる事にして

出発の準備を終え、フェリー乗り場に来てみると、

観光バス5台、乗用車やトラック数台、

バイク数台、自転車1台とかなりの数である。

 自転車とバイクは最後に乗船するので、客室はすでに満員、

売店でパンとコーヒーを買い、ついでにカッパ海老センも追加した。

 デッキで食事をしながらフェリーの進んで行く後ろを眺める。

 稚内は霧の中へ消え、野寒布岬を廻ると霧の海を進んでいくので、

何も見えない。

 稚内から飛びながら付いて来るカモメに、

エビセンを投げると器用に銜えて飛び去り再び飛んでくる。

 左の海を眺めていると、沖でなにかが跳ね、

注意して見るとイルカが数頭でジャンプを繰り返している。

 やがて霧の中に利尻富士が見え出して、

近ずくと客室から多くの人が出てくる・・・・・皆が左に集まりフェリーが傾く? 
      
おい、おい!・・・・・思い過ぎだし。

$走るのは、今でしょ!
霧の中に見えた利尻富士 

 礼文島に近ずくにつれて霧が薄くなり、

港では着岸の準備をしていているのが見える。

 期待に胸が躍る瞬間が近ずく。


$走るのは、今でしょ!
礼文の岸壁に接岸中

 フェリーからは最初に出て、港を一回りして出発し、

香深の町を離れると、いきなり山肌がむき出しの岩山があり、

右には穏やかな海が広がり、いい感じで走れる。

$走るのは、今でしょ!
道のすぐ側から崖が伸びる

 道の側に花が咲いていて、崖の上まで続いている。

 金環日食観測記念碑を通過して、

赤岩の海岸ではすぐ下の岩場にワカメがびっしりと群生していて、

辺りの浜には砂利が敷き詰められ昆布の天日干しの場所が至る所にある。

 少し沖では小さな舟でウニ漁をしていたり、

浜で漁具の手入れをしている漁師さんがいたり、

カモメが飛び交ったりしてのどかな海岸風景が続く。

 上泊の手前を左に曲がると、長い坂が始まり、しかも急であるが、

両側の法面には小さな花が雑草の中から顔を出して、気を紛らわしてくれる。

$走るのは、今でしょ!
$走るのは、今でしょ!
いろんな花が咲いている

 途中の高山植物園を通過して坂を登ると、頂上が見えてきて、

辺りは丘が続き熊笹や低木が一面に広がる。

 頂上からはなだらかな下りで、重みだけで下っていると池があり、

そこで休憩をして再び下ると小さな集落がありコンビニで弁当とお茶を買い、

船泊湾に沿って走ると小さな港があったので、

昼でもあるので岸壁に座り弁当を食べる。

 カラスとカモメが側に来て欲しがっている様子を見ながら食べる・・・・・

ご飯を少し投げるとカラスがすかさず食いつく。

 白浜から登り坂で、先のスコトン岬まで続き、

バスや車も多くて追い抜かれていく。

 霧の晴れた岬からの景色にうっとり、瞑想にふける・・・・・実は何も考えていなかった。
                  
$走るのは、今でしょ!
頂上からは丘が続く        

$走るのは、今でしょ!
久種湖の風景


小さな花

 戻りの道はやや下りが多く楽に峠も降りて、香深井辺りまで来たとき、

海の方から濃い霧が低空飛行で流れ込んで来るのが見えた。

 とにかく急いで(そんな必要も無いのに)走り、香深から山越えに向かうと、

とんでもない急勾配が待ち受け、西伊豆の坂に匹敵するほど苦しい。

 よじ登る様にして登り、木々の隙間から利尻富士が霧に浮かぶ様子が感動的で、

また次のコーナーまで登り、次第に霧に包まれる利尻富士が擦れてくる。

 頂上からトンネルを抜けると目の前には絶景が広がった。

 これが絶景か!・・・・・と言うくらいに絶景中の絶景である。

 霧がリアルに流れ、景色が変化をしてゆく様子に暫く見とれる。

$走るのは、今でしょ!$走るのは、今でしょ!
霧が海から流れ込んでくる                   

$走るのは、今でしょ!
霧の中に浮かぶ利尻富士

 いろは坂を下りながら景色を堪能するが、もし霧が無かったら、

いったいどんな景色になるのか怖いくらいである。

 巨大な桃岩の下を通過し、さらに下ると少し広い草原から

眺めのいい場所に出たので久しぶりにスケッチを描き始めた。

$走るのは、今でしょ!
久しぶりのスケッチ

 先端の方から霧が流れて来るので、慌てまいとするが、やはり慌てながら描いていた。

 砂利道を下り、今日の宿「桃岩荘」が現れた。

 チェックインに入ると「お帰りなさい」と言われ、

ビックリしながら女性スタッフからシーツと枕カバーを受け取り

2階の空いたベットに荷物を置くが、どこか落ち着かない状況で、

異空間に来てしまった感じがする。

$走るのは、今でしょ!$走るのは、今でしょ!
この絶景に大感動する                      

$走るのは、今でしょ!
徐々に霧に覆われる

 どうにも空気になじめず、

外に出るとバイクで来た青年や数泊している人と話し込み

居れる場所があるんだと思うと、少しは気持ちが楽になった。

 来た以上、落ち込んでも仕方ないので気持ちを切り替え、

雰囲気に慣れる事にした。

 フェリーの最終便で泊り客がやってくるので、迎える準備を手伝う。

 皆で、入り口に向かい、笛やら鳴り物を持って、

自分は太鼓を持ち、スタッフが戸を開けると同時に、

ドンドン、がんがん、ピー、カンカンととけたたましく音が響き、

「お帰りなさい」・・・・・客は驚いた顔をして入ってきたのである。

  自分が部屋を出る時、「行ってきます」、入る時「ただいま」である。

 誰かが出る時「行ってらっしゃい」で、

入る時「お帰りなさい」であり、これがここのルールとなっていた。

 かくして自分も仲間の一人になれた思いで、風呂も食事にも参加できた。

 7時から全員でのミーテイングが始まると言うので、

それまでは外で夕涼みをしていると、浜での飯ごう炊飯

から帰って来る人が登ってきた「お帰りなさい」。

 また、霧が濃くなり、やがて夕日が辺りを赤く染めだして、

この景色が何とも幻想的で綺麗だった。

$走るのは、今でしょ!
猫岩が霧と夕日に霞む

$走るのは、今でしょ!
霧の中の幻想的な夕日

 広場で説明会が始まり、これからの予定と明日の予定や

フェリーの時間について詳しく話があり、各スタッフの紹介と挨拶が終わると、

歓迎の歌が始まる。

 声がでかい、慣れてはいるが、それでもでかい声で歌う。

 元気はつらつで、途中コントもあったりして場内は

大盛り上がりになって来たかと思うと、

数人が選ばれ歌いながら踊るが(桃岩荘風)、最初は難しくて覚えららない 

それでも夢中になり、恥ずかしい・・・・なんて思う暇を与えてくれない。

 最後は全員参加で歌と踊りに熱狂する有様、

老いも若きも関係なく桃岩荘が一体化した瞬間である。

 9時に終わり、あとは自由ミーテイングの時間で過ごした。

$走るのは、今でしょ!
歓迎の歌が始まる     

$走るのは、今でしょ!
選ばれた人の歌と踊り    

$走るのは、今でしょ!
最後は全員参加で歌い踊る

 最初と最後に歌った「遠いい世界に♪」が体中に浸み込んだ様な気がする。

 10時には予定通りに消灯。

 月光仮面が出てきたり、遠いい世界に、の歌が頭をグルグル廻り、

なかなか寝られなかったのは自分だけではないはず。


      (今日の走行距離=50km)

● 6月15日 (金) 浜頓別→稚内・5612,4kmスタート

 窓から外を見ると霧が辺りの景色を隠していた。

 浜頓別から238号線を北上するが濃霧でクッチャロ湖は見えず、

街もぼやけている中を走り、クッチャロ湖からオホーツク海に流れる

川の橋を渡る時、「熊注意」の看板が立っていた。

 湿地帯の様な所を走っている様だがよく見えず不安も高まり、

連続的にベルを鳴らしていた。

 いきなり熊が目の前に出たら・・・・・考えたくもないが、

反面、期待感もあったりするので、出たとこ勝負だと思うと、

少し気も楽になっていた。

$走るのは、今でしょ!
草刈の終わった牧草地     

$走るのは、今でしょ!
釣り人がいた          

$走るのは、今でしょ!
霧の合間に可憐な花が見える

 浜猿仏のポロ沼を通過中、この濃霧の中で釣りをしている人がいて、

橋の左に3人、右に2人がフライロッドを振っていた。

 右はすぐ河口になり、どんな魚が釣れるか見たいが、

熊も気になり、先を急いだ。

 時々ベルを鳴らしながら走る。

 海岸線を走っているがオホーツクの海は波打ち際しか見えず、

それでもいい感じの風景に少し熊のことを忘れる事ができる。

$走るのは、今でしょ!$走るのは、今でしょ!
オホーツクの海岸

 東浦漁港の手前で、おじろ鷲を3度見たが遠くて撮影は無理で諦めたが、

かなり大きく、口ばしの鋭さが印象に残る。

 最後に見たときは、空中戦でカモメを捕らえるところを近くで見たが、

迫力と鋭い目と爪の大きさに驚き、カメラを出す事も忘れて見入っていた。

 進むほどに霧は晴れてゆき、宗谷岬に着いた頃にはすっかり

見渡せる様になっていた。

 先日は本州最北端の大間に寄り、そして今日は日本最北端の

宗谷岬にやってきました。

 地理的にはここから折り返しになるので、いい記念となり、

ここまで2ヶ月と15日で、自分でもよく走ってきたと自信を持って言えそうだ。

$走るのは、今でしょ!

日本最北端の地に立つ          


宗谷岬を廻り込み、宗谷湾に沿って走る。

 霧は晴れたが、遠くの景色はまだぼんやりとしていているが、

後ろに宗谷岬、前には稚内が見え

一度に二度美味しい風景を見ているようで、走りも軽快になる。

 稚内には2時過ぎに到着したが、まだ昼飯を食べていないので、

港の近くのコンビニで弁当とお茶を買い港のベンチでゆっくり食べる。

 港の向こうに大型フェリーが2隻停泊している。

$走るのは、今でしょ!
メグマ沼辺りから宗谷岬を望む   

 岸壁の淵にはワカメがついていて波にゆれ動き、小魚が泳ぐのが見える。

 沖側の北防波提ドームが港を守っている。

 その下を30kmくらいで走ると、車もいないので気分は最高にいいが、

妙にむなしい気もした。

 YHに5時にチェックインで客は一人。

 コンビニで夕食を買い込み、あとは部屋でまったり。


     (今日の走行距離=105,2km)

● 6月14日 (木) 天塩川温泉→浜頓別・5492,7kmスタート

夕べの天気予報では全国的に雨だと言っていたが、

今朝は晴れているので、もう一度TVで予報を確認すると、

北海道以外はすべて雨が降っているそうで・・・・・ヤッタネ!。

 雨の降らない優越感を持って出発する。

 森林の中を走り抜け陸橋を渡るが、

線路が無い光景に立ち止まると線路の跡は車の通り道になっていた。

 林や森が続き、時折見える小川にウグイの姿を発見し、

近くにも数匹がジッとしているのが見える。

 咲来を過ぎ、音威子府に入り、「青サギのコロニー」と看板があるが、

今は見えないのでそこには居なかったようだ。

$走るのは、今でしょ!
廃線の跡は農道になっていた   

$走るのは、今でしょ!
小川にウグイを発見する  

 音威子府の駅はお洒落で大きく、利用客が多い事を物語っていた。

 駅を過ぎるとなだらかな坂が続き頂上の、

道の駅「音威子府」で一休み、だが本日閉店。

 みんな、なんで~と呟く。

 トイレだけは使用可能で助かったのは自分だけではなかったようだ。

 1枚のポスターが目を引き、見た後は感動が残った。

$走るのは、今でしょ!

$走るのは、今でしょ!
ビッキ展のポスターと作品の写真

 アイヌの砂澤ビッキの作品展のポスターで、

しかもパンフレットを見たから余計に興奮して、

4km奥のアトリエに行きたいが、

往復1時間以上のロスになるので断念して先を急いだ。 

音威子府から275号線に入り、どうやらここからは山越えになりそうだ。

 日本中に雨が降っているのに、北海道だけ降らない自然が面白くも思える。

 山道を走っていても、目に付く物が沢山あり退屈はしないし、

たまに車とすれ違うが歩いている人には、出会う事は無い。

 牧場の人々の生活や思いが垣間見られる光景もあったりして、

考え込む事もある。

 馬や牛の供養碑を見て、牧場の人々の思いを感じたり、

牧場の廃屋から時間と寂しさを感じたりすると、

走っていても辛くなる時もある。

$走るのは、今でしょ!
馬頭観世音(左)と牛魂供養碑 

 不思議な事に天北峠がまたある。

 普通に登れるので高い峠では無く、標高190mと標識が出ていた。

 この辺りから体がだるくて、気分がのらなくなり、

何となく走っている様でどこかおかしい。

 道の駅「ぴんねしり」に寄るが食堂が無く、

パンとミルクコーヒーを買い、

裏手の芝生に座り食べようとするが食欲が湧かない。

 少しの間、横になって空や雲を見たり、鳥の声を聞いていた。

$走るのは、今でしょ!
高い山々に囲まれた牧草地     

$走るのは、今でしょ!
使用済みの捨てられた小屋

 道の駅から、どうにかこうにか浜頓別までやって来たが、

途中、ボーとしていた様で何も覚えていない。

 浜頓別の町は広々した印象で車も少なく走りやすく、

咲き始めた花に迎えられた気がして、市内を抜けクッチャロ湖に向かうと、

今日の宿の前を通り探す手間が省けた。

$走るのは、今でしょ!
浜頓別町で咲いていた花

 かなり広い公園になり、キャンプ場もあって、

すでに3箇所にテントが張られていて数台の車も側に止まっていた。

 湖畔を北へ進むと、白鳥の餌場があり観察も出来るようになっていて

なぜか今は白鳥のいない光景が殺風景にも見える。

 サイクリングセンターには4時過ぎにチェックインして早速風呂へ向かうと、

浴槽が4つに分れ、冷泉・水・ぬるま湯・熱い湯で、取り合えず温めの湯に浸かる。

 部屋はベットが良かったが、年齢を配慮してか和室になっていて

布団が敷いてあった。

 夕食、食堂はかなり多くてほぼ満席状態になっていた。

 豪勢な料理で、驚きは毛蟹が1匹ついていたのである。

 これじゃ酒も進むが夕日を見たくて焦り気味に食べていると

女性スタッフさんが今日の夕日は無理かも知れないと言っていたが、

日が落ちる間際で雲が切れて一面が赤く染まりだした。

 みんな慌ててレストランから出て行くが、前もって庭を調べていたので、

庭を通り崖の隙間から下の湖畔へ降りた。

 すでにライブショーは始まっていた。

 旅に出て、これまで最高の夕日を拝めた事で、

鳥肌が立つ位いの感動に感謝、感謝である。

$走るのは、今でしょ!

$走るのは、今でしょ!

$走るのは、今でしょ!

 その後、部屋に戻ると前の会社のS君から激励メッセージが届いた。

 そして鹿児島で会った篠原さんも25日に長万部で会おうと言って来た。

 みんなから力を貰い、助けられている事にも感謝する「ありがとう」。


         (今日の走行距離=75,6km)